近づく二人   作:月島柊

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 俺は朝8時前に胡桃の家に向かった。俺も今日だけは服装に気を使い、格好よく決めてきた。色はまぁ、いつも通り黒だけど。

胡桃の家に着くと、少し驚かせたくなった。初めて来たときは窓から入ったから今日も窓から入ってみようと思ったのだ。俺は木に手を掛け、跳躍魔法を使って木の上の方にある枝に捕まる。そしてそこから跳んで窓枠に乗る。

「胡桃」

胡桃は服装選びをしてる最中だった。4つの服を両手にもって、首を左右に向けていた。もちろん気付いてないらしい。

「胡桃、来たぞ」

「あっ、柊くん。服装選び…って、えぇっ!?」

やっと気付いたらしく、驚いている。俺は家のなかに入り、靴を脱ぐ。

「そうだな、この水色のかな」

「ちょっ、玄関から来るんじゃないの?」

「別にいいだろ。着替えてないんだし」

「むーっ、もう、これでいいのね」

何かさっきのかわいかったな。俺は着替えると思い、後ろを向く。

「ほら、着替えるんだったらさっさと着替えろ」

「こっち向かないでよ?」

俺はいつからそんな変態扱いになったのかな?

「見ないから。ってか早くしないとそっち向くぞ」

「分かった!」

スルスルと服の擦れる音がするが俺にはなにも関係ない。

しばらくして胡桃が言った。

「着替え終わったからこっち向いて」

こっち向いてって言うのおかしい気がするがまぁいいか。

「柊くん、私のこといつから好きなの」

いつからって、いつからだ?高校入学してから4ヶ月だから…ちょうど2年前か。

「2年前からだけど、どうしたんだ」

「覚えてないの?幼稚園と小学校一緒だったでしょ?」

幼稚園と小学校一緒だった!?全く覚えてなかったんだけど。俺は追憶魔法で幼稚園の頃を思い出す。

 

【追憶】

 

「しゅうくん!こっちきて!」

「どうしたの?くるみちゃん」

「おままごとしよ!」

そうか。13年前、俺と話してた子は胡桃だったのか。俺はその時から好きだったのか?

「しゅうくん!おとなになったらけっこんしよ!」

「うん!いいよ!」

こんなことも言ってたか。昔の俺はやんちゃだったからな。全く意味が分かってなかったんだろう。

「しょうらいのおとうさんだ!」

「じゃあしょうらいのおよめさんだね!」

全く、意味分かってるじゃないか。お嫁さんだって、本当に好きだったんだな。

「同じ小学校入学できてよかった!」

「だね!よかった!」

小学校入学したときか。ずっと一緒にいたんだな。

「一緒に帰ろ!」

「いいよ!」

一緒に帰ってたりもしたのか。

「柊くん、どうしたの?」

「静かにしててくれ…」

俺が暗くなったきっかけか。そういえば小5くらいだったな。

「柊くん!帰ろ!」

「…1人で帰る…」

こんなこと言ってたか?全然覚えてなかった。

「柊くん、中学校は」

「受験する。会いたくないから。みんなと」

ここで胡桃と別れたのか。

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