DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版 作:無言の短パン
「師匠! そんな奴、さっさと負かしちゃてよ!」
「先行は俺が貰う。ドロー」
「D-HEROダイヤモンドガイを表側守備表示(1600)で召喚! その後、ダイヤモンドガイの効果発動。デッキの上を1枚めくり通常魔法だった時、次の俺のターンのメインフェイズにそのカードの効果を発動できる。俺が引いたカードはフィールド魔法、幽獄の時計塔。デッキの下に戻す」
「これで12回連続でハズレよ。あんた、そうとう運がないわね」
「当たる時は当たるし、当たらない時は全く当たらない。そんなもんだろ」
「カードを一枚伏せる、これでターンエンド」
「私のターン。カード、ドロー」
「私は魔法カード、古のルール発動。このカードの効果により、私は手札からレベル5以上の通常モンスターブラックマジシャンを特殊召喚する」
ブラックマジシャンを特殊召喚ということは、いきなりあのカードを召喚するのか。
「ブラックマジシャンを生贄にブラック・エクスキューショナーを攻撃表示(2500)で特殊召喚する」
やはり出してきたか。
ストラクチャーデッキ 魔導師の力の表紙を飾ったモンスター。
「出たわ。師匠の切り札。もう師匠の勝ちは、決まったようなものね」
「そして手札から通常魔法、マジックブラストを発動。このカードの効果は、自分フィールドの魔法使い族の数×200ポイントのダメージを与える。私のフィールドには魔法使い族は1体。よってキミに200ポイントのダメージを与える」
「さらにブラック・エクスキューショナーの効果発動。自分または相手が通常魔法を発動した時、1000ポイントのダメージを与える。さぁ、受けてもらおう。エクスキューショニックブラスト!」
エクスキューショナーはマジックブラストを打ってきた後に、それよりも一回り大きな魔力の塊を放ってきた。
「うわぁー! (4000→2800)……なっ、なんでダメージまで現実のダメージに……」
「ん? 当たり前だろう? 何を驚いているんだい?」
この世界のデュエルディスクを使ったデュエルはどんなことをしても、ダメージは現実のダメージになるのかよ。
先に教えて欲しかった、そういう大事なことは。
「行くぞ、バトルだ! ブラック・エクスキューショナーでダイヤモンドガイを攻撃! デス・ブラスター」
ブラック・エクスキューショナーは杖から魔法の塊を、ダイヤモンドガイに放ってきた。
ダイヤモンドガイはなすすべもなく破壊された。
「カードを1枚伏せて、ターンエンド」
「いきなり師匠のペースね。これはもう師匠の勝ちは決まったようなものね」
「お姉ちゃん。まだデュエルは始まったばかりだよ」
「……ピケル。もっとデュエルの勉強をしなさい! マジックブラストにはドローフェイズにドローしない代わりに、墓地のマジックブラストを手札に加えることができる効果があるのよ」
「えっ……そ、そうなのお姉ちゃん!」
「ええ。だから師匠がドローしない代わり、マジックブラストを手札に加えて発動すれば3ターンで勝てるのよ」
未来のフィールド
モンスター
無し
伏せカード 1枚
手札 4枚
ライフ 2800
相手フィールド
モンスター
ブラック・エクスキューショナー 攻撃表示(2500)
伏せカード 1枚
手札 1枚
ライフ 4000
「俺のターン、ドロー」
「モンスターをセット。その後カードを1枚伏せる。これでターンエンド」
「私のターン、ドロー。マジックビーストケルベロスを攻撃表示(1400)で召喚させて貰う」
マジックビーストケルベロス。
確か魔法カードが発動するたびに、魔力カウンターを蓄える効果を持つモンスター。
「バトル。エクスキューショナーで伏せられているモンスターを攻撃! デス・ブラスター」
「セットされていたモンスターは、D-HEROディフェンドガイ(2700)だ」
