「自分がいた世界の話が聞きたいですか、戻った直後、開戦前、米本土攻撃、印度洋、どこから聞きたいですか?」
「今日はあんまり時間がないしインド洋に行ってからの話でお願い」
「分かりました」
そう言い、一息置き話を始めた。
「自分が印度洋に行ってからは殆どが地上、…いや陸上部隊と一緒に最前線に行き、洋上の艦隊へと戦況報告を行っていました。」
話を聞いた姉さんは少し考え込むと聞いてきた
「あなたって陸戦隊じゃ無くて艦隊勤務だったわよね?」
「そうですが、どうしたのですか?」
「最前線に行ってたって言ってたから、もしかしたら陸戦隊なのかなって思ってね」
「艦隊への連絡将校として、海兵団や陸軍に付いて前線に行ってただけですよ」
「そうなのね」
姉さんはそう言い、小声で一言つぶやいた
「………陸戦隊の服を着たところ見たかったなぁ」
姉さんは紅茶を一口飲むと、また聞いてきた
「そう言えば、あなたってタバコ吸わないの?」
「突然どうしたんですか?」
「昔の人ってみんなタバコ吸ってるイメージあるから、あなたも吸ってるのかなって思ってね」
「そうですか。……一応、昔は吸っていました。」
「昔っていつなの?」
「さっき話したインドやマダカスカル島に行っていた頃です。最前線にいたせいで独軍兵士の欠損した遺体や英軍や我々の陸軍兵士の腕や脚、時には頭だけなどが散乱していて煙草を吸わないとやっていけませんでしたから」
「じゃあいつやめたの?」
「それは陸から艦隊に戻って少し経ってからです。洋上というのは遠くからでもタバコの火が見えます。そのタバコ1つで何百、何千もの人命を無くす事が出来ます。その事を駆逐艦二隻の犠牲で身を持って知りました。そこから煙草は吸わなくなりました」
「壮絶な人生歩んでいるのね」
「自分なんてまだまだですよ」
「本部長クラスでもそこまでな人生を送った人は居ないわよ」
「それが戦時と平時の違いですね」
「それを聞くとますますもう一度会えて良かったわ」
「それは自分もですよ。姉さん」
二人とも感懐に浸っていると姉さんがやって来た理由を思い出すと、話しかけてきた
「そうそう、貴方の艦隊の対潜戦闘を見させて貰っても良いかしら」
「無論です。………ちょうどサメか乳牛か調査をしたかった所でしたので」
そう言い、作業机に置いている作戦計画書を取りに行き、姉さんに手渡した。
十数分後、作戦計画書を読み終え、感想を伝えてきた
「さすがは貴方ね、私なんかじゃここまでの物は出来ないわ」
「お褒めいただきありがとうございます」
「けど、突入部隊が決定しきれて無いけどどうするの?」
「それは、この艦隊の海兵団訓練を受けた者で編成しても良いのですが、どうせなら真冬でも使おうかなと思いまして」
「真冬ね、貴方の作戦に狂いが生じないのなら全然良いわ」
「全然大丈夫です。真冬の手配はこちらから行います」
「いや、私からするからあなた達からしなくていいわ」
「毎度の事ながら誠にありがとうございます」
「別に大好きな弟の為なんだからこのくらいどうってことないわよ」
「誠に感謝します」
「別にそんなこと言わなくていいのに。………あ、そうそう」
姉さんはそう言い上着のポケットから長方形で板状の物体を取り出した
「姉さん、それは一体?」
「ああ、これはスマートフォンって言うものよ」
「スマートフォンですか」
「昔、あなたも携帯電話を使ってたでしょ?あれが進化した物よ」
「そうですか。でもこれだけ渡されても使い方が全くわかりませんが」
「安心して、きっちり教えてあげるから」
そう言い、胸を張っていたが少しして上着を探し始め、すぐに
「ごめんなさい、少し忘れ物をしたからちょっと待ってて」
そう言い、部屋から出ていった
姉さんが出ていき、すぐ椅子から立ち上がり、作業机の方に向かい歩き、机の上にある受話器を取った
「交換手、艦橋に繋いでくれ」
すぐ艦橋につながった
『艦長、どういたしましたか?』
「おお先任か、そっちに主席参謀がいたら代わってくれんか?」
『はッわかりました』
すぐ先任士官から主席参謀に代わった
「主席参謀、作戦の承認は得た。作戦準備にかかってくれ。あと、計画には無いが航巡一隻を先に補給させて哨戒の任務に当たらせてくれ」
「はッ了解しました。」
「ああ、頼む」
そう言い、受話器を置いた。
「初めて姉さんにこの艦の上から見せる作戦だ、失敗しないようにせんとな」
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