空母建御雷 異世界に出撃す   作:高野五十六

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補給艦隊、これより出撃す

同時刻 日本本土、宗谷家。高杉艦隊の出現以来ほぼ休み無しだった宗谷真霜は4月6日から1週間休暇を取り、爆睡していた所に真冬から一本の電話が入って来た

 

「…もしもし、どうしたの真冬」

 

寝起き声でそう言うと真冬が答えた

 

「寝てた所悪い、緊急事態が起きた。すぐに来てもらえるか?」

 

「…別に良いけど、詳細は?」

 

「詳しくはまだ言えないが、兄さんが関わってるとだけは言っておく」

 

真冬がそう答えると先程の寝起き声とは打って変わって真剣な声になった

 

「……………分かったわ、すぐそっちに向かう、私が行くまでそっちの指揮は真冬に任せるわね。あと、全艦に出撃待機をさせておいて」

 

「ああ分かった、姉ちゃんが来るまで私に任せておいてくれ」

 

その後、電話を切るとベットから起き上がった

 

「また、休みが無くなるわね」

 

そう言いながら背伸びをすると机の上にある、中学校の卒業式の時に弟に抱き着いた状態で撮った写真を眺めた

 

(私達が中学生だった頃、ずっと一緒にいれると思ったのにね)

 

そして、一応、脱ぎ散らかさずにハンガーにかけていた制服を身にまとい、本部に急いだ

 

その頃ブルーマーメイド本部では

 

「やっぱり真霜姉ぇ、兄さんの名前出した瞬間声が変わった」

 

電話が切れた後、真冬がそう言い、それを聞いた平賀さんが

 

「真冬姐さん、高杉少将って宗谷監察官のどう言う存在なんですか?」

 

そう聞くと、真冬は少し考え、答えた

 

「簡単に言えば姉ちゃんの心の拠り所じゃねぇかな」

 

「心の拠り所ですか」

 

「ああ、兄さんがいた頃、姉ちゃんの事をずっと支えてたから」

 

「宗谷家の長女と言う事で周りからたくさん言われたでしょうしね」

 

「ああ、兄さんが居なかったら絶対に耐えきれなかったって言ってたから、それだけ影響力があるんだと思うぞ」

 

「そうなんですね。……とりあえず仕事をしますか」

 

「そうだな、まずは、全艦に出撃待機命令を出してくれ、」

 

「分かりましたけど、真冬姐さんはどうするんですか?」

 

「ああ、私は艦に行って出撃準備をしてくる」

 

「分かりました。こっちはおまかせください!」

 

平賀さんがそう言い、真冬がその場を離れると、出撃待機命令を出し、仕事を始めた。その後真霜が来るまで2,3度報告が入って来た。その数分後、真霜が着いた

 

「ごめんなさい遅くなって、状況はどんな感じ?」

 

私がそう聞くと、平賀さんが答えた

 

「はい、30分ほど前、西ノ島新島近海において航洋艦晴風が教官艦さるしまを撃沈したとの報告が入り、これを反乱行為と見なし、副本部長権限で第一航空機動艦隊と陸軍の東部軍、西部軍に対して晴風の撃沈命令が出されました」

 

「………それで反応は?」

 

「はい、高杉艦隊は黙殺、陸軍は東部西部両軍ともに撃沈命令を拒否しました」

 

「…………恐らく晴風が反乱行為をして居ないと言う確たる証拠を掴んでそうね」

 

「こちらから連絡を取ってみますか?」

 

「いえ、こちらから連絡を取らなくても少ししたら必ず向こうから連絡が来るわ」

 

「何故、それが分かるんですか?」

 

「それはね、彼の性格かな」

 

「性格ですか?」

 

「ええ、昔からこういう時は万全の体制になってから必ず連絡して来るから」

 

すると電文を部下の福内さんが持ってきた

 

「はぁ、はぁ、宗谷監察官、緊急電が2通入っています」

 

「お疲れ様。疲れてるようだけどどうしたの?」

 

「はい、出撃準備完了の報告をしに来る途中で緊急電を渡されたので」

 

「お疲れ様、それで出撃準備の方はどうなの?」

 

そう聞くと、福内さんは息を整えて報告した

 

「はい、全艦出撃準備完了、何時でも出撃出来ます」

 

「分かったわ。6隻を残して全艦出撃、晴風を整備局より先に保護をして、そして残りの5隻は補給艦を率いて第一航空機動艦隊に合流するわ」

 

「了解しました、高杉艦隊の補給はどこで行いますか?」

 

「主力艦の弾薬と全艦の燃料は八丈島沖、補助艦艇の弾薬は紀伊半島沖で行う事、あと、米国のガトー級とバラオ級を発見次第撃沈してもいい事を建御雷に伝えて」

 

「ガトー級とバラオ級は学生艦でも使っています。流石に見つけ次第撃沈は不味いのでは無いですか?」

 

「その心配は無いわ。米国の太平洋側の海洋学校で使っているガトー級とバラオ級の双方がベーリング海開放作戦終了まで運用を中止させたし、大西洋側の海洋学校には大西洋のみでの運用に変更させたから、この太平洋でガトー級とバラオ級を見つけたらそれは海賊が奪取した艦しかなのよ」

 

「そこまで考えているとは流石ですね。この事は高杉艦隊だけでなく、全艦に通達しますか?」

 

「いえ、今はまだ言わなくていいわ」

 

「それは何故ですか?」

 

「それは、沈め過ぎて敵が動いたら困るし、1番はあの艦隊のサメ狩りを1度見てみたいからね」

 

「分かりました。話は変わるのですが補給艦隊の陣容はどうしましょう」

 

「そうね、旗艦をみくらとし、みやけ、こうず、はちじょう、しきね、なこうどの6艦で。一応私も乗艦するけど、艦隊司令は平賀さんに任せるわ」

 

指示を出すと平賀さんと福内さんが艦に向かい、すぐさま補給艦隊以外の艦艇が出撃、2時間後、補給艦が、主力艦の弾薬や全艦の燃料を搭載し、出撃準備が整った

 

「宗谷監察官、補給艦全艦に燃料弾薬の積み込み終了、何時でも出撃出来ます」

 

艦隊司令の平賀さんが報告し、それを聞くと、私は頷いた。それを確認した平賀さんは前を向き、指示を出した

 

「全艦出港!港外まで微速前進、港外から第一戦速へ、また、湾外に出次第、第三警戒序列へ!」

 

平賀さんの指示が終わると私も指示を出した

 

「第一航空機動艦隊に通達、われ、会合点に向かい出撃す、以上」

追加する艦艇

  • 潜水艦
  • 空母
  • 戦艦
  • 水上機
  • その他
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