「エクスキューショナーの攻撃力とディフェンドガイの守備力の差、200ポイントのダメージを受けて貰う。
「くぅ! (4000→3800)レベル4で守備力2700だと!?」
「だがディフェンドガイには相手のドローフェイズに表側表示で場にいる時、相手にカードを1枚ドローするのを許してしまう効果をもっている」
「なるほど、ならその守備力も納得だよ。これでターンエンド」
未来のフィールド
モンスター
D-HEROディフェンドガイ(表側守備表示)2700
伏せカード 2枚
手札 3枚
ライフ 2800
相手フィールド
モンスター
ブラック・エクスキューショナー(攻撃表示)2500
マジックビーストケルベロス(攻撃表示)1400
伏せカード 1枚
手札から 1枚
ライフ3800
「俺のターン、ドロー」
「伏せていた融合を発動。手札のディアボリックガイとドレッドガイを融合。V・HERO アドレイションを融合召喚する」
「攻撃力2800。なかなか強力なモンスターね」
「これが融合。始めて見たです」
「だが通常魔法を発動したことで君には1000ポイントのダメージを受けてもらう。エクスキューショニックブラスト「
「ぐぅ! (2800→1800) ディフェンドガイを生贄にダッシュガイを攻撃表示(2100)で召喚する」
「その後、アドレイションの効果発動。俺の場に存在するアドレイション以外のHEROモンスター1体の攻撃力分、相手モンスター1体の攻撃力・守備力をターン終了までダウンさせる」
「ダッシュガイとエクスキューショナーを選択する。やれ!」
エクスキューショナーの周りを闇のオーラが覆い、攻守が2100ポイントダウンした。
「バトル。アドレイションでエクスキューショナーを攻撃!」
「それを待っていた! トラップカード、魔法の筒を発動!」
エクスキューショナーの前に2つの筒が出現した。
「その効果により。アドレイションの攻撃を無効にし、君にアドレイションの攻撃力分のダメージを受けて貰う」
アドレイションの攻撃は片方の筒に吸い込まれ、その後もう片方の筒から発射された。
「やったわ! これで、師匠の勝ちね!」
「そんな……」
「伏せていた速攻魔法、ハーフ・シャットを発動! その効果で、アドレイションの攻撃力を半分(1400)にする。ぐぅう! (1800→400)」
「攻撃力を減らすことでダメージを減らしたか……だが君が魔法カードを発動したことによりケルベロスの攻撃力は500ポイントアップする」
「お返しだ。ダッシュガイでエクスキューショナーを攻撃!」
ダッシュガイは足についているローラーで、エクスキューショナーを真っ二つに切り裂いた。
「むぅ。(3800→2100)」
「バトルフェイズ終了時に、攻撃を行ったダッシュガイは守備表示(1000)になる」
「これでターン終了。アドレイションの攻撃力は元に戻る」
未来のフィールド
モンスター
D-HEROダッシュガイ(表側守備表示)1000
V・HERO アドレイション (攻撃表示) 2800
手札 1枚
ライフ 400
相手フィールド
モンスター
マジックビーストケルベロス (攻撃表示)1900
手札 1枚
ライフ2100
「私のターン、ドロー」
「手札から通常魔法、トゥーンのもくじを発動。その効果により、デッキからトゥーンのもくじを手札に加えさせて貰うよ」
「この瞬間、マジックビーストケルベロスの効果発動。魔法カードが発動したとき、ケルベロスに魔法カウンターが1つたまり、攻撃力が500ポイントアップする。(1900→2400)」
あぁ、これは……俺の負けだな。
「まだだ。私はさらにトゥーンのもくじを発動し、トゥーン・ヂェミナイエルフを手札に加える」
「魔法カードの発動により、ケルベロスの攻撃力は500ポイントアップする。(2400→2900)」
何? どうして、トゥーンのもくじを手札に加えなかったんだ?
デッキに入ってなかったのか?
「ケルベロスでアドレイションを攻撃! マジカル・ファング」
アドレイションはケルベロスに噛み砕かれて消滅した。
「くっ! (400→300)」
「攻撃を行ったことによりケルベロスの攻撃力は元の数値に戻る」
「トゥーン・ヂェミナイエルフを召喚し、ターン終了」
未来のフィールド
モンスター
D-HEROダッシュガイ(表側守備表示)1000
手札 1枚
ライフ 300
相手フィールド
モンスター
マジックビーストケルベロス (攻撃表示)1400
トゥーン・ヂェミナイエルフ (攻撃表示) 1900
手札1枚
ライフ2100
トゥーンのもくじを手札に加えて発動してれば勝ちだったのに、どうしてやらなかったんだ?
舐めプか。
さっさと俺はこんなお遊び終わらせたいのになぁ。
「ドロー」
正直、勝っても負けてもいいが……勝てるなら勝ちに行くか。
「墓地に存在するディアボリックガイの効果発動。このカードを除外することによって、デッキからディアボリックガイを特殊召喚する 」
「さらに、ディバインガイを召喚」
「その後手札から死者蘇生を発動。墓地に存在するドレッドガイを特殊召喚する」
「魔法カードの発動によってマジックビーストケルベロスの効果発動。攻撃力がアップする。(1400→1900)」
「ドレッドガイの攻守は俺のフィールドに存在するD-HEROの元々の攻撃力を合計した数値になる」
「俺の場には800のディアボリックガイ。1600のディバインガイ。2100のダッシュガイが存在する」
「よってドレッドガイの攻撃力は4500だ」
「4500!? それって究極竜と同じ攻撃力じゃない!」
「終わりだ! ドレッドガイでケルベロスを攻撃!」
ドレッドガイは強烈な張り手でケルベロスを一撃で粉砕した。
「ぐわぁぁー!」(2100→0)
「未来さんの勝利です!」
「そんな……師匠が負けた」
「は、はははー! ……見事なデュエルだったよ」
「まさか攻撃力4500のモンスターを出してくるとは思わなかった。強いなキミは」
「そうか?」
別に大したことはないと思うんだが。
攻撃力より強い効果を持ったカードの方がいいだろ。
「なぁ、お前……トゥーンのもくじで手札に加えたのがトゥーンのもくじだったらマジックビーストケルベロスの攻撃力を500ポイントアップさせて勝てていたんじゃないか」
「さてなんのことかな。私のデッキには2枚しかなかっただけだ」
「まぁ、勝てたし別にいいんだけど。あんたは悔しくないのか」
「私はクラン様に対戦をすると言っただけで、勝つと約束した覚えはない」
「モヤモヤするかもしれないが、君の疑問はあのお2方には話さないでくれると嬉しい」
「分かった」
「恩にきる。そう言えば、まだ名乗っていなかったな。私の名はブラック・エクスキューショナー。そうだな……ショナーとでも呼んでくれ、未来くん」
「あぁよろしくな、ショナー」
俺たちは互いに手を出して握手をした。
「クラン様。未来くんはしっかりと10人に勝ちました」
「分かてるわよ! いいわよ、この城に泊まるのを許すわ! でもピケルや私に変な事したら、すぐに城から叩き出すから!」
「未来さんはすごいですね、先生に勝つなんて」
「まぁ確かに……やるじゃない」
舐めプで勝たせてもらっただけだけどな。
「……そういえば、ショナーはピケルやクランにとってなんなんだ?」
「先生ですか? 先生は私たちに、魔法とデュエルを教えてくれる先生です」
「それだけじゃないわよ、師匠はこの城の中で一番強いデュエリストよ」
「へー、そうなのか」
この話し方からして、2人はショナーのこと信頼してるみたいだな。
「未来くんのデュエルの腕は相当だね。キミはどうやってデュエルの腕を上げたんだい?」
「どうやってか。すごいデュエルをしまくったからかな」
ガキの頃は公園や家で、学生の時はショップでフリーやったり大会に出たりデュエル三昧だった。
あの頃は楽しかったな。
「そうだったのか。その年で、大変だっただろうな」
あれ、なんか勘違いされてないか? まぁ良いか別に。
今はショナーにこの世界のことを聞こう。ピケルよりも知ってそうだからな。