DーHEROと共に戦うデュエリスト。 リメイク版   作:無言の短パン

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第5話 新たな出会い。

 ショナーとデュエルした後、ショナーに、この世界のことを聞いてみた。

 この世界についてはピケルと同じようなことしか分からなかったが、どうやらこの世界とは別に11個の世界が別の次元にあるらしい。

 この世界を合わせれば12個の次元。やはりここはGXの世界なのか? 

 

「未来くん。キミはこれからどうするんだい?」

 

「分からない。何故、そんな事を聞くんだ?」

 

「いや実は、キミさえ良ければこの城の兵士達にデュエルを教えて欲しいんだ」

 

「は……どうゆうことだ?」

 

「実は。この城の兵士達は、はっきり言ってデュエルが弱い。私が教えたいのだが、多忙でね」

 

「そこで、デュエリストとして実力のあるキミに頼もうと思ってたのだが。どうだい、引き受けてくれないかい?」

 

「俺がデュエルを教えるねぇ」

 

 俺にデュエルを教える資格があるのか。

 長い間まともにデュエルをやってこなかった俺に。

 実力があると言っても、所詮デッキのパワーが強いだけだ。

 まぁ、この時代の遊戯王ならそこまで複雑じゃないし、やれるとは思うが。

 ここで無償で住まわせてもらうんだし、断れないか。

 

「分かった。引き受ける」

 

「では、頼んだよ」

 

 こうして迷いながらも、この城でデュエルを教える事になった。

 

 

 それからしばらくの間、ひたすら兵士達にデュエルの基礎を教えた。

 そしてある日、ショナーから頼まれてこの日はピケルとクランにデュエル指導をする事になった。

 

「未来さん、こんにちわです。今日は1日よろしくお願いします」

 

「ああ。よろしくな、ピケル」

 

「まったく、こんなヤツを雇うなんて、師匠も何考えてるのかしら。言っとくけどもし少しでも変な事したら、すぐに牢屋に入ることになるから、覚えておきなさい」

 

「そんなことしないから安心しろよ。ただ、前者には同意するよ」

 

 なんでこいつはこんなに攻撃的なんだ? 

 ……あぁ、シスコンだからか。

 

「それじゃあ、始めるぞ。なぁピケル、クラン、デュエルで大切な事は何だと思う」

 

「えっえーと…… つ、強いカードを使うことですかね?」

 

「そうだとにかく強いカードでデッキ構築をする事だ。負けたら終わりだからな」

 

「身も蓋も無い事を言うわね」

 

「あれ、でも先生はデュエルで一番大切な事は、デッキのカードを信じる事と最後まで諦めずに戦うことって言っていたです」

 

「後者はともかく前者は完全に迷信だな。頼れるのは自分だけだ」

 

「あんた、いくら運がないからって流石にそれは言いすぎじゃない」

 

「そうです。信じていればデッキは必ず答えてくれるです!」

 

「甘ちゃんの戯言だな。じゃあ相手がショナーでもデッキを信じてればなんとかなるのか?」

 

「無理です」

 

「そうだろ、だから重要なのはデッキが強い事だ。そしてもう一つは知識だな」

 

「複雑なルールやカードの効果やコンボ。これらは知っていればいるだけ武器になる」

 

 

 俺は2人がどれくらいデュエルの知識があるのか聞いてみたところ、クランはそこそこで、ピケルは全然だった。

 その後、2人のデッキを見せて貰ったところ、ピケルのデッキは回復カードがメインで、クランのデッキはバーンカードがメインのデッキだった。

 そして2人とも、魔法使い族のモンスターしか入ってなかった。

 

「おいおい、レアカードや強いカードが全く入ってないじゃん。こんなデッキじゃあまず勝てないぞ」

 

「仕方ないじゃない。レアなカードや強いカードは高いんだから」

 

「そうですよ。私達が貰ってるお小遣いでは、まったく買うことが出来ない値段なんですよ」

 

「そうなのか。カードが無い以上、デッキの強化は無理だな」

 

 どうすることもできないので2人の知識を増やす為にまずスペルスピードについて説明しようかと考えていた時だった。

 俺のデッキから何枚かのカードが飛び出してきた。

 確認してみるとサイレントマジシャン、マジシャンズサークル。氷の女王、ブリザードプリンセス、マジシャンズクロスなど魔法使い関連のカードだった。

 

「すごいです。全部、ウルトラレアのカードてす」

 

「見せつけてくれるじゃない。あんた魔法使い関連のカードもデッキに入れてたの」

 

「デッキに入れたつもりはないな」

 

 そもそもこのデッキのことはよく分かっていない。

 デッキを確認する為に入っているカードが違う。

 まぁ、DーHERO関連のカードは確実に入っているんだが。

 

 このカードはいずれも俺が持っていたカードだと思う。

 今このタイミングで出てきた理由は……まさか、ピケルとクランに使われたいのか。

 

「どうやらこのカードはピケルとクランに使って欲しいらしい。やるよ」

 

「そんな! こっ、これって、ウルトラレアのカードじゃないですか! しかも何10枚も!」

 

「あっアンタ……一体どうゆうつもり!」

 

「どういうつもりもない。そいつらがお前たちを選んだ。それだけのことだ」

 

「そんな! ウルトラレアはとても高くて貴重なカードなんですよ、貰え無いですよ!」

 

「気にするな。どうせ俺には必要ないカードだから」

 

「本当に、本当に貰ってもいいの?」

 

「ああ、大切に使ってくれ」

 

 2人は恐る恐るといった感じて、俺が差し出したカードを受け取った。

 

「あ、ありがとうございます、未来さん」

 

「えっと、その……ありがと……ね」

 

 その後はやったカードの使い方やコンボを細かく教えた。

 

「今日は本当にありがとうございました。未来さんから頂いたカードは、大切に使わせて貰うです」

 

「気にするな、この城に住まわせてもらってる身だし」

 

「まぁ今日は結構ためになったから、感謝するわ。また今度機会があったらデュエルの事いろいろ教えなさいよ」

 

 ああ分かったよ。それじゃ、またな」

 

 

 次の日

 

「なぁ未来くん。たまにでいいから、昨日のようにピケル様とクラン様にデュエルを教えてくれないかな? 2人ともキミにもっと教わりたいと言ってるんだ」

 

「マジで。まぁ、2人が望んでいるならいいが」

 

「そう言ってくれると有難いよ」

 

 

 

 それからしばらくして俺は今、ピケルとクランの2人に誘われて喫茶店のような場所にいる。

 なんでも友達を紹介したいらしい。

 

「あっ、見てお姉ちゃん、来たみたいだよ」

 

「こっちよ!」

 

「ピケル様、クラン様、こんにちは」

 

「やっほー、2人とも久しぶりー」

 

 俺は来た2人を見てとても驚いた。何故なら来た2人が、召喚師ライズベルトと召喚師セームベルだったからだ。

 召喚師ライズベルトはアークファイブ時代に登場したカードでペンデュラムモンスターだ。この世界にいるのは明らかにおかしい。

 召喚師セームベルもゼアルの時代に登場したカードで、やっぱりこの世界に入るのはおかしい。

 ……まぁ、この世界が確実にGXの世界だという確証はないんだが。

 

「こんにちはです、ベルちゃん、ベルトさん」

 

「久しぶりね」

 

「はい、そうですね。……ところで、そちらの人はどなたですか?」

 

「この人は私とお姉ちゃんに、デュエルを教えてくれてている未来さんです。デュエルがとっても強いんです」

 

「あんたデュエルが好きでしょ。冷めた奴だけどデュエルの知識はとんでもないのよ。きっといい話が聞けるわよ」

 

「そうでしたか。……未来さん、どうも始めまして。僕はライズベルトです。こっちは僕の妹のセームベルです。セームベル共々、よろしくお願いします」

 

「あ……ああ……ヨロシク」

 

「よろしくねー、おじさん」

 

 なっ……おじ……さん……だと。俺まだ二十歳そこそこなんだぞ。

 

「こ、こら! 未来さんに失礼だよ!」

 

「き、気にしてないぞ全然……気にしてない……」

 

「……思いっきり気にしてるわね」

 

「思いっきり気にしてるね、お姉ちゃん」

 

 そ、そんな事は……有るな。

 

「ほ、本当にごめんなさい……未来さん」

 

「いや、気にしてないから。……そんなことよりもだ。お前はクランがいってた通りにデュエルが好きなのか」

 

「はい! 大好きです! デュエルは奥が深くて素晴らしいですから!」

 

「そうか」

 

 こいつはあれだ昔の俺みたいだな。

 無邪気にデュエルを楽しんでいた頃のな。

 

「もう! お兄ちゃんは寝ても覚めてももデュエルのことばっかり! あんなのの何が楽しいの!」

 

「すごく楽しいよ。いいかい、数え切れないくらい大量のカードの中からカードを選んで、様々な戦略を考えながら自分だけのデッキを作る。それだけでも面白いよ!」

 

 自分だけのデッキか。

 環境ガチ勢には耳が痛い言葉だな。

 

「そうだ、未来さん。親睦の意味も踏まえて。是非僕とデュエルをして頂けないでしょうか」

 

「デュエル。まぁ、別にいいが」

 

「では早速始めましょう!」

 

「えーなんでそうなるの!」

 

「分かりきってたことでしょ」

 

「そうです。ベルトさんはとにかくデュエルが好きですから」

 

 

 

 

 

「未来さん……僕の負けです。ありがとうございました」

 

 結果は俺の勝ちだった。

 この異世界で会ったデュエリストの中ではかなりの実力だったとおもう。

 まぁ、どんぐりの背比べかもしれないけど。

 

「なぁ儀式ってのはどうしても手札消費が激しいから、あんな序盤で使うべきじゃなかったと思う」

 

「た、確かにそうですね」

 

「まずは相手の出方を伺ってここぞって場面で使うのがいい」

 

「ええ、未来さんの言う通りですね。……僕もまだまだですね」

 

「いや、結構強かったぞ。実際、序盤で怒涛の展開をするのも間違ってはいない。それで勝利することもあるからな」

 

「今回お前に足りなかったのは強いカードだ。マジシャン・オブ・ブラックカオスとサイバネティック・マジシャンの2枚だけじゃあ足りなかった」

 

「その通りですね。ですが、僕はその2枚並みに強いカードはもう持ってはいません」

 

「そうか。それならお前にこのカードをやるよ」

 

 そう言って俺はライズベルトに、デッキから出てきた伝説の爆炎使い、灼熱の試練、高等儀式術などのカードを渡した。

 

「こ、高等儀式術! ……こ、これ……途轍もなく儀式に使えるカードですよ! い、いいんですか!?」

 

「ああ、気にすんな。このカードはお前使われたいらしいからな」

 

「あ……ありがとうございます、未来さん!! ……僕……もっと貴方から、色々な事を学びたいです!」

 

「俺から。まぁ、いいけど」

 

「あ、ありがとうございます!!」

 

 また1人……デュエルを教える事になったか。

 少し前までデュエルを止めようか悩んでいたのに、こんなことになるとは。

 俺とデュエルはきっても切り離せないものなのか? 

 

 

 

「お兄ちゃん……楽しそう……私と話してる時よりも……」

 

「べ、ベルちゃん。……そんな怖い顔で未来さんを睨んじゃだめだよー」

 

「そーよセームベル、ピケルの言う通りよ……嫉妬は見苦しいわよ」

 

「お、お姉ちゃんは人の事は言えないと思うよ……」

 

 

 

 

「未来かぁ~。……あははは~、お兄さんを監視してたらおもしろいものが見れたな~」

 

 

 

 

 

 それから兵士達や、ピケル、クラン、ライズベルトたちにデュエルを教え続けた。

 最初の頃はデュエルを教えるのは、気が進まなかったが。

 教えている時には昔の遊戯王をしていた楽しい頃を思い出せて悪くはなかった。

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