「ドック内注水開始しました!」
「修復箇所近辺の隔壁を閉鎖、隔壁内の作業員は総員、潜水具を着用をせよ」
「間もなく、水位が架台を超えます」
「現時点、修復箇所に浸水無し」
「高杉少将、このまま何も無ければ、ドックから出してもよろしいでしょうか」
「はい、大丈夫です。副長、浮上後すぐに機関始動できるな?」
「はい、可能ですがバラストタンク用のポンプは始動直後だと全力は出せませんがよろしいですか?」
「ああ、大丈夫だ。ありがとう」
直後、艦内放送で、報告が入った
「水位、艦底より、3メートル、未だ浸水無し」
「ドック内、注水出力最大」
「水位、喫水まで、7メートル」
報告を聞くと、俺は、呟いていた
「ほんと、ここまでデカイと喫水まで水が入るのも時間がかかるな」
それを聞いた、松島さんが答えた
「ええ、ここは400メートル級の乾ドックですからその分時間がかかりますね」
「それにしても、よく400メートル級のドックがありましたね」
「はい、ここは、大和型と同時に航洋艦、つまり駆逐艦を同時に入渠させる為に作られた場所ですので」
「大和型用と言う事は鎮守府全てに、この大きさのドックがあるのですか?」
「はい、旧海軍の鎮守府があった呉、横須賀、佐世保、舞鶴、全てに存在します」
「未だに大和型の整備はこのドックで行われてるのですか?」
「いえ、大和型4艦は各海洋学校に移譲され、学校内にある、ドックで整備をしていて、現在はたまに大型の補助艦艇が入渠しているだけですね」
松島さんが答えた後、報告が来た
「喫水線まで、後1メートル、修復箇所、浸水無し」
「よし、副長、機関始動準備、浮上後、すぐに機関始動、それとバラストタンクに注水を始めてくれ」
「はッ了解しました」
「水位、喫水を超えます」
直後、艦が浮かび上がった
「機関始動、バラストタンク注水初め」
「宜候、機関始動、バラストタンク注水」
「電源、外部から艦内に切り替え」
「電源、艦内に切り替え完了、外部電源ケーブル切り離しします」
副長が復唱した少し後、先程まで艦内に電気を送っていたケーブルが切り離された
「水位、外海と同じになりました」
「よし、舫い解け」
そう、指示すると艦全体に付いていた舫い綱が解かれ、同時に、ドックと外海を繋ぐ水門も開いた
直後、後から、松島さんが声をかけてきた
「高杉少将、今日はお疲れ様でした後は我々におまかせください」
「しかし、まだ全て終わった訳では」
「大丈夫ですよ、お偉い様は全員帰られたみたいなので。……それに宗谷監察官にある程度終わったら病院に戻せって言われているので」
「分かりました。副長、いや、川崎中佐、この後にある試験の指揮は任せる」
「了解しました。艦長が戻ってこられるまで、しっかりこの艦を守らせていただきます」
「ああ、頼んだぞ」
俺はそう言うと、建御雷を後にし、病院に戻った
数週間後、ブルーマーメイド横須賀基地内の病室で1つの作戦計画書を読んでいた
(この、アリューシャン列島攻略作戦、攻略自体は簡単だが、補給元を攻略したら、海上要塞の補給が切れ、その後、何が起こるか分からんな)
そう考えていると病室のドアがノックされ、ドアが開き、姉さんが入って来た
「やっぱり、その作戦計画書を読んでたのね」
「普通、数ヶ月もかかる工事が1ヶ月で終わった理由ですから」
俺がそう言うと、姉さんが近寄ってきてベットのへりに腰を掛けた
「どう?この作戦は」
「作戦だけだと陸軍兵力だけで30万を越しますから簡単に終わるでしょうが問題はその後ですね」
「やっぱりね」
「姉さんも危険性には気付いてたんですね」
そう言うと俺は窓の外を見ると、2隻、独海軍の艦艇が停泊していた
「あれは、独海軍のドイッチュラント級重巡とビスマルク級戦艦か」
「よく、少し見ただけで分かったわね」
「一応、ドイツと戦争中でしたから」
すると、姉さんが申し訳なさそうに聞いてきた
「……やっぱり、ドイツ人は憎い?」
「憎く無いと言えば嘘になります。兵学校で仲が良かった奴が何人も死んでいるので」
「………そうなのね」
雰囲気が悪くなったので、すかさず話を変えた
「そう言えば、あの2隻はなぜここに居るのですか?」
「あれは、日本に海洋実習をする為に来てるのよ」
「そうなんですね。そう言えば、姉さんが来たってことは何か用事があるんですか?」
「ええ、まずは退院手続きを終わらせておいたわ」
「退院と言う事は出撃ですか?」
「いえ、演習よ、詳しい事はこれに書いてあるわ」
その、渡された計画書を一通り目を通した
「演習日が1日しかありませんが」
「それは、陸軍がグアムでアリューシャン列島攻略作戦用に、米軍と演習をしてて、1日だけ、海上戦力を含めた状態で上陸作戦が出来ないかって言っててね」
「分かりましたが、陸軍は何を演習しているのですか?」
「武装組織によって奪還の可能性があるから、そうさせない為の占領維持の方法を教えて貰ってるらしいわ」
「日露戦争以降、初めての実戦だからですか?」
「まあ、それもあるわね」
姉さんは、そう言うと立ち上がった
「ごめんなさい、これから戻らないといけないの」
「分かりました。退院の日時は」
「明日にしてあるわ」
姉さんが、病室の扉の前まで行くと、こちらに体を向けた
「まだ、帰る気は無いと思うけど、もし、帰る気になったらいつでも
そう言い、病室から去って一体。
翌日、姉さんが先に退院手続きをしていたおかげで、スムーズに退院ができ、母さんに退院の挨拶をしに、学校に行き、その後、艦に戻った
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