ハイスクールD×D-同級生のアルケミスト-   作:駄目男。

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第二工程:兆候

夜の逢魔ヶ時、私は週二回程度の頻度である商売をやっている。ただひたすらに研究していると素材不足になる、素材を調達しているとお金が無くなる。錬金術は本格的に研究していると高価な素材も大量に使用することがあり、非常にお金がかかる。

海外にいる両親から仕送りも貰っているが割と少なく、自分でも資金源を作らないとお金に余裕が出来ない。

というわけで自宅で錬金術グッズ売ったり作ったり、まあ何でも屋的な感じである。

 

 

「はい。こっちが現界の錬成陣のカードと効果延長のカード、あとこれが雷属性を浸透しやすくしたムチ」

 

「うふふ、いつもありがとうございますわ」

 

 

駒王学園の二大お姉さまが一人、姫島朱乃先輩も顧客の一人である。なんでも亡くなった母とふれあいたくなったらしく、5分間幽霊に実体を持たせる「現界の錬成陣」と対象の錬成陣の効果時間を5分延ばすカードを買いに来たらしい。ムチは知らん。

ちょっと前に母親(霊体)に合わせてからお得意様になり、こんな感じで色んな物を買ってもらっている。アナタのお蔭で父親とも仲直り出来たとか言われた、よかったなー。

 

 

「そうそう、最近はぐれ悪魔や一部の堕天使勢が活発になっていますわ。気を付けてくださいね」

 

「ご忠告感謝する、まあいざとなったら最近できた『切り札』を使うさ」

 

「あら、それって...」

 

「まだ未完成だがな」

 

 

そう言いながら彼女に「黒い石」を見せる。

 

....これぞ先日失敗した「賢者の石」の第一段階、漆黒の石(ニグレド)である!!現在はそこまでの過程をまとめ短縮化、簡易化させ更に簡単に作り出せるように実験中だ。

漆黒の石(ニグレド)の時点では効果は高くないがそこは腐っても賢者の石。エネルギーの増幅や0から1を作り出すことも可能であり、他にどんなことが出来るのか内心ワクワクしている。

しかし何故姫島先輩は悪魔や堕天使の事情に詳しいのだろうか、知り合いに内通者でもいるのか?

....まさか本人が悪魔、とか?

 

 

「ないわ~、それはないわ~....」

 

(笑ったり落ち込んだり口調も変わったり、忙しい人ですわね.....でも本当に漆黒の石なら....)

 

 

その後ちょっとした世間話をして姫島先輩にはお帰りになってもらった。やけに悪魔関係の話をされたが何故だろうか、知り合いに悪魔でもいるのだろうか?錬金術の恩恵は悪魔だけでなくどんな種族も喉から手が出る程に欲しいだろうし。

姫島先輩のあとは...何だっけ、レイナ...なんとかさんに記憶消去の錬成陣を渡し姫島先輩から聞いた近所が物騒になってるという話を伝えておいた。

強気な口調ながらめっちゃ挙動不審になっていたのはきっと怖いながらも強がっていたのだろう、綺麗な人だし襲われなければいいのだが。

 

 

「ん~、今日のお客は『人間二人』か...まあ小遣い稼ぎにはなったかな?」

 

「お疲れ様です進様」

 

「クルス、私はもう寝るからクロゴマちゃんとクロウタちゃんにご飯用意しておいてくれ」

 

「かしこまりましタ、おやすみなさいまセ」

 

 

さて、もう四時か。寝れて二時間....授業中に居眠り決定だなこりゃ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「うわあああああぁぁぁあああっあっあああああああ!!!」」

 

 

翌日の放課後、なんか松田と元浜がうるさい。いや、こいつらはいつもうるさいのだが、今回は白目で奇声を上げて暴れている。正直気持ち悪い。

話を聞いてみると、どうやらイッセーが天野夕麻という女生徒に告白されたらしい。

..........ほう。

 

 

「まあ若干驚いたが、納得できないわけではないな」

 

「なんでだよ東乃!あのイッセーだぜ!?おっぱい魔人の変態紳士なんだぜ!?」

 

「変態紳士だからだよ松田。イッセーは確かに変態だがそれと同じくらい紳士だ。困っている人には手を差し伸べ、悪いことしてる輩は全力で立ち向かう。惹かれる女性がいないことはないだろう」

 

「ああ!俺たちもそこまでなら理解できるんだ!だがお前もこれを聞いたら俺たちの気持ちが分かるだろうさ!」

 

 

正直分かりたくないと思うのは私だけではないハズ、奇声を上げながらブレイクダンスする奴の気持ちなぞ理解したくない。

 

 

 

 

「なんとイッセー、その告白を断ったらしいんだよ!!!」

 

「.....なん、だと.....」

 

 

 

~それからどうした~

 

 

 

翌朝、登校したイッセーに真偽の程を聞いてみると。

 

 

「師匠、俺みたいなおっぱいだけを追い求めてきた男に彼女が出来る訳ないじゃないすか!それにいきなり告白されて付き合ってと言われても俺は彼女のことを何も知りません、ならまずはお友達からということです!」

 

 

とのこと。その紳士的思考に飽きれもしたがやはりイッセーだなと納得もした。私の親友は順調に変態から紳士にランクアップしているようだ。

 

 

「まあまずは親友に春が来たことを祝おうか」

 

「乾杯、でス」

 

 

そう言いながらオレンジジュースを入れたグラスを掲げる今夜の食卓。足元には我が家のマスコットのクロゴマちゃんとクロウタちゃんがいる。

クロウタちゃんは数年前拾ってきた黒猫で、クロゴマちゃんは両親から送られてきたタマゴから生まれてきた全身黒の竜っぽい可愛い生き物である。

 

私の両親、そして家系について説明を入れさせてもらおう。東乃家は代々錬金術の技術を継承してきた一族であり、父親もサラリーマンをしながらちまちまと研究をしている。錬成陣をカード化するという技術は私の父親が開発したものだ。

母親は一般人だったが父の一途な研究者気質に惚れ見事ゴールイン、私が誕生という流れである。現在両親はヨーロッパに長期の旅行へ、本格的に研究へ本腰を入れる準備らしい。

クルスは父親からもらったホムンクルスを私なりの解釈で改造し、ゴーレムの体に宿らせた存在である。ホムンクルスの性質上生き字引とも言える存在なので、研究時のヘルプとしては非常に優秀である。まあ私自身で新たな発見をしたいので、発見されてない知識は封印という形で制限している。

 

 

「しかしあのおっぱい紳士のイッセー様に告白とハ...どのような物好きなのカ」

 

「まあ明日昼休みに連れてきてもらえるらしいし、どんな人か楽しみだな」

 

「進様は何も浮いた話はないのですカ?」

 

「...女子より男子の告白受けた方が多い記憶が...」

 

「申し訳ありませんでしタ、進様」

 

「大丈夫だ」

 

 

さて、明日が楽しみだ。




漆黒の石~賢者の石の第一段階。「黒化、腐敗」を象徴し、ここから更に変化させていくことで多くの人が想像する賢者の石になっていく。漆黒の石の段階でも神秘の力があるとも言われ、この作品でもその説が正しいとしている。

ホムンクルス~錬金術で創られた人口生命であり、フラスコや入れ物の中でないと生きられない性質を持つ。生誕時からあらゆる知識を所持しているといわれている。クルスは人間型のゴーレムという入れ物に宿らせているので問題はない。
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