ハイスクールD×D-同級生のアルケミスト-   作:駄目男。

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第九工程:家族

「はあ...はあ...重かった...」

 

「担がれてる私が言うのもあれだが、大丈夫か?」

 

あの後、私はバイサーを抱えたまま事情聴取しつつ自宅まで帰ってきた、途中で冷静になってバイサーが全裸なのに気づいて上着を着せたが。

しかし、本当に私には体力が無い。というか身体能力が全般的に低い。女子の体...しかも下半身がない状態で持っているのにこの疲弊ぶりだ、ちょっと鍛えないとダメだろうか?

 

「おかえりなさいまセ進様。ついにお持ち帰りですカ、青春ですネ」

 

「待てクルス、そういうことじゃないんだ」

 

「...ススム、不純?」

 

「来てたのかオーフィス、そして話を聞いてくれ」

 

とりあえずバイサーを研究部屋のソファーに置き、カバンや道具を片づける。そしてクルスてめぇ。

そしていきなり現れたロリ痴女オーフィス、唐突に出現したかと思えば私の作業風景を見て暇を潰すという変な奴だ。龍の一種であることは何となく分かるが邪魔をしてくるわけでもないので、基本は放置している我が家のマスコット兼お手伝いである。何故痴女なのか、そりゃ着てる服が露出とかそういうのを超えた何かだからだ、察してくれ。

 

「と、ふざけている場合じゃなかった。クルス、ハイポーションを作って風呂いっぱいに入れてくれ。あとオーフィスは私の机から時の属性因子を持ってきてくれ」

 

「かしこまりましタ」「了解」

 

指示を聞き二人(人?)は小走りしながら作業に入る、私も合成と分解のカードを用意しなければ。遺伝子から合体しているバイサーから獣の遺伝子を分け、ハイポーションの再生効果を時の属性因子を加えることで加速させるためである。

 

「...何故だ、何故私を助ける?」

 

カードを用意し時の属性因子を取り出していると、暇なのかバイサーが私に問いかけてきた。

 

「何故私を楽にさせてくれない、解放させてくれない...諦めさせてくれない...っ」

 

そんなことを言いつつまた泣き始めた。無駄に泣いていると脱水症状になるぞ、そんなこと言える状態ではないが。

 

「簡単な話だ、私の嫌いなものの第三位が『理不尽』だからだ。そして第二位が『無駄死に』だ」

 

これからが忙しくなるので一旦バイサーは放置。ソファーが置いてある部屋から出るついでに、私が何より嫌い、忌む物を教える。

 

 

 

「ちなみに第一位は『諦めること』だ」

 

 

 

 

 

 

錬成陣が書かれたシートの上にバイサーを置き、更にバイサーに分解の錬成陣のカードを乗せる。

瞬間バイサーの体が光り、その光が一か所に集中していく。やがてその光は真珠に似た形をとり、徐々に発光を止めていった。

 

「よし、獣の属性因子分解成功。クルス、早くハイポーション風呂に。オーフィスはアルティメット湿布を持ってきてくれ」

 

「かしこまりましタ。バイサー様、少々ご辛抱を」

 

「我、持ってきた。思った、これ必要だと」

 

「ならバイサーの首と心臓、腕、腹に貼ってきてくれ。それで再生中のバイタルは確保できるはずだ」

 

「分かった」

 

そして風呂場に向かうオーフィス。魔獣の遺伝子は獣の属性因子として取り出したので、今バイサーは人型の悪魔ということになる。これで再生すれば下半身もしっかり人の形で再生されるだろう。

アルティメット湿布は貼るだけで患部をリジェネ状態にする効果がある、これで容態急変ということもない。

 

 

 

......疲れた、とりあえずひと段落ついたので牛乳を飲みながらリビングに置いてあるメールを確認する。どれどれ、新着メールは2件か。

 

 

 

送り主:キンブリー・エイジア

件名:旅行は順調ですよ

 

お父さんとトトリ母さんは現在パリに来ています、いやぁ非常に美しい。爆弾の一瞬の儚い芸術とはまた違った趣があり、二人で楽しんでいますよ。

一人暮らしは順調ですか?まあクルスや精霊もいますし、寂しいということはないでしょう。

授業参観の時には一度帰るので、お土産を楽しみにしてください。

 

あなたの父、東乃ジャンより

 

 

 

送り主:ベネムネ

件名:本当にありがとう!!!

 

試作品のアルティメット化粧水のテスターに抜擢され、使用し続けてから僅か数日...

研究に没頭し手入れを怠っていた肌がまるで天使であった頃のようにもちもちぷるぷるになったのよ!!今まで忘れていた女の自信も取り戻せてきたわ、もう行き遅れだなんて言わせない!

本当にありがとう、この化粧水はすごい発明品よ!!

 

 

 

両親は仲良く旅行を続けているようだ、良かった。ちょっかい出されて危ない事態になってないだろうかと心配したが、杞憂だったようだ。そして授業参観には帰ってくるのか、お土産話と家族で食べる食事が楽しみでならない。トトリ母さんのスープは天下一品だからな。

そしてベネムネさん。アルティメット化粧水のテスターとしてアザゼルさんに相談して彼女に送ってみたが、どうやら大丈夫そうである。

...天使であったかのように、か。ゴメンベネムネさん、今制作してるアルティメット重曹が完成したら堕天使が天使に戻ることも可能かもしれない。

 

両親には土産を楽しみにしてる旨を返信し、ベネムネさんには協力してもらったことに対するお礼の文を返信した。

.....そして魔王サーゼクスさんにバイサーさんから聞いたことを要約し、送信する。

 

「...家族、か」

 

メールも読み終わり、することが無くなったところでバイサーについて考える。

彼女はもう、家族と言える人はいない。...帰る場所が無いとはなんと残酷だろうか。

 

私が帰る場所になってあげたい。今までの過酷な過去の分、彼女には幸せになってもらいたい。彼女には幸せになる権利がある。

 

再生が終わったらそう話してみるか、そう考えながら背伸びするのであった。




オーフィス~よく東乃家にやってきます、週5でやってきます。お手伝いしたりぼーっとしてたり、割と自由です。

東乃進の嫌いなこと~進君は「諦めない」ことで可能性が無限に膨らむという考えをしています。それゆえに可能性を潰す理不尽や無駄な死を嫌っています。

アルティメット湿布~治癒(微量)+再生の錬成陣が内側に描かれていて、貼られた箇所は徐々に回復しつつ正常に再生していきます。腰痛なんて怖くない、老兵達の味方です。また貼り方によっては死にそうな人が治療されるまでの時間稼ぎにもなります、冥界の救急車にはこの湿布が常備されているとか。

進君の両親~父親の本名は東乃ジャン(ペンネーム『キンブリー・エイジア』)、母親は東乃トトリ(ペンネーム『トトゥーリア・エイジア』)と言います。進君は母親似です。詳しい設定はまだ考えていません。

アルティメット重曹~今進君が開発している新たなアルティメットシリーズ。『あらゆる穢れを落とします』をキャッチコピーに、食べたカレーの皿から壁の汚れも簡単に落とし、果てには堕天使の羽を洗うことで欲望を洗い流し天使に戻すことも可能。
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