DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版 作:無言の短パン
この集落に来て数日が過ぎた。
俺はその間、ここの住人に邪神や邪神使いについて聞いてみた。
だが、結果として目ぼしい情報を得る事は出来なかった。
正直、ここで得られる情報はもうないと考えている。
俺は別の場所に移動することを考えていた。
そんなおり、プノから話があると言われ俺は今寝床にしている建物にいる。
この場にはセームベル、ランドスター、エリアルがいる。
「実はね〜。デッキを弄ってたら、カードが1枚ない事に気づいたんだ〜。それでね〜、ここ最近ベルベルやアルルンにも頼んでこの中を隅から隅まで探したんだけど見つからなかったんだ〜。だから〜……」
「なるほど。……この世界に飛ばされてきた時に、失くしたかもしれないって事か」
「うん。……もしかしたら森の中に落ちてるかもしれないから〜……」
「そうか……一応聞くけど、プノが言ってる事は本当か?」
「うん、そいつの言ってる事は本当だよ、皆んなで一生懸命探したんだけど……見つからなかったよ……」
「そう言う事なら俺はいいぞ」
「プノさん、僕も一緒に探すよ」
「え、えっと、あの……わ、私も……手伝う……よ……」
「……はあー、しょうがないなー。……私もついて行ってあげるよ」
「皆んな……ありがと〜」
「あっ、そうだ未来さん。万が一に備えてグレファーさんとプリーステスさんに同行して貰いましょうよ」
「あの2人に、何故だ?」
「だって万が一、バケモノに襲われた時にグレファーさんが入れば、返り討ちにしてくれると思います。それにプリーステスさんが入れば、ケガをしてもスグに魔法で治してくれると思います。2人が居てくれれば、きっと安全に森の探索が出来ますよ。それに何も起こらなかったとしても、カードを探す人は多い方が見つける可能性が上がるので、誘ってみて損はないですよ」
なるほどな。確かにランドスターの言い分は最もだ。
万が一があって、何かあったら取り返しがつかないからな。
「分かった。なら2人を誘って来」
「それはやめといた方がいいと思うよ〜」
「ど、どうして、 2人が居た方が安全だよ!?」
「だって〜、あの2人だって忙しいんだよ〜。ファーさんは町の見回りと警護をしてるし、テスさんは町の人たちの為に色んな事をしてるんだよ〜。きっと私たちが誘えば、2人は優しいからついて来てくれると思うけど〜……」
確かにプノの意見にも一理ある。グレファーもプリーステスもこの町では必要不可欠な存在だ。
「そうだね……確かにプノさんの言う通りだね。2人とも忙しい身なのに、僕たちの都合で振り回す訳には行かないよね……」
「でも流石に〜、黙って行くわけにはいかないからさ〜。ファーさんに森に行くよ〜って言っておけばいいんじゃないかな〜」
「そうだな、そうするか。じゃあ俺、グレファーにその事を伝えて来るから」
「ファーさんが一緒に行くって言ってきても、ちゃんと断るんだよ〜」
「そういえば、落としたカードはなんて名前のカードなんだ?」
「そっか〜、まだライライには教えてなかったね〜。私が無くしたのは、沈黙のサイコウィザードっていうモンスターカードだよ〜」
それから森に入って数時間過ぎた。
たまにカードは落ちてるんだが。拾ってみると違うカードばかりで、サイコウィザードはまだ見つかってない。
因みに、拾ったカードは全部セームベルの物に成っている。
「あっ、またカード見っけ」
「どうだった、サイコウィザードだったか?」
「えーと……違う、融合ってカードだったよー」
「融合。……確か……融合モンスターを融合召喚するのに、必要なカードだったよね……」
「うん、そうだよ〜。凄いね〜アルルン、よく覚えてるね〜」
「そ……そんなに凄いことじゃ……ない……よ……」
「(ど、どうしよう、まだ僕だけが落ちてるカードを見つけてないよ! これじゃあ、何のためについて来たのか分からないよ! 早く見つけないと!)」
エリアル、数日前まで何も知らなかったのによく覚えてるな。
「よし、折角だしデッキに入れてみよっと」
「なぁ……融合モンスターって持ってるのか?」
「うん、かなり持ってるよ! 私は融合モンスターを拾ったら、すぐに融合デッキに入れてるんだよ」
「ひたすら入れてるって事かよ。お前エクスト……融合デッキに入れられる融合モンスターの数は15枚じゃないのか?」
「ライライ〜、なに言ってるの〜。融合デッキには、幾らでも融合モンスターは入れられるんだよ〜」
「……そうだったっけ? ……」
「未来さん……何を驚いているんですか? 」
落ちつけ。確か融合デッキが無制限だったのは、GXの頃までだった筈だ。
えーとそれで……GXの頃のルールは確か……そう、新エキスパートルールだ。
と言う事はデッキ制限も無いし、そうか誘発即時効果もエクシーズが実装される時まであった筈。
この先、デュエルすることがあればそれらも意識しないといけないのか。
「……(ライライの様子から察するに、ホントに知らなかったみたいだね〜。デュエルを熟知してるライライが、あんな初歩的なルールを知らなかったなんておかしいよね〜)」
「(融合デッキに幾らでも融合モンスターを入れられる事に驚いてるって事は、ライライの知ってるルールには制限があったって事だよね〜……だとしたら、どうして融合デッキが規制されたんだろ)」
「見つからないなー」
「そう……だね……」
「あっ! またカード見っけ! (フェアリー・ドラゴン。バニラ、攻1100・守1200)」
またバニラモンスターかよ。せめてもっといいカードは落ちてないのか。
融合を拾ってから数時間が経ったが、いまだにサイコウィザードのカードは見つかってない。
そんな時だった。
「そこの者たち……少しいいかな」
俺たちを呼び止める声が聞こえた。声のした方を向いて見ると、1体のモンスターがいた。
「!? ……だ、だ、だ、ダーク……バルタ〜!? ……ど、どうしてここに!!?」
プノが言った通り、そのモンスターは俺が知ってる融合モンスター、魔人 ダーク・バルターだった。
しかしいきなりダーク・バルターみたいなバケモノが出て来たら驚くかも知れないけが。
いくらなんでも驚き過ぎじゃないか。
まぁ、エリアルとランドスターはダーク・バルターを見た瞬間、俺の後ろに隠れちまったが。
「なんだお前、なんか用か?」
「お前が未来か?」
「あ、ああ……そうだが」
「そうか、お前が未来か……我の名は魔人 ダーク・バルター。……未来、我はお前にデュエルを申し込む!」
そう言って、ダーク・バルターはデュエルディスクを構えた。
はぁ? コイツは今なんて言った? デュエルしろだって……
「はぁ、何言ってんだお前!? いきなり出会った見ず知らずの奴にデュエルを仕掛けてくるなんて、頭おかしいのか?」
「おい、こんな頭のおかしい奴は無視だ無視! 行くぞ!」
「くっくく、我をみすみす見逃していのか」
「何? どういう意味だ?」
「我は今から、この近くにある町を襲うつもりだ。貴様らは町の住人ではないのか?」
「何言ってんだ。何故街を」
「どうする、デュエルをするか? しないのか?」
この目、本気だ。デュエルをしないと言っても逃してはくれない。
「分かった、お前の望み通りデュエルしてやるよ」
俺はそう言ってデュエルディスクを構えた。
「み、未来さん! こんな奴とデュエルなんてしない方がいいですよ!」
「そう……だよ。……も、もし未来さんがデュエルで負けたら……死んじゃうんでしょ……」
「だからどうした。町を襲うなんて言ってる奴を、みすみす野放しには出来ないだろ」
「全員俺から離れてろ! むしろ集落に戻ってこいつの事を伝えろ!」
「よいのか、私以外にも町を攻めるものはいる、逃げている最中で出会ったらどうなるかな」
「もうそいつらが攻めているかもしれないぞ」
そう言われると4人が足を止めた。
上手いな。こう言われると真実でも嘘でもこの場から離れられない。
「さぁ、行くぞ未来よ」
「「デュエル!!」」
「おじさん……負けないよね……」
「せ、セームベルさん。……き、きっと未来さんなら勝てるよ! ……きっと……」
「(そういえば、私まだ未来さんがどんなデュエルをするのか見たことがなかった。……こんな形で見ることになるなんて)……」
「なんでバルターが……どうして」
「先行は我が貰った、 ドロー! ……我はモンスターとカードをそれぞれ1枚ずつセットする。これでターンエンド」
「俺のターン、ドロー! ……ダイヤモンドガイを守備表示(1400)で召喚。ダイヤモンドガイの効果発動……引いたカードはダガーガイ効果は不発」
相変わらずツキがないな。
「その後、フィールド魔法、幽獄の時計塔発動!」
フィールドを建物が覆い、俺の真後ろに巨大な時計塔が出て来た。
「ほう、なかなか洒落たフィールドだな」
「カード1枚セット、これで俺はターンエンド!」
「我のターン、ドロ―」
「この瞬間、幽獄の時計塔の効果発動! 相手ドローフェイズにこのカードにカウンターを1つのせる」
幽獄の時計塔の針は進み、3時を指した。
「ほぅ、時計の針が3時を指したか……まぁよい、私はまず伏せていたデスラクーダをリバースする。(500)こいつが反転召喚した時にカードを1枚ドローできる」
デスラクーダ。厄介なモンスターだ。
早く処理しないと相手にアドを取られまくる。
「その後、我は手札から融合を発動。その効果により手札の憑依するブラッド・ソウル、辺境の大賢者を融合。……融合召喚……現れよ我自身、魔人ダーク・バルター(2000)!!」
「ふっははは! 我には1000のライフを払う事で通常魔法の効果を無効にする効果と、戦闘で破壊した効果モンスターの効果を無効化する効果がある。これでお前の通常魔法は封じたも同じだ!」
「さらに我は装備カード、フュージョン・ウェポンを我に装備、その効力により我の攻撃力は1500ポイント上がる。(2000→3500」
ダーク・バルターの右腕にフュージョン・ウェポンが装備された。
「我はさらに魔力吸収球体を攻撃表示(900)で召喚。魔力吸収球体には生贄に捧げる事で、お前が発動した魔法カードの発動を無効にして破壊する効果を持っている」
「そんな! これじゃあ未来さんは魔法カードを使えない」
「ダーク・バルターの攻撃力は3500……魔法無しだと、簡単に倒せない……」
「で、でもトラップは使えるよね。だとしたら大丈夫だよ」
「……(それはどうかな。バルターの伏せカードは恐らくあのカード。そうなったらトラップも)……」
「バトルだ! 我でダイヤモンドガイを攻撃、ダーク・フュージョン・ブラスタァァ──!!」
ダーク・バルターの右腕に装備されているフュージョン・ウェポンから、黒色の光線が放たれた。
黒色の光線は一直線に、ダイヤモンドガイに向かってきた。
「伏せカード発動、マジックシリンダー。その効果で……」
「トラップか、ならば我も伏せカードを発動! 永続トラップ、王宮のお触れ! その効果により、お触れ以外のトラップの効果では全て無効化される。よって貴様が発動したトラップは不発に終わる」
シリンダーはビリビリと音を立てて、消えてしまった。
黒色の光線はダイヤモンドガイを破壊した。
「まだ終わらぬぞ! デスラクーダと魔力吸収球体で直接攻撃!」
2体の体当たりが俺を襲った。
「ぐふっ! (4000→2600)」
「デスラクーダを自身の効果により裏側守備表示にする。我はこれでターンエンド」
「あっという間にライフポイントをあんなに削るなんて……あいつ強すぎるよ」
「今の未来さんは……魔法も……トラップも使えない……このままじゃ……負けちゃう……よ……」
「嘘……だよね。……だってもし、おじさんがあいつに負けたら……おじさんは……」
「ライライ……ボロボロだね〜、大丈夫かな。(ライライのデッキはモンスター・魔法・トラップがそれぞれを補って出来てるから、魔法・罠が封じられた今……ライライの勝ち目はほとんど……無い……)」
未来
幽獄の時計塔(時計カウンター 1)
手札3枚
ライフ2600
ダーク・パルター
魔人ダーク・バルター(攻撃表示)3500 フュージョン・ウェポンを装備
魔力吸収球体(攻撃表示)900
デスラクーダ(裏側守備表示)600
王宮のお触れ
手札1枚
ライフ4000
一方その頃……
「ハッハッハー! 殺して、殺して、殺しまくるぜ! ハッハッハー!」
「やめろ貴様ら!!」
「悪いが、それは出来ない頼みだ」
「き、貴様ら……何なんだ! 一体なにが目的だ!」
「目的か。……我輩は詳しくは知らされてはいないが……おそらくは仲間を増やすため、なのだろうな」
「仲間を増やすため……だと……訳の分からないことを言うな! うぉー!」
「愚かな。お前では我輩には勝てぬと言っているだろう。そこで狂ったように暴れているバカにもな……」