ハイスクールD×D-同級生のアルケミスト-   作:駄目男。

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久しぶりに投稿する時は、過去の話を読み返しながら書いています。自分が書いた話なので若干気恥ずかしくもありますけれども。
なので矛盾が無ければいいのですが(震え声)


ではどうぞ、時系列は原作2巻。
『ハーレム王ライザー』編でございます。


第十五工程:不死鳥

「今日も今日とて東乃錬金堂は人が来ないな」

 

「その代わり転送でとどけテいますかラ、十分黒字ですヨ」

 

深夜、自宅に改めて設けてみた商売スペース『東乃錬金堂』はやはり閑古鳥が鳴くほどに人が来ない。姫島先輩が来てくれるが、彼女が帰れば私とクルス以外は誰もいない程である。

 

転送というのは依頼主に転移のカードを送り、それを通して物資を届けることである。試しに三勢力のトップと知り合いの場所に送ってみたところ結構好評であり、それ以来転送取引が主流になってしまった。おかげで利益は上昇したが、ちょっとお店が寂しい気もする。

 

すると私が考えていることを察したのか、慰めるように後ろからクルスが抱きしめてきた。

 

「ありがとう、クルス。だがちょっと止めてほしいんだが」

 

「遠慮することハありませン進様、いくら私が胸を当てているからと言っテ」

 

「いやその胸が柔らかければな、流石に痛い」

 

クルスは見た目や内部構造は人間のそれを参考にしている、それゆえに食事を出来るし排泄もする。

だがクルスの体はゴーレムである、表面は人の皮膚と何ら変わりはないが、割と胴体は硬い。ぶっちゃけ全裸は女性のそれだが、仮にその小ぶりな胸に触れても硬くて見事に揉めない程である。

腕や脚、顔は筋肉質のパーツなども人間の組織構成を参考にしているから人と変わりない分、胴体だけが制作時の心残りだったりする。

 

「ならバ早く私の身体を柔らかく改良して下さイ、出来ればもう2カップくらい大きくしテいただけるとなお良しでス」

 

「資金に余裕があれば、考えておこう」

 

「出来れば『あの子』みたク生体パーツを使ってもらっテもよろしいのですガ」

 

「アホのように高くつくから遠慮したい、アレの身体は爺さんが作ったものだからな」

 

 

アレというのはもう一体のホムンクルス入りゴーレムである。クルスが『親からもらったホムンクルスを自作ゴーレムに入れたもの』としたら、アレは『私が作ったホムンクルスを爺さんが作ったゴーレムに入れたもの』となる。現在は爺さんの下で何かをやっているらしいが...迷惑をかけていなければいいのだが。

 

と二人でじゃれながら話していると携帯から電話が来た。どうやらイッセーからである。

ちなみにシスターアーシアはあの後イッセーのところに預けられることになった。どうやら天界勢力から追放された身らしく、身寄りがないので部長の助けでイッセー宅でホームステイする形におちついたようだ。その関係での悩み事だろうか、すでに彼女のことは天界には連絡済なのだが。

 

「どうしたイッセー、こんな時間に」

 

『師匠!!今さっき......部長が、部長が!!』

 

「部長がどうかしたのか?まさか夜這いをかけられた、とかか?」

 

と、冗談を言ってみると。

 

 

 

『そうです!まさかのその通りです!!

今さっき部長が全裸で処女で、断ってメイドで連れてかれて!!!』

 

 

 

「落ち着けイッセー。

......クルス、またひと悶着の予感がする」

 

「進様、その予感ハ合っているものと私も思いまス」

 

携帯越しに慌てているイッセーの声を聞きながら、若干ため息をつく私であった。

あとクルスそろそろ離れてくれないか、胸が物理的に痛い。

 

 

 

 

 

~それからどうした~

 

 

 

 

 

「というわけで木場君、何か心当たりはないかな?」

 

「う~ん...僕も特には聞いてないんだよね。でも部長の様子がちょっとおかしいとは思ってたんだ」

 

「でも昨日の部長のアレは結構深刻そうだったんだ、あんなくらい表情の部長初めて見たぜ...」

 

その翌日、学校にてイッセーと共に木場君に相談するが彼にも心当たりは無いらしい。となると部活仲間や眷属にも言えない問題か...家柄の関係だろうか?

 

「そうだ、朱乃さんなら何か知ってるかもしれないね。彼女、部長の懐刀だからさ」

 

「じゃあ今日の放課後、部室で聞いてみるかな。ありがとう木場君」

 

「いやいや。そうだ東乃君、今日一緒にお昼食べないかい?もちろんイッセー君も」

 

「俺は良いが、師匠はどうします?」

 

「別に構わないが、じゃあお昼こっちの教室に来てくれ」

 

 

最近の悪魔は実力主義に近づいてきているが、未だに家柄を気にする貴族も少なくはない。別に私はどちらも否定はしない、実力主義は合理的であるし、優秀な能力を持つ者が大衆を率いるのも正しいことだと思っている。

だが、家柄だけに執着した貴族が大衆を率いても正しい統治は行えないだろう、悪魔という種族の将来はそこが心配だったりする。

もしかしたらリアス部長もそういうことに巻き込まれているのだろうか、過去に執着する者たちと未来を案ずる者たちの間で。

 

 

 

 

というわけで放課後、オカ研男子トリオでいつも通り部室に移動中。ただ、イッセーが強張った顔をしているのが気になる。

いつもの松田や元浜に力説する紳士の顔ではなく、まるで戦地に赴く闘士の顔だ。

 

「イッセー、どうした?」

 

「師匠...部室の方から何か感じるんです、なんというか、気やオーラみたいなものを」

 

「どれ......うわ、僕も集中しないと分からないけど...これは何かいるね」

 

「私は何も感じないな、人間だからだろうか?」

 

「東乃君は気配察知とかは苦手なのかな、イッセー君は赤龍帝だからか強者の雰囲気を感じてるのかもしれない」

 

「どっちにしろ気になる...部長達が心配だ。行きましょう師匠、木場」

 

そう言いながら走り出すイッセー、木場君もそれに続く。

 

「うむ......オカ研に入ってから厄介事がやけに多いが、これも赤龍帝のせいかのかね」

 

呆れ気味に呟きながら、私も二人の後を追うように走りだした。

 

 

 

 

「うん、リアスの女王が居れた紅茶は旨いな」

 

「恐れ入りますわ、して今回は何故人間界にまで?」

 

息を切らせながら部室に入ると、見知った顔が部室に来ていた。しかしちょっと待ってほしい、二分ほど息を整える時間を貰えないだろうか?脚が震えているので座る場所もあると嬉しい。

 

「はぁ、はぁ...ライザー、君では、ないか......どうした、こんなところに...」

 

「ん...って東乃のご子息か、リアスの部活に入っているとは聞いていたが会えて嬉しいぞ。あと待ってやるから落ち着け」

 

「大丈夫ですか師匠?」

 

そう言うと彼はソファを動き隣の場所を開けてくれた、こりゃ有難いとイッセーの助けを借りながら座り息を整える。いやはや、全力疾走でここまで持たないとは思わなかった。ちょっとは体を鍛えなければならないだろうか?

 

「え、東乃君ライザーと知り合いなの!?」

 

前を向くと部長が目を見開いて驚いている、何かおかしいことでもあっただろうか?

 

「...ふう。いや、知り合いというか友人の一人だな。フェニックス当主とうちの父さんに付き合いがあってね、それで色々と話すことがあったのさ。最近は忙しくて会えなかったけども、たまにメールを送り合ったりしてるしね。

しかしライザー君、今日はまた何故ここに?」

 

「眷属の一人が人間界に旅行をしたいと言ってきたのでな、そのついでに用事を済ませようとリアスに話をしにきたのさ。あと最近メールが来なかったので心配したぞ」

 

「何、ちょっと野暮用に巻き込まれてね。...その用事について聞いていいかな?」

 

そう聞きながら隣に座っている彼に話を聞く、その鷹のような目つきは前から変わりない。

 

「実は親父とグレモリー卿の間で、俺とリアスで婚約を結び付けていてだな」

 

「私は嫌よライザー!絶対アナタと結婚だなんて...」

 

ライザー君が語る途中で部長が怒りの形相をしながら叫ぶ、やはり貴族故にこういう確執は少なくないのだろう。

.....しかし私が知っているライザー君はそういう事は嫌っているハズなので安心して欲しい。

 

 

 

「いや、俺はこの婚約を解消しに来た」

 

「...え?」

 

 

 

「今リアスは高校生としてこの高校に通っているし、学生生活の間に運命の相手がこれから見つかるだろう。それを俺との婚約で邪魔する形にはしたくない...それに俺の眷属達に申し訳が立たないからな」

 

そう言うと呆然とする部長を置いて、ライザーは立ち上がりソファから離れる。すると彼の周りに魔法陣が浮かび、そこから多くの女子が現れた。彼女ら全員がライザー・フェニックスの眷属であり、『嫁』である。

 

 

 

「俺は眷属全員を愛している、いや『嫁』と言っても過言ではない。全員が正妻であり、そこに愛人側室など一切の区別はつけたくない。

リアスもこの婚約には乗り気ではないのだろう、俺も無理やりに君と婚約し、『嫁』達を蔑ろにしたくはないんだよ」

 

 

ライザー・フェニックス。

...ハーレムの重みを知り、愛してくれる女性達を全力で愛する男。彼は自らの眷属を『嫁』と呼び、何よりも大事にしている。そして彼女らの為なら自らの名誉、財、命も捨てる覚悟がある。

 

貴族間の婚約は、位の高い側から断ることはあっても位の低い側から断ることはない。もし仮にそのようなことがあったら、位の低い側の名誉に関わる。更に未だに悪魔種族は純潔至上主義が根付いていて、二人の婚約はそういう意味でも絶好の物だろう。

魔王サーゼクスを選出しているグレモリー家と回復アイテムを売り出しているフェニックス家では、グレモリー家の方が貴族としての位は高い。それでもライザーはこの婚約を断りに来た、何故か。答えは酷く馬鹿らしいが単純明快である。

 

『嫁』達を愛しているから......ただその一言に尽きる。

つまるところライザーは、アホな程真っ直ぐなハーレム野郎なのだ。




東乃錬金堂~ようやく進君のお店にも名前が付きました。店頭販売だけでなく、錬成陣を用いた通信販売もどきもやっています。

クルスの胴体~球体人形の胴体に皮膚をつけたようなものです、頑丈です。腕や脚は人のそれと大差ありませんが、胴体は頑丈です。裸体は人のそれと変わりありませんが、揉めません。頑丈です。

『あの子』~クルスの姉妹みたいなオリキャラをもう一人用意しています、原作2巻の間には出る予定です。

ハーレム王ライザー~原作改変の犠牲者がまた一人。うちのライザーさんは恥ずこと無く平然と愛を叫びます、それ位には眷属たちを愛しています。原作イッセーが目指すハーレム王そのものです。
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