ハイスクールD×D-同級生のアルケミスト-   作:駄目男。

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身の回りがゴタゴタしていたのもあって、ようやく続きです。


第十三工程:決着

 

 

「ふう、手こずらせてくれる」

 

「ハァ...ハァ.....」

 

「いや...流石に疲れた、ね」

 

 

そう言う私たちの目の前には。

 

 

「イヤァ~...流石にここま、で、やられると僕チンも、負けを認め、るしかないです、ネェ...」

 

 

全身を赤く染め、壁に叩きつけられた姿勢で動けなくなっているフリードの姿が。利き手である右手は剣を握らせないために潰されている状態である、足も骨折しているようだし継続しての戦闘は無理だろう。

尋常じゃない回避能力でこちらの攻撃を避け続けたが、こちらの数の利によって少しずつ攻撃を当て続けようやく追い詰めることが出来た。木場君の駒、『騎士』の動きの速さに助けられたな。

 

 

「今頃はイッセーがレ...堕天使の親玉をひっぱたいている頃だろう。他の堕天使も勝機がある、というか正直もう勝っている。抵抗はしないで欲しい」

 

 

おそらく今回の件がレなんとかの独断だとすればあの苦労堕天使トリオは関与していないハズである、おとなしくこちらの意に従ってくれるだろう。

 

 

「あ゙~...大丈夫ですとも、わたくしチャンも命は惜しいのですよ。レイナーレのお嬢に雇われたとはいえ、不利になったらスパッと切って逃げたい位には」

 

「なるほど、自分の扱いは傭兵であると」

 

「そうですとも、僕チン人も殺す情無し常識無しのはぐれ悪魔祓いですからァ?傭兵まがいのコトやらないと生きてけないのですたい」

 

「......なるほど、外道にも生活があるんだね」

 

 

油断しないように気を張り巡らせながらも、フリードとの会話に入る木場君。小猫君はまだ息が荒く、話せる状態ではないようだ。

 

 

 

 

「だがフリード、私にはキミが真の外道には見えないのだよ」

 

「なっ...何を言ってるんだい東乃君、彼は悪魔に依頼しようとしてた一般人も惨殺していたんだよ!?」

 

 

驚きつつこちらに反論する木場君、驚いたのは分かったが私の肩を掴むほどの事かい?確かに彼の所業や第一印象は狂人のそれだけれども......私が彼を調査していないとでも思ったかい?

それに私は間違っていないようだ、彼の瞳の動きが動揺の動きをとっている。もし本当に狂人であるというなら、思い当たる節が無い分現在も笑いながらこちらの話に割り込んでくるだろう。

 

 

「何、あの日イッセーを召喚した家はどうやら多額の借金を抱えていてね...一家心中の願望があった可能性があるのだよ」

 

「な、なーにを言ってるかなこの美少女クンはぁ~...」

 

「声の動揺で隠せてないぞ?しかもキミは悪魔祓いの中でも死でしか救われない輩の為に剣を振るっていたと判明したぞ......暴走した合成獣や、社会の理不尽に全てを奪われた人たちとか、な」

 

 

カトリックでもプロテスタントでも...ましてやほかの宗派でもない極小の宗派ではあるが、確かに『死をもって救いとする』宗派はある。狂信者と呼ばれる人たちはこれに属するだろう。それ故に大半の勢力から迫害を受け、今に至るといったところか。

 

しかしフリードが属していた宗派は、その中でもかなり理性的な部類に入るだろう。何故なら更に気になって調査した結果......

 

 

「殺されることを望む人たちに『まだ死ぬな』と激励したりカウンセリングを紹介する、死にたい原因を突き止め、なんとか解決しようとする...最終手段として殺すにも、被害者が痛みなく逝けるように剣に細工をしてある、とか。

狂人を演じる為に悪魔や人間の殺害現場には血をまき散らすが、それらも暗号化されている『神への被害者達が報われるように願う文章』だったりね。東乃のコネで色々と調べさせてもらったよ、しかも態々悪魔の殺害後もそれを残しているそうじゃないか。狂信者の割には悪魔まで分け隔てなく接するんだな」

 

 

ここまで言ったらもう目の前の神父フリード・セルゼンが憎めなくなってきた、木場君や小猫君の彼を見る目が少々変わっているのは言うまでもないだろう。

 

