空母建御雷 異世界に出撃す   作:高野五十六

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30話

前回より数時間進み建御雷に戻る

 

艦長私室で仕事をしているとドアがノックされた

 

「何か用か、入れ」

 

「長官、失礼します」

 

「それで用はなんだ?」

 

「はッ艦隊の補給状況について報告にあがりました」

 

「そうか、言ってくれ」

 

「まず、各艦の燃料の搬入は完了、現在は艦載機の燃料と弾薬、及び大型艦の弾薬搬入中でおよそ二〜三時間ですべての作業が修了する予定です」

 

「ありがとう、下がっていいぞ」

 

「はッ失礼します」

 

そう言い部屋より退出した

 

そして2時間後

 

「艦長、失礼します」

 

ノックもなしにそう言いながら副長が部屋に入ってきた

 

「何があった」

 

「すみません、整備局から緊急伝で北緯26度東経151度付近に音源不明の潜水物体を発見、確認されたしとのことです」

 

「そうか…………山城に星電改の発艦を指示、八雲には仙狩を出撃させるように指示をしてくれ」

 

「しかし航行していない場合ですと仙狩は発艦出来ませんが」

 

「そこは気にしなくていい、なんの為の水陸両用機だと思っているのかな」

 

「確かにそうですね、すぐ命令します」

 

「ああ、頼む」

 

一時間前 小笠原諸島沖海中

 

「やはり何処からも返答は無いか」

 

「はい、何度も交信を求めているのですが何処からも反応がありません」

 

「坂本艦隊の主力と最新鋭の超大型空母が消え、その次は海大級八隻に伊900潜が四隻、伊1000型潜が二隻その上完全武装の海兵隊二千が消滅か」

 

そう独り言をつぶやいていると聴音手が声を出した

 

「艦長、初めて聴く機関音を出す艦艇が一隻接近、感二、」

 

「そうか、そのままやり過ごす。その事を全艦に音通で知らせ」

 

同時刻同海上 ホワイトドルフィン所属もちづき聴音室

 

「対潜警戒を厳となせって言われても自分達で沈めれないんだったら意味ない気もするんだけどなぁ」

 

そうつぶやいているとヘッドホンから微かに聞いたことない音が聞こえた

 

「…………クジラ、いやこの雑音はクジラではなく何かのエンジン音だがスクリュー音が一切してない…………どういうことだ」

 

そう思いヘッドホンを外すと艦橋につながる受話器を取った

 

「艦長居られますか?」

 

「どうかしたか?」

 

そう艦長が出た

 

「すみません、先ほど今まで聞いたことの無い音源を見つけたのですがスクリュー音がありません」

 

「そうか、その言い方ならクジラでも無さそうだな。アクティブソナーの使用を許可する」

 

艦長から許可を貰いアクティブソナーを打つと反応がかなりおかしいがおよそ14隻の潜水艦と思しき反応が画面に映った

 

「艦長!おそらく14隻の大艦隊です!」

 

「分かった、すぐに整備局に連絡する」

 

「すぐに整備局への直通回線を開け」

 

「念の為対潜戦闘の準備にかかります」

 

「分かった。総員対潜戦闘ヨーイ!回線は繋がったか?!」

 

「総員対潜戦闘ヨーイ!これは演習では無い!」

 

「直通回線繋がりました!」

 

「そうか、………お疲れ様です。もちづき艦長の長瀬です、北緯26度東経151度付近にて音源不明艦を感知、詳細を確認しようとすると14隻の大艦隊と判明しましたがこれ以上は本艦では調査不能の為増援を頂きたいのですが」

 

「…………かしこまりました。本艦は現海域より離脱します」

 

通信を切った

 

「取舵一杯!最大戦速で現海域より離脱する!」


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