力の賢者&風の覇者の昔語り   作:マガガマオウ

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タイタス ザ ビギニング前篇

ここは民間警備会社イージスのオフィス、タイガたちトライスクワットの三名がまた何時もの様に他愛の無い話をしていた。

 

「そういえば、タイタスとフーマは地球人との同化はヒロユキが初めてだったのか?」

 

唐突に戦友二人に質問をしたタイガに、タイタスとフーマが言った気に顔を見合わせた。

 

「毎度の事だが急にどうしたんだよ?」

「君からそう言う類の質問をされるのは初めてじゃないが、今回は如何いった経緯でその質問に至ったんだ?」

 

タイガが時たまに意図の読めない質問してくる事があり、そういった場合タイタスかフーマが自身の体験を話す流れが出来ていた。

そのため今回も何時ものアレが来たと思い二人は、質問の意図と敬意を求め質問を返す。

 

「いや、俺がヒロユキと同化してから意識のコンタクトが図れるまで結構かかったのに、二人は割とすぐに意思疎通が出来たから気になってさぁ。」

 

タイガとヒロユキが一体化したのヒロユキが幼少の頃、近所の河原でひっそりと飼ってたゲスラの幼体を宇宙人に連れ戻されそうになり抵抗して高所のから落とされた時に一体化しそれから十年以上の時を経て漸くファーストコンタクトを取る事が出来たのだ。

これがヒロユキの精神がまだ幼く対話するに至ってなかっただけなら話はそれで片付く、しかし初代ウルトラマンがハヤタと同化した時も、一年近く同化していたにも関わらず完全にコンタクトを取るには至ってなかった、原因に人間とウルトラマンとの魂の波長が噛み合わず、その為肉体の同化は出来ても魂までの同調に至るには同化したウルトラマン側がその人間の波長を読み解き合わせる必要がある。

だがその調整は至難の業であり、ベテランのウルトラマン戦士ですら短くて5年長くて10年の歳月が必要だと言われている、例外として複数回別々の地球人型の異星人と同化した経験があれば一体化して直ぐ意思疎通を図る事が出来るがそう言った経験があるのはウルトラ警備隊の中でも少数で、尚且つ自分からのコンタクトを余りしない戦士が殆どだった。

それが故、タイガは自分よりも同化している期間が短いタイタスとフーマがあっさりそれも正確なコミニケションを取れていた事に疑問を持った。

 

「あ~ぁ、そう言う事か……なんつーか、偶に妙な所で鋭いよなお前って。」

 

以前もそんな素朴な疑問から自分達の過去に繋がる質問をしたタイガに、フーマは呆れ半分関心半分の小言を溢す。

 

「ふむ……そう言う事ならば、確か私はヒロユキと同化する前にも一人の若者に力を貸した事はある。」

 

タイガの質問の意図を確り推し測ったタイタスが、彼の質問に対して期待通りの返答を返す。

 

「うお!本当かタイタス⁉よければ聞かせてくれよ!」

「うん!良いだろう、私も少し彼の事を思い出したくなった。」

 

そして、タイタスがこうして返すと乗って来るのがタイガである。

 

おいタイガ!お前また、この後は話が長くなるってお決まりのパターンだろ!

 

無邪気な態度で話の続きを促すタイガに、フーマは小声で待ったをかけタイガの短慮を指摘した。

 

あっ!そうだった、でもタイタスの話は気になるし……あぁもう!この際だとことん着き合おう!」

「うん?何にだタイガ、もし予定があるならそっちを優先してもらっても構わないが?」

 

フーマからの助言に一瞬委縮したタイガだったが自身の好奇心には勝てずこのまま話の続きを聞く事を決め大声を出した、するとタイタスはタイガが何か用事を思い出し慌ていると勘違いして話を中止しようと提案してきた。

 

「いや、話してくれ!タイタスがヒロユキ以外で力を貸していた人間の事を!」

「ちょ、タイガおま!……はぁ、まあいいか。俺も気になるしな、旦那が前にどんな人間に力を貸していたか。」

 

吹っ切れたタイガは勢いのままにタイタスに続きを促すと、フーマも根負けしてタイタスに話の続きを求めた。

 

「むっ?そうか、ではアレは私がまだ君達と出会う前の事だった……。」

 

タイガとフーマ両名の温度差が多少気になりはしたが、口が語る口になっていたいた事もあり昔を懐かしむ様に語り出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

そう、アレはU-40の大賢者の命でとある狂暴な宇宙怪獣を追っていた時の事だった。

 

「待て!今すぐ止まりなさい!」

 

本来なら私の様な若輩者が出る幕の無い単独で任務だったが、生憎その時は私以外の巨大化できる戦士たちは別任務で星を離れ、残っていたのは私だけだった。

その為、臨時であるがスターシンボルを一時的に拝領し凶悪宇宙怪獣ベムトラスの追跡の命が出され、私は浮足立っていた。

早速私は、ベムトラスの潜んでいると言う宙域の小惑星帯に調査に向かい幸先よく目標を見つけ出した、今にして思えばここで監視に注力し他の戦士の応援を待つべきだったが、その当時の私はまだ若く巨大化できる体質にある事もあり多少自分に驕っていた、だから一人でベムトラスに挑みそれに気が付いた相手に逃げれると言った不始末を犯してしまった。

 

「くっ!流石に向こうが早いか、これならもう少しウルトラマッスル以外も鍛えて置けば良かったな。」

 

力であるならば私でも怪獣と互角以上に渡り合えるが速さでは違う、元々大柄な体に加え長年に渡り鍛え続けたウルトラマッスルが私の体を重くしていた、その為身軽な向こうが宇宙での移動速度では勝る。

そして、ベムトラスの追跡を続けていると私の視界の端に青く美しい星が移り始め、思わず焦りの声が漏れる。

 

「ん!あれは地球⁉追跡に夢中でこんな所にまで来てしまったのか!拙い、このまま地球にベムトラスを向かわせる訳にはいかない!」

 

嘗てヘラー軍を共に退けた盟友の星に私の失態で被害を出す訳にはいかない、そう強く思った私は全身に力を籠めベムトラスの追い付こうと猛加速を懸けて接近した。

 

「捕まえたぞベムトラス!私と付き合ってもらおうか!」

 

決死の追跡で如何にかベムトラスに取り付いた私は、そこから如何にか地球から距離を取ろうとしたがベムトラスが暴れ中々うまく抑え込めない。

 

「こら……暴れるんじゃない!……なっ!くっ、このままでは地球に……!」

 

ベムトラスと取っ組み合いをしている内自分たちが地球に近づいてしまった、そして染ま間地球の重力に引かれ星の大気圏内へと侵入してしまった。

 

「何と言う事だ!こんな筈では……うわっ!」

 

大気圏突入後、私は自分が不甲斐なさと短慮さに落胆し一瞬腕の力が緩んだ、それを感じ取ったベムトラスが大きく暴れ拘束を逃れると、人々の暮らす街へと進路を取る。

 

「っ!確かに私は若輩者だ……だがU40の戦士としての誇りはある、その誇りにかけてそれだけはさせん!」

 

人の街にベムトラスが降り立てば奴は必ず破壊の限りを尽くすだろう、ここまで散々戦士としての失態を犯し続けたが人々の安寧のクラスを脅かす事程許されない事は無い、処罰は免れないと覚悟しそれでも戦うと決めて私はベムトラスを追った。

それでも中々追い付けずベムトラスが街に先に降り立ってしまい懸念した通り暴れ始める、人類側も応戦するがベムトラスの堅い皮膚が砲弾を弾き口から出る破壊熱線の前に一方的に蹂躙される、悲鳴を上げ逃げ惑う人々と建物の残骸が街に散乱する地獄絵図を前に私は呆然としていた。

 

「うぅぅぅ、間に合わなかった……すべて私の所為だ、くそっくそー!」

 

ここでも自分の愚かさを嘆いていた私は、こんな惨状を作り上げてしまった責任を取ると言う自分勝手な理由でベムトラスと交戦する。

私達の戦いの余波で更に破壊が加速し悪化していく惨状を目にしながら、それでも未熟な私は戦う事しか解決法を知らなかった。

 

「俺は良いよ兄貴……兄貴だけでも逃げてくれ。」

「バカ野郎!こんな所で諦めんな!おら、立て肩貸してやるから!」

 

そんな時、視界の端で片足にケガを負い早く動けなくなった弟とそれを庇い、ともに逃げ延びようとする兄の姿が見えた。

その姿に嘗ての自分と今は亡き盟友マティスの影を重ねた私は、無情にも彼らに熱線を浴びせようとするベムトラスとの間に入ると背中で熱線を受け彼らを庇う。

 

「こいつ、俺達を庇って……。」

「兄貴、今の内に!」

 

背中に受けた熱線に藻掻き苦しむ中で、私を見つめ足を止めた兄を促し避難を急ぐ弟の二人を見つめ私はただ願った。

 

『どうか二人で生き延びてほしい……私の様に最愛の友を兄弟を失わないでくれ。』

 

やがて私のエネルギーは底をつき始めた、私はここで死ぬのかっと覚悟を決めたその時だった。

 

「おい!起きろよ、こんな所で倒れないでくれよ!立ち上げってくれ!」

 

先程弟を連れて逃げていた兄が一人、私の顔の前で私に呼び掛けていた。

 

「アンタ、ウルトラマンなんだろ⁉ずっと前……俺達が生まれるより、ずっと昔に地球を守るために遠い星からやってきてくれた戦士なんだろ⁉立って……立ってくれよ、立ち上がってアイツを倒してくれよ!」

 

『私はウルトラマンじゃない、ウルトラマンはもっと偉大な戦士だ……。』

 

そう伝えたいのに言葉に出来ない、途方もない無力感を味わいながら彼の必死の叫びを聞くしかない自分に今日何度も味わったどれよりも大きな絶望感を感じた。

そして、私を倒し機嫌がいいベムトラスが彼を見ると不気味な笑み浮かべたような気がした次の瞬間、私諸共彼を消そうと熱線を吐き出す準備を始める。

 

『っ!早く……遠くへ……逃げるんだ!』

 

力の入らない体に鞭を打ち如何にか両腕に力に込めて上半身だけ立ち上がらせると彼を覆うように庇い、彼の避難まで時間を確保しようとする。

だが彼は逃げる様子を見せない、それどころか肝を据えた顔でただ黙って私を見つめ、自分もここに居ると言っている様だった。

 

『彼となら……若しかしたら……いや、ダメだ危険すぎる。』

 

この状況を打開できる唯一の手を思い出し、この目の前の勇敢な彼ならと言う思考が頭を過ぎるがそれは余りに危険な手だ、この地球人を私の失態で起きたこの一連の連鎖に巻き込む訳にはいかない。

 

『だが……このままこうしていても、どのみち彼も死んで……しまうなら!』

 

私は意を決して彼に融合する事を決めた……これが、私と岩谷 尚文との出会いだった。

 

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「さって、今日はここまでさせてくれ。今からトレーニングの時間だ。」

 

話も佳境でこれからというタイミングで、タイタスはトレーニングの為に話を打ち切った。

 

「えっ!ちょっ、今結構いいところだったぞ、頼むよ続きを教えてくれタイタス⁉」

「すまないタイガ、毎日の規則正しい日程でのトレーニングが強い筋肉を作るうえでは不可欠なんだ。」

 

これと決めたら意見を譲らないタイタスは、如何にか続きを話してほしいタイガの訴えも空しくトレーニングを始めた。

 

「タイタス~!」

「諦めろタイガ、一旦トレーニングを始めたら微動だにしないんだ旦那は……。」

 

三人の中で一番若輩のタイガが尚も懇願するが、フーマは諭す様にタイガを諫める。

 

「それより、終始旦那の話を聞いてて思ったことがあるんだが……。」

「何だよフーマ?」

 

それとなしに話題をずらしタイガの興味をコチラに移す。

 

「俺達なんかより、よっぽでヤンチャだぜ若い頃の旦那……。」

「……そうだな、若い頃のタイタスって結構無茶苦茶してたんだな。」

 

いつも自分たちを諫めてくれる年長者の若かりし頃が自分たち以上に破天荒だった事を知り、離れた場所で一人黙々とトレーニングを続けるタイタスに何とも言えない視線を送っていた。

 

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