DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版   作:無言の短パン

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ピュプノシスターとの出会い。そして動き出す運命。

 城に戻ったところ、クランに鞭で叩かれた。何発もだ。

 ピケルやクランたちにかなり心配をかけていたみたいだ。

 申し訳がなかったのでしっかりと謝罪した。鞭で叩かれたのは許さないが。

 

 

 それから数日が過ぎた。

 兄ライズベルトの死が相当ショックでセームベルは未だに塞ぎ込んでおり、今日はピケルとクランに励ますように頼まれて喫茶店のような店にセームベルと2人で居る。

 今町は厳戒態勢のため、2人は城から出ることは許されなかったらしい。

 

「……」

 

 気まずい。どうすればいいんだ。

 大好きな兄ちゃんが死んだんだぞ、そう簡単に立ち直れるわけないだろ。

 どうしてこんなクソ面倒くさいことをしなくちゃいけないんだよ。

 

「え、えーと。セームベル、なにかやりたいことはないか。それか欲しいものはないか? 今ならよほどのものじゃない限り奢るぞ」

 

「……一つだけある……私……デュエルをやりたい……」

 

 セームベルは俺に真剣な眼差しで、そう言って来た。

 

「デュエル? どうしてまた。デュエルに興味が無かったんじゃないのか?」

 

 俺は内心とても驚いている。セームベルは出会った時に、デュエルの事は全然分からないし、興味ないと言ってた。

 俺がライズベルトとデュエルの事を話してると大抵邪魔してきた。そんなセームベルがデュエルを教えてくれとお願いしてきたんだ。驚くのも無理ないだろ。

 

「私は今までずっとお兄ちゃんに守られてた。でも……もうお兄ちゃんは……死んじゃった。……だから私、強くなりたいの!! 天国にいるお兄ちゃんが安心出来るくらいに!」

 

「それにお兄ちゃんが最後に私に託してくれたこのカード。このカードはお兄ちゃんの形見。私、どうしてもこのカードを使いこなしたいの……だから……」

 

 そうか……ライズベルトの死がきっかけで色々思う事があったんだろう。

 

「分かったお前にデュエルを教えてやるよ」

 

「本当! ありがとう、おじさん!」

 

「おじさんじゃない!」

 

 まぁ、少し元気を取り戻したみたいで良かった。

 

 

「まず始めに、聞きたい事がある。セームベルはデッキを持ってるか?」

 

 これは重要な事だ。デッキを持っていればそのデッキに合った戦略を教えたり、カードをあげたりするからだ。

 まぁ、セームベルはまだデュエルを始めてすらいないんだから、デッキは持ってないと思うけど。

 

「うん、持ってるよ。ちょっと待ってね」

 

 そう言ってセームベルは変な呪文を唱えた。するとセームベルの目の前に魔方陣が出て来た。

 そして、その魔方陣の中からデュエルディスクが出て来た。デュエルディスクにはカードが装着されていた。

 

「そのデッキ見せてくれないか」

 

「うん、いいよ。これが私のデッキだよ」

 

「どんなカードが入ってるんだ?」

 

 俺は渡されたデッキのカードを見てみた。

 

 魂喰らい(レベル4、攻1200守0、バニラ)

 はにわ(レベル2、攻500守500、バニラ)

 破壊のゴーレム(レベル4、攻1500守1000、バニラ)

 

 巨大ネズミ、補充要員、レインボーフラワー、ドラゴニックフォース、地を這うドラゴン、正々堂々、スティング、守護霊のお守り、火炎草、ダブルアタック……

 

「……なぁにこれぇ?」

 

 思わず相棒のマネをしてしまった。

 だがそれも仕方ないだろ。セームベルのデッキには、昔のカスみたいなカードしか入ってなかった。

 

「このカードはね、全部拾ったカードなんだよ。ほら、この魂喰らいってモンスターカード、可愛いでしょ」

 

 拾ったカードって……遊星やコナミくんかよ。

 こんな昔の使えないカードばっかり入ってるデッキじゃ誰にも勝てねえよ。

 辛うじて使えるカードは、サイバネティックマジシャンと召喚師セームベルのカードの2枚だけだ。

 

 デッキはどうしようもないな、まずはデュエルのルールから教えるか。

 そう思ってると俺のデッキから何十枚かのカードが飛び出してきた。

 ピケル達にサイレントマジシャンを渡した時と同じ状況だな。

 

「どうやらこのカードはセームベルに使って欲しいみたいだ。やるよ」

 

「えっ! カードくれるの。ありがとう、おじさん」

 

「おじさんじゃねぇよ! カード渡さないぞ」

 

 俺はそれからセームベルに、召喚師セームベルやサイバネティックマジシャンと相性のいいカードや使えるカードを説明した。

 セームベルは、「私は私が気に入ったカードしかデッキに入れない!」とか言って魂喰らいとかのバニラモンスターをデッキに入れたままだった。

 その後俺はセームベルに、デュエルのルールやカードの事を教えた。

 

 

 

 

「じぃ──ー」

 

 俺はふと誰かの視線を感じ、視線の方を見てみると1人の少女が俺たちの事を見ていた。

 その少女は俺が知っているモンスターカード、ヒュプノシスターだった。

 

「なんだ、何か用か?」

 

「……うん……ちょっとね〜」

 

 随分、おっとりとした喋り方をするなぁ。

 

「私、ヒュプノシスター。プノって呼んでくれると嬉しいな〜」

 

「あ、ああそう。俺は未来、よろしく」

 

「ふ〜ん未来ならライライだね〜。よろしくね、ライライ〜」

 

 ライライって。なんか変なあだ名をつけられたな。

 

「おじさん、どうかしたの? ……あ──ーお前は!!」

 

「あ〜、ベルベルだ〜。どうしたの?」

 

「私の事、ベルベルって呼ぶなー! アンタ、いっつもお兄ちゃんをストーカーしてたでしょ!」

 

 そういえば、俺の世界のライズベルトのカードにも確かにピュプノシスターが草陰に隠れてた気がする。

 そうか、アレはライズベルトをストーキングしてたのか。

 

「別にいいじゃない、ベルベル〜」

 

「だーかーらー! 私の事をベルベルって呼ぶなー! もう怒ったよ、ここで私とデュエルしなさい!」

 

 この喫茶店のような店にはデュエルスペースがある。セームベルはそこでデュエルするつもりだろう。

 

「え〜。デュエル〜。……いいよ〜」

 

「私が勝ったら、もう二度と私の事をベルベルって呼ばない事!」

 

「うん、分かったよ〜」

 

 そんな事があり、セームベルとプノがデュエルする事になった。

 

 

 

「……ま、負けた〜」

 

 まぁそうなるよな。

 ルールもうろ覚えの寄せ集めデッキで、高アタッカーが多いサイキック族デッキに勝てるわけ無い。

 

「こ、今回は手札が悪かったから負けたんだよ! アンタが私に勝ったのはマグレなんだよ!」

 

 

「……じゃあ。もう一回デュエルしよ〜よ」

 

「望むとこだよ! 次はコテンパにしてやるんだから!」

 

 セームベル、プノとのデュエル楽しかったんだろうな。

 だってセームベル、さっきよりも凄く楽しそうな顔をしてるし。

 

「また負けた──ー」

 

「あはは〜。勝った〜」

 

 ……セームベルには、まだまだ教える事がたくさん有るみたいだな。

 まぁ、セームベルが元気を取り戻したみたいで良かった。プノには感謝だな。

 

 ライズベルト。お前との約束は守るからな……。

 

 

 

「……いよいよ彼を呼ぶのですね」

 

「……ええ、あなたの報告で決心が付きました」

 

「良いのですが? 彼は確かに素晴らしいデュエリストです」

 

「そして、彼とデッキのカードには確かな絆がある事も確認いたしました」

 

「……ですが、彼の中の心の闇の力は異常です。もし敵が完全に闇に取り込まれてしまった場合、我々の敵になる可能性も」

 

「その心配はいりません。貴方は引き続き、ピケルとクランの事を鍛えてください」

 

「承知しました」

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