DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版 作:無言の短パン
人喰い虫とのデュエルで、俺はこの世界が遊戯王アニメGXの異世界だと推測した。
確かアニメGXには、12次元の世界があったはずだ。
人間世界。
十代達がアカデミアごと飛ばされた太陽が3つある砂漠の世界。
バードマンとデュエルした世界。
暗黒界が支配していたり、覇王十代が生まれたり、エクゾディアが封印されていたりした、世界。
ユベルと十代がデュエルした世界。
消滅した十代の仲間達がユベルによって、閉じ込められた世界。
ダークネスの世界。
カイバーマンがいた世界。
墓守がいた世界は、太陽が3つあったから砂漠の世界と同じなのか?
分かっている世界は全部で8か、つまりわかってない世界は4。
この世界は、太陽が1つだから太陽が3つある砂漠の世界の可能性はない。
カイバーマンがいた世界はデュエルで負けても消滅はしなかったから違う。
可能性があるとしたら、バードマンと十代がデュエルした世界、暗黒界が支配していたり、覇王十代が生まれたり、エクゾディアが封印されていたりした世界、わかっていない4つの世界のどれかだろうな。
「どうしてアニメGXの世界に来ちまったんだろうな……」
昔の俺なら大喜びだったと思うが、今は……厄介な事になったとしか思えない。
これはなんだ、今流行りの異世界召喚って奴か?
「特典はこのデュエルディスクとデッキだけか? ……ショボイなー」
どうせならどっかの小説みたいなチート能力をくれよ。
頭の中で常にナビしてくれる能力がいいな。
「……これからどうすればいいんだよ」
当然チート能力など備わっている筈もなく途方にくれていた。
すると、近くから女の子の悲鳴と木が倒れる音がした。
「イヤ──、こないでー」
俺が声のした方を見てみると、小学生くらいの女の子がとても巨大な昆虫に追われていた。
追っている昆虫は、あれはデビルドーザーだろう。
そして追われているのは白魔道士ピケルだ。
今、ピケルは日本語で助けを求めていた。
つまり、言葉が通じるってことだ。
ここは助けることで恩を売って、この世界のことを聞いてみよう。ら
さて、どうやって助けるか? 正面から戦えば瞬殺だし。
そういえば万丈目のおじゃまイエローも、デビルドーザーに追われてたことがあったな。
あのときは、確かヘルカイザーが無駄にパワー ボンドで召喚したサイバーエンドで倒していたな。
「よし、俺も同じようにモンスターを召喚して倒してみるか」
デビル・ドーザーより攻撃力が高いモンスターなら倒せる筈。
このデッキの中で攻撃力が上回っているのは……あのカードだけだな。
「来てくれよ。……ドロー……クソ、来ないか」
その後、デッキから何十枚かカードをドローした。
「……ふぅ、ようやく来た。来い、D-HEROドグマガイ」
D-HEROドグマガイ、このカードは俺が最も好きなカードだ。
こいつは、DーHERO1の攻撃力を持つモンスターだ。
……このカード、レア度がアルティメットレアで見覚えのある傷があるな。
これってもしかして、俺がブラックネオスのパックで当てたドグマガイなのか?
「ドグマガイ、あのデビルドーザーを破壊してくれ」
俺はドグマガイが分かるように、デビルドーザーを指で指した。
命令を受けたドグマガイは一瞬でデビルドーザーの目の前に移動していた。
「消えろ、デス クロニクル」
ドグマガイは腕に装備している2つの剣を出して、その2つの剣でデビルドーザーを斬り裂いた。
デビルドーザーはあっという間に、光になって消滅した。
「喋った! えっ、召喚したモンスターも喋るものなのか?」
俺の質問にドグマガイは答えることはなく、無言のままただ佇んでいた。
混乱していると、いつの間にかピケルが目の前にいた。
「あああの、あの」
ピケルはおどおどしながら、何かを言おうとしていた。
たぶん怯えてるんだろう。
無理もないか、さっきまで巨大なモンスターに追いかけられてたんだからな。
「わ、私ピケルって言います、魔法使いです。あっ、あと助けていただいてありがとうございました」
そう言ってピケルは頭を下げた。
……うん。結構可愛いいな。
三沢が好きなカードなだけはあるな。
「気にしなくていい。俺は未来だ、よろしくなピケル」
「よろしくお願いしますです、未来さん」
良かった、ちゃんと話し合うことはできるみたいだ。
「なぁ、ピケルはこの世界について詳しいか?」
「はい? ……一応、少しくらいなら知ってるです」
「それなら……少しだけ聞きたいことがあるんだけど、いいかな」
「聞きたいことですか? 答えることが出来る質問でしたら」
「そいつは助かる。ならまず、サンダーボルトってデュエルで使えるのかな?」
「サンダーボルトですか! 使えません、使ってはいけないカードですよ」
「なるほど、この世界にも禁止、制限、準制限カードってあるのか」
「ハイ、あるです」
「そうか……それなら次は……」
俺はそれからピケルに禁止、制限、準制限カードを教えてもらった。
それを聞いて確信した、この禁止、制限、準制限カードはたしか2008年3月から8月まで適応されていたルールだ。
でもおかしいことがある、それは本当なら制限のD-HEROディスクガイや、準制限のD-HEROディアボリックガイやサイバードラゴンをピケルが全く知らなかったことだ。
試しにピケルに3枚のカードを見せてみたけど、全く知らないと言っていた。
俺はさらにピケルにこの世界について聞こうとした。
「貴様ら何者だ!!」
「怪しい奴らめ! さては、魔法使いの手先だな!」
いきなり二体のモンスターが俺達に話しかけてきた。
その二体はどちらも同じモンスターで、俺が知っているモンスターカードだった。
インセクトナイト。このモンスターは、昆虫族ではレベル4のモンスターながら、なかなかいい攻撃力を持っているモンスターだ。
「もう一度聞く」
「貴様達は魔法使いの手先か?」
こいつら……息ぴったりだな。
おっと関心してる時じゃないな、ピケルがめちゃくちゃ震えてる。
「魔法使いだったらどうするんだ?」
「しれたこと」
「デュエルで葬ってやる」
そう言って2体はデュエルディスクを構えた。
……やっぱりそうなるのかよ。
「そうか……それなら……やれドグマガイ!」
「了解した」
ドグマガイは一瞬で、インセクトナイトたちの目の前に移動した。
「き、貴様、卑怯だぞ!」
「それでもデュエリストか!」
ドグマガイの攻撃によって、インセクトナイトたちはあっという間に消滅してしまった。
「ふぅ、ドグマガイを召喚したままでよかった。命がけのデュエルなんてそう何度もやりたくねえよ」
「喋ったです? カードのモンスターが喋るには、余程マスターに大切にされて、モンスターがマスターのことを信頼してないと喋ることはないんですよ。そのモンスターは未来さんにとって大切なカードなんですね」
「そうなのか? このカードがねぇ」
俺はデュエルディスクからドグマガイのカードを手に取り、まじまじと見つめた。
その割にはさっきドローした時には、全然来てくれなかったんだが。
質問した時には無視だし。嫌われる気がするんだよな。
「えーと話を戻すけど。ピケルには、まだまだ聞きたい事がたくさんあるんだが……」
俺は言葉を濁した。辺りが暗くなってきたからだ。
「いけないです。もう帰らないと!」
ピケルも暗いのに気ずき、慌てだした。
「それでお願いしたいんだけど、ピケルが住んでいる町まで案内してくれないかな。実は俺、この辺に詳しくなくてさぁ、迷ってたんだ。だから、頼む」
俺はそう言って、頭を下げた。
小学生みたいな少女に、頭を下げる日が来るとは、思わなかった。
だが俺はこの世界に付いてほとんど知らない。
少しでもこの世界に付いて知ってるなら、それが例え少女でも、なりふり構ってられない。
それに、村や町に行けば色々な人(カードの精霊)がいるであろうから、その精霊から聞けばいい。
最悪なのは、この森にいることだ。
俺は3体のモンスターを消滅させた。よって、敵討ちされるかもしれない。
それにこの森にいれば、また確実に変なモンスターにデュエルを強要されるかもしれない。
その点、ピケルの町なら恐らくこの森よりは安全だろう。
「はわわ? 頭を上げてください! そのくらいのお願いなら、頭を下げなくてもいいですよ」
「……なら、案内してくれるのか?」
「はい、案内しますよ。それに、未来さんはわたしを大きい昆虫から助けてくれた恩人なんですよ。私からの恩返しだと思ってください」
「助かるよ、ありがとな」
「それでは、私が住んでいる町まで案内するです!」
そう言ってピケルは、進行方向を指差し歩き出した。
(さて、これから俺はどうなるのかな)
そんなことを考えながら、俺もピケルに続いて歩き出した。
リメイク前ではインセクトナイトとデュエルしていましたが、今作では無しです。
必要ないと感じたデュエルは省いていきます。