近づく二人   作:月島柊

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 俺は学校から離れたルートでウォーキングを始めた。そりゃあ学校の近くだとあの男や胡桃に会うから離れたところでするんだ。

「おや?月島くんだったね」

話しかけてきたのはあの男の仲間だった。

「・・・何のようだ」

「何の用だって、言い方が悪いねぇ。ただ・・・」

そう言って男の仲間は持っていたナイフを俺の首に当てる。

「傷つけたいだけだよ」

少しでも動いたら殺される。そう思った俺は氷結魔法で男の仲間を凍らせる。

「まだ、だ」

俺は氷結魔法で動き出せるとは思わなかったため、俺は油断していた。

シュッ

ナイフが俺の首を切る。しかし男の仲間は一切動いていない。

「粒子魔法、さ。」

「粒子魔法って、ぐはっ」

俺は倒れ込んでしまう。首からは大量の血。

「面白い。そのままでいればいいさ」

俺はゆっくり目を瞑った。もう、開けていられなかったから。

 

 倒れてから何時間が経過しただろう。柔らかいものにくるまれているようだったが、俺が倒れたのはアスファルトの上。柔らかいはずがない。さらに言うと全体が涼しい。外は暑いのになぜだろうか。まさか・・・俺はそれ以外を思えなかった。

「月島君」

俺の名前を呼ぶ声。一体誰だろう。高い声だしどこかで聞いたことのある声。

「まだ起きてないのね・・・」

ドアを開け外に誰かが出る。いや、ドアがあるってことは室内だ。それに天国じゃない。ということは誰かの家。俺の家は俺しか鍵を持っていない。

「ん?」

俺は目を開ける。そこには高い位置に天井があった。部屋というのは合っているらしい。また、天井だから上を見ている。寝ているのか?

「どこだ・・・?」

辺りを見渡すと広い部屋だった。大きな窓もあり、見覚えもある。

「起きたのね・・・」

部屋に誰かが入ってくる。入ってきた方を見るとそこには・・・

胡桃(くるみ)・・・」

「月島君。」

胡桃とは会いたくなかったが、俺の中には会えてよかったという気持ちもある。

「男は」

「・・・」

「おい、まさか・・・」

仮想(かそう)世界(ワールド)で殺した」

やっぱりか。仮想世界で人を殺そうと罪にはならない。

「そうか。今は胡桃1人なんだな」

「そう。あっ、動かないで」

胡桃が俺の首を押さえる。

「首に包帯巻くから」

胡桃は包帯を持ち、俺の首に巻く。

「苦しくない?」

「大丈夫。胡桃こそ初じゃないのか」

「1回だけお母さんに巻いたことがあるの」

胡桃はすぐに巻き終わる。だが俺に当たったナイフはそんな単純なものじゃない。

「胡桃、少しここにいてもいいかな」

「うん。私も話聞きたいから」

胡桃はベットに腰かけて俺の方を見る。

「月島君はどうしてそこに傷できたの?」

「あぁ、あの男の仲間にナイフ突きつけられてね」

「そうだったんだ。大丈夫なの?」

「今は痛み収まってるから大丈夫。」

出血しなくなったからだろう。全く痛くなかった。俺は胡桃に聞いた。

「胡桃が助けに来たのか?」

「うん。紗由理ちゃんと協力して」

紗由理も来てたんだ。しかし俺がウォーキングに行ったのは朝8時前後。ということは、学校が終わる5時まで倒れてたということだ。

「そうか。ありがとう、胡桃」

俺は礼を言った。明日から学校行こうかな。

 

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