 

「......実は良い人?」

 

「~!!見ないで、僕チンを見ないでェ!!」

 

 

小猫君のトドメが効いたのか、血みどろ状態で顔を隠しプルプル震えているフリード。なんというかシュールなことこの上ない、今まで保ってきた狂人としての面目の大半がこの場で丸つぶれになったのだから無理もないだろう。

 

 

「師匠!それに二人も無事だったか!!」

 

 

そう考えていた瞬間、こちらを呼ぶ声が。その方向を見てみると、どうやらイッセーのようだ。

木場君も小猫君もイッセーの無事に安堵している様子。

 

......そこを彼が逃すハズはなかった。

 

 

「閃光玉ッ!!!」

 

 

フリードのその声と共に、視界が一瞬真っ白になる。

 

 

「っ、しまった!」

 

「逃げの一手、流石に傭兵をやってるわけではないということか...!」

 

「ギャハハハ、僕チンはこれで逃げさせていただきますよん!!美少女クン、いつか絶対泣かせてあげますから待ってろチクショォ!!!」

 

 

その彼の(若干悲痛に聞こえる)声が遠くなっていく、これは逃げられたか。

 

 

「ようやく視界が戻ってきた。皆、大丈夫か?」

 

「僕はまだ視界が真っ白だ...」

 

「......なんとか、戻ってきました」

 

「一体何だっていうんだ...ってフリードの野郎逃げやがったな!!?」

 

 

皆目潰しされたが攻撃は受けていないようだ...逃げることに必死だったか、下手に相手を傷つけたくなかったか、もしくは両方か。恐らく彼なら両方だろうな。

さてイッセーも戻ってきた、情報交換といこうか。

 

 

 

 

 

~それからどうした~

 

 

 

 

 

「赤龍帝の籠手の変化、か...ドライグ、あと何種類別の形態に変化出来る?」

 

《どうやら騎士と僧侶と戦車に各二つずつ、計六つに変化出来るようだ。ついでに伝えるが

坊主からもらった漆黒の石は籠手の中に吸収され、この変化を司っている》

 

「なるほど...イッセーが何らかの『引き金』を引き、それを願いと捉える形で呼応したか」

 

 

おそらくの仮説ではあるがイッセーが強い決意か意思を持ち、それを『願い』として捉えた漆黒の石がイッセーの可能性を引き出し、『願い』を叶える力の方向性に導く変化を促したのだろう。しかし私はこの仮説がほとんど正しいと考えている、だからイッセーに漆黒の石を渡していた。

 

 

「しかしイッセー、キミは大した男だ。漆黒の石を用いて新たな可能性を導き出し...

そして、この堕天使をとらえた」

 

 

そう言う私達の目前には、拘束されたレなんとかが。未だに意識は戻っておらず、傷を負い項垂れた姿はイッセーにどれほどの攻撃を与えられたかを教えてくれる。

 

 

「そう言ってもらえると嬉しいです、けど...アーシアが......」

 

「そうだな、早くアーシア・アルジェントを復活させるとしよう」

 

 

 

 

 

 

「「「《え゙?》」」」

 

 

 

 

 

いきなり私を見て仰天する悪魔三人とドラゴン一匹。何かおかしいことを言っただろうか?イッセーが堕天使を倒し、シスター・アーシアを私が治療し、堕天使を送り返して一件落着だろう?

 

 

「何を驚いている、シスター・アーシアと堕天使を地面に寝かせてくれ。神器移転と心臓機能回復を開始する、急がないとシスター・アーシアの体の硬直が進行して錬成後のリハビリが長くなるだろう?」

 

「え、あ、了解です師匠...?」

 

 

呆然としていたイッセーが行動を開始する。私は尻ポケットから合成と分解のカードを取り出し、そして雷の属性因子と小粒の宝石爆弾、あと念のためにアルティメット湿布を用意する。

 

 

 

まずはレ...レイナ.........堕天使に分解のカードを当てる。すると光と共に二つの指輪が現れる...これがシスター・アーシアの神器だろう。

次はシスター・アーシアに合成のカードを乗せ、その上に先ほど取り出した神器を乗せる。すると指輪は光を発しながら、合成のカードを通しシスター・アーシアの中に戻っていく。

次はシスター・アーシアの首の後ろ、胸の少し上、ふくらはぎ、手首にアルティメット湿布を貼る。次に行う行為がダメージを持つので、復活後のバイタルを保ちつつ回復させるためにこの手間は欠かせない。

最後にシリンダーに雷の属性因子をはめ、小粒の宝石爆弾を入れる。そしてシスター・アーシアの心臓めがけ射出する。この行為は医療器具の電気ショックの代用だ。

 

...そして十数秒後。

 

 

「...スゥ...スゥ...」

 

 

シスター・アーシアの口から呼吸音が聞こえる、成功だ。

あとは死後硬直で固まった体を少しずつほぐしていけば、早くて三日日長くて一週間で全快するだろう。

 

 

「師匠...ホントにあなたって人は......!」

 

「ハハ、アハハハハ...東乃君、キミは大した男だよ」

 

「なんてことはないさ、私は錬金術で出来ることをやっただけだよ。それに五体満足で死後だったから今回の方法が有効だったわけだね」

 

「......すごい、です」

 

 

そんなにすごいことだろうか、失血や人体欠損などがない状態だったから通用しただけでもし失血死などだったらたとえ死後でも蘇生は難しいだろう。そう考えると、私の錬金術もまだまだだな。

 

さて、これでシスター・アーシアの方はオーケーだ。あとは堕天使の方だろう。

 

 

 

 

「さてイッセー、堕天使の方は私に任せてほしい。キミなりに思うところがあるかもしれない、しかし私にも考えがある」

 

「...師匠、夕麻ちゃんも救うつもりですよね?」

 

「さて、何のことかな?私はただ今回の騒動を穏便に済ませようとしているだけさ」

 

 

そう言いながら私はレ...堕天使に生存が最低限可能な程度の簡単な治療を施す、翼くらいは痕が残らないようにしてやろう。

そして彼女の腕に「あるもの」を持たせる。

その後携帯を取り出し、ある人に繋げる。

 

 

「もしもし私だ、東乃進だ。いや、今回の騒動がひと段落ついたものでな。何、気にすることはない。だが反省はした方がいいぞ、今回の原因はキミにもあるかもしれないからな。...どういう事だって?

子供は親に構って欲しいものなのだよ、その為なら悪いことだってやる程にね。今から彼女をそちらに転送する、やらなければならないことは分かっているかい?

...よろしい。あと今回の協力の礼を、私なりに選んで彼女に持たせてある。では失礼」

 

 

そして、電話を切り、ある場所への転移錬成陣が書かれたカードを取り出し堕天使に当てる。

すると堕天使レなんとかは光と共に転送された。

今回の騒動は親子のすれ違いによって娘が犯罪に手を染めたようなものだ、あとは親が頑張る番だ...頑張れ。

 

まあ、これでひとまず。今回の騒動は一段落といったところかな?

 

 

「イッセー!みんな!助太刀に来たわよ......ってアレ?」

 

 

そして部長、来てくれたのは嬉しいがどうやら遅かったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあドライグ」

 

《何だ?》

 

「俺さ、師匠のことずっと師匠って呼んでたけどさ。尊敬はしてたけど...まああだ名とか、ニックネームみたいな感じで呼んでたんだ」

 

《...そうか》

 

「アーシア助けて、夕麻ちゃん...レイナーレも助けてさ。スゲエよな、あの人」

 

《....フッ、当たり前だ。仮にも赤龍帝の師匠だぞ?》

 

「そうだな......

うん!やっぱ師匠は師匠だ、俺の『師匠』だ!!」




フリード君~私の原作改変の被害者の一人。狂人ぶりながらも死に救いを求める迷える子羊たちを導いてきた...という設定を加えてみました。これで「傭兵として敵サイドに雇われながらも憎めない相手」として書けたら幸いです。

東乃進流蘇生法~手順の内容こそ錬金術のそれですが、やってることはAEDと何ら変わりありません。ですがそこは錬金術、死後間もない&身体欠損等での重体ではない場合は蘇生率100%です。

レイナーレ~原作や他の二次創作小説を読んでいて、まるで親に見てほしい子供を想像しました。やっぱり悪いことして目を引きたかったのではないかと思いまして。彼女がどうなったのか、それは次回のお楽しみということで。


アカン、うちのリアス嬢が若干残念になってきている......!
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