空母建御雷 異世界に出撃す   作:高野五十六

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32話

 陸奥に連絡してすぐ受話器がなった

 

「高杉だ」

 

『長官、自分で飛ぶって本気ですか!?』

 

陸奥艦長が連絡してきた

 

「ああ、俺は本気だ」

 

『かしこまりました、すぐに発艦用意を始めます。乗るのは長官のみですか?』

 

「いや、俺とあと一人添乗がいる」

 

『となると通信と航法のみこちらで用意します』

 

「ああ、ありがとう」

 

『あと、内火艇でお迎えに上がります』

 

暫くして陸奥甲板上

 

「長官、お待ちしておりました」

 

「ご苦労」

 

「添乗とは宗谷監督官のことでしたか」

 

「ああ、発艦準備はどうだ」

 

「後は長官が乗り込んで頂けたら発艦できます」

 

「そうか、それで呼出符号は何だ」

 

「陸奥一、長官機です」

 

「そうか、ありがとう」

 

少しして、星電改に乗込んだ

 

『長官、機体点検完了、異状なし』

 

「宜候………姉さん、発艦しますのでシートベルトをお願いします。あと、発艦時にかなりの衝撃がありますのでお気をつけください」

 

「スロット全開、ヨシ、フラップ発艦位置、ヨシ、発艦ヨーイ、ヨシ」

 

発艦の為の確認をし発艦作業員に通信を送った

 

「陸奥一番、長官機発艦準備良し」

 

『宜候、長官機射出準備………ヨーイヨシ!射出!』

 

直後、カタパルトの火薬が爆破し機体が射出された

 

カタパルトから射出され機体が安定飛行に入ると無線が入った

 

『ワレ、建御雷管制、長官機、針路一一〇ニ変針セヨ』

 

針路を変針し機体が安定飛行に入った

 

「姉さん、初めての空はどうですか?」

 

『カタパルトで射出される時はしんどかったけどほんとにすごいわね』

 

「そうですか?」

 

『ええ、私達の世界にはこの機体のようにエンジンの力だけで空を飛ぶ乗り物は無いもの。それにあなたがこの機体を操縦できるなんて思わなかったしね』

 

そんな話をしていると通信手が報告してきた

 

『伊905潜より入電、出迎えに春嵐を送ったとのことです』

 

そして春嵐と合流して潜水艦隊に近づいた

 

「通信、伊905潜に電文、一度上空を旋回してから着水すると伝えてくれ」

 

そして潜水艦隊が視界に入った

 

「姉さん、あれが我が海軍が誇る潜水艦隊です」

 

『あれが潜水艦!?米国の本国艦隊が持ってる原子力潜水艦とほぼ同じ大きさじゃ無い』

 

(あんな大きさの潜水艦や建御雷のような艦を20世紀前半で持ってるだなんてあの世界の技術力はどうなってるの)

 

『周りにいる小さいって言ったらおかしいけどあの潜水艦にはこれと同じような機体が入っているのでしょ?』

 

「はい、出迎えに来た春嵐やこれと同じ機体が入った艦もいます」

 

そう言っている間に艦隊の上を一周した。

 

「姉さん、それでは着水するので、衝撃が来るかもしれませんから気おつけてください」

 

着水し、伊905潜の横に停止した。そして伊905潜の乗組員によりもやい綱で機体が漂流しないように船体に固定された

 

エンジンを停止して伊905潜に降り立った。

 

「伊吹大佐でしたか、お久しぶりです」

 

この艦の艦長である伊吹大佐に挨拶をした

 

「おお、高杉か!お前あっちの世界では大将に昇進してるのに何だ、中将の階級章なんかつけて」

 

「大佐ならお聴きしたとは思いますがあちらで消えた艦隊が丸々こっちの世界に来てそしてこっちの指揮下に入った際に流石に少将のままだと不味いからって事で中将に昇進したんですよ」

 

「そうだったのか!………それでそちらにいる可愛らしいお嬢さんは?」

 

そう伊吹大佐が聞くと姉さんは

 

「お初にお目にかかります。私は彼の姉であり、彼の上官であります宗谷真霜と申します。以後お見知りおきを」

 

と答えた

 

「私はこの艦の艦長の伊吹と申します。彼、高杉とは太平洋やインド洋などかなりの戦域で行動していました」

 

「それで高杉、宗谷さんがお前の姉とか言ったのを詳しく聞いたりしたいがまずはどういう事態が起きてるか詳しく話を聞きたい、」

 

「わかっています。艦内でお話させて頂けたら」

 

艦内に入り会議室に向かった

 

「まず、端的にお話するとここは異世界となる訳です」

 

「異世界ってそんなのある分け」

 

「大佐の言いたい事は分かります。しかし、大佐も私同様、前世から後世世界への転生者です。もし転生が無ければ異世界はあり得ないと言えたでしょう。しかし、我々は前世の記憶を持ち、後世世界へと転生すると言う実際にはあり得ない出来事が起こっているのです。ですから転生があるのなら異世界くらいあってもおかしくは無いのです」

 

「確かに君の言っている事はその通りだ。しかし異世界があるとして補給や兵士はどうなるんだ」

 

「だからこそ我々がここに来たのです」

 

「そうか、それで内容は?」

 

「まず、大佐には悪いのですが、我々の指揮下に入っていただきます。そして硫黄島に行ってもらいそこで海兵隊員を降ろし、横須賀に行き、………横須賀の地下係留施設って空いててましたっけ?」

 

「空いてるわ」

 

「横須賀にある地下係留施設に入港してもらう。そこであれば他国にこの艦隊を見られる事は無くなる」

 

「分かりました。艦隊としては良いのですが海兵隊員の方はどうなのか連隊長を呼んできます」

 

すぐ連隊長がやってきた

 

「艦長、何か用…………高杉じゃ無いか!」

 

「お久しぶりです、一之瀬教官、いつの間に原隊復帰なされてたんですか」

 

「お前が本土に戻ってすぐだ!…………それでそちらにおられるお嬢さんは?」

 

「始めまして、私は彼の姉であり上官の宗谷真霜と申します」

 

「始めまして、私は彼の海兵隊訓練生時代の教官の一之瀬です」

 

一之瀬大佐は姉さんに挨拶すると