DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版 作:無言の短パン
目を開けると俺は木々が生い茂っている森の中にいた。
「どういう……ことだ、俺は確かに死んだはずなのに」
車に轢かれた瞬間は覚えてる。
俺は確かに車にひかれて、頭を強く打って死んだはずだ。
だが俺は自分の頭を触ってみたが、痛みはなく、出血もしてかった。
俺はしばらく、何が起きたのか考えていた。
そんな時だった。いきなり目の前にでかい昆虫が現れた。
「……化け物!? ……いやまさか人喰い虫なのか?」
それは俺が知っている、遊戯王のモンスターカード人喰い虫にそっくりな姿だった。
人喰い虫は、昔から遊戯王をやっているヤツなら誰でも一度は使ったことがあるモンスターカードだろう。
強力なリバース効果を持っていたから、遊戯王初期ころはよく使っていた。
……これは、ヤバくないか。こんな化け物に襲われたらひとたまりもないぞ。
「貴様も魔法使いの手先か」
喋っただと!
しかも貴様も魔法使いの手先かだと。
いきなりこいつは何を言っているんだ。
訳がわからないぞ!?
「沈黙か。まあ貴様が何であれ殺すだけだ」
そう言って人喰い虫は、左手に付けていたデュエルディスクをかまえた。
もう一度言う、デュエルディスクをだ。
これはひょとして、デュエルということか?
いや待て冷静に考えろ。……やはりデュエルしろということとしか思えない。
「俺はデュエルディスクを持っていない。それ以前にデッキも」
「何を訳のわからない事を、持っているでわないか」
そう言って、人喰い虫は俺の左手を見た。
つられて俺も右手を見ると、俺の右手にはデュエルディスクがついていた。
そのデュエルディスクにはデッキが装着されていた。
「なっ、いつの間に? さっきまで付いてなかったのに」
「御託はいい、デュエル!」
そう言って人喰い虫は、デュエルディスクを構えた。
「デュ、デュエル」
ヤベ、つられて言っちまった。
何故、俺はデュエルする事になったんだ?
そもそもこのデッキは一体何デッキなんだ?
分からないことが多すぎる。
「先行は貰った。ドロー」
「何! 先行ターンはドロー出来ないはずだぞ!?」
「訳の分からないことを言うな。ゴキポンを守備表示(800)で召喚」
人喰い虫がデュエルディスクのモンスターゾーンにモンスターカードを置くと、カードに描かれているゴキポンが人喰い虫の目の前に出てきた。
「モ、モンスターが実体化しただと!」
しかも人喰い虫は、ゴキポンを表側守備表示で召喚したのだ。
そして、ライフポイントが4000だ。
本当になんなんだこれは、夢でも見てるのか?
「カードを一枚伏せてターンエンド」
人喰い虫がデュエルディスクの魔法、トラップゾーンにカードを置くと、人喰い虫の目の前にカードが裏側のまま出てきた。
「俺のターン、ドロー」
今、ドローしたカードと、手札を見て理解した。
これは多分、俺が以前使用していたD-HEROデッキだ。
大会に出るための環境デッキを作ってからは、たまに新しく出たDーHEROを入れただけのデッキ。
「まさか、このデッキを再び使用することになるとは……」
だがどうもおかしい、カードの効果が俺の知っている効果と違う。
D-HEROデビルガイは、表側攻撃表示の時に相手モンスターを2ターンの間ゲームから除外する。それが俺が知っている効果だ。だがこっちのデビルガイは守備表示でも効果が発動できるみたいだ。
なぜ効果が変わっているんだ、この効果は……そうアニメだ!
アニメの効果そのものだ。
「おいどうした、早くしろ!」
「分かってる。手札からD-HEROダイヤモンドガイを攻撃表示(1400)で召喚」
デュエルディスクのモンスターゾーンにダイヤモンドガイのカードを置くと、白い光を放出させてダイヤモンドガイが出現した。
「D-HEROダイヤモンドガイの効果発動。デッキの上のカードを一枚確認して、それが通常魔法だったとき、そのカードを墓地に送り次のターンのメインフェイズにその魔法カードの効果を発動できる、他のカードの場合はデッキの一番下に戻す。この効果はたとえ、ダイヤモンドガイが次のターン俺のフィールドに居なくても発動できる」
「何、なんという効果だ」
「俺が引いたカードは、D-HEROディフェンドガイ。効果は不発だ」
まぁ、こんなもんだよな。
当たったことなんてほとんどない。
「手札からデステニー・ドロー発動。手札のDーHERO ディバインガイを墓地へ送ることで、デッキからカード2枚をドロー」
「その後、手札から融合カード、フュージョン・デステニー発動。その効果によってデッキのディアボリックガイとダッシュガイを融合。来い、DーHERO デッドリーガイ!」
ディアボリックガイとダッシュガイが融合のカードに吸い込まれていき、その後デッドリーガイが姿を現した。
「デッキから融合だと!?」
「デッドリーガイの効果発動。手札のDーHERO デビルガイを捨てることで、デッキからDーHERO ドレッドガイを墓地へ送る」
「その後、俺のフィールドに存在するDーHEROの攻撃力は、ターン終了時まで俺の墓地のDーHEROの数×200アップする」
「俺の墓地に存在するDーHEROは5体。よってDーHEROの攻撃力は1000ポイントアップする」
「攻撃力2400と3000だと!?」
「まだだ! 手札から精神操作発動。その効果で、ゴキポンのコントロールを貰う」
「私のゴキポンが!」
「ただし、この効果で奪ったモンスターは攻撃出来ず、リリースすることも出来ない」
「リリース? 一体何を言っている?」
リリースを知らないのか?
かなりメジャーな遊戯王用語だぞ。
まぁ、いい。こんなお遊び、とっとと終わらせるか。
「バトル。デッドリーガイでダイレクトアタック!」
デッドリーガイは両手の爪で人喰い虫を切り裂いた。
「ぐぅう! ……トラップ発動、ダメージ コンデンサー! その効果により、手札1枚を墓地へ送ることにより、受けたダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスターをデッキから特殊召喚できる」
「手札を1枚捨て、現れよ! 我が最強のモンスター、鉄鋼装甲虫!」
「こいつの攻撃力は2800! ダイヤモンドガイでは倒すことはできない!」
ダメージ・コンデンサーか。
もっといいカードを伏せていると思ったが、考えすぎだったみたいだな。
「ダイヤモンドガイで鉄鋼装甲虫を攻撃!」
「何、攻撃力の劣るモンスターで攻撃をするだと! 血迷ったか! 噛み砕いてしまえ!」
「手札のダイナマイトガイの効果発動! モンスターが戦闘を行うダメージ計算時にこのカードを手札から捨てることで戦闘で発生する俺への戦闘ダメージは0になる!」
ダイヤモンドガイは鉄鋼装甲虫に突進していくも、噛み砕かれて破壊されてしまった。
「それがどうした! モンスターを無駄死にさせただけだぞ!」
「ダイナマイトガイの効果には続きがある! その後お互いは1000の効果ダメージを受ける」
「お前の残りのライフは1000。これで終わりだ」
フィールド上で大爆発が起こり、爆発によって互いに吹き飛ばされた。
「バ、バカな──ー!」
デュエルが終わるとデッドリーガイは消滅してしまった。
「……いっつう! なんだよこの痛みは……」
ソリッドビジョンの痛みって、こんなにすごいのか?
遊びの範疇を超えてないか。
いや、そもそもこのデュエルがソリッドビジョンかどうかもわからないな。
デュエルディスクやデッキもいつのまにかあったし、分からないことだらけだ。
「おい、お前には聞きたいことが山ほど……」
人喰い虫を見ると、全身が黄色い光でおおわれていた。
「どうした? 大丈夫か」
「何を驚いている、デュエルで負ければ死ぬのは当然だろ」
は……こいつ何を言ってんだ?
デュエルなんてただの遊びだろ。
「冗談言って誤魔化すつもりか。ここは一体どこ……」
俺が喋っている最中に、人喰い虫は完全に消滅した。
「死んだのか?」
「どういう……ことだよデュエルの敗北で死ぬって……」
「今の消え方まるで、アニメGXの異世界編のデュエルで負けて、消滅する時みたいだったよな」
いやまさかな、アニメGXの世界なんてそんな馬鹿な。
でも、もしそうだとしたら、このデュエルディスクはよく見れば、十代が使っていたデュエルディスクにそっくりだ。
デュエルも、先行ドローできたことや、表側守備表示でだせたのも、昔の遊戯王のアニメではよくやっていた。
デビルガイの効果もアニメGXの効果に変わっていたし、リリースも知らなかった。
何より、デュエルで負ければ消滅する事と、たった今人喰い虫が消えた消え方の事など。
いろいろな事を合わせて考えると、ここは。
「アニメGXの異世界……なんでそんなところに来ちまったんだよ……」
この主人公はカードとの絆とか一切信じてません。
ですので、ダイヤモンドガイの効果は基本外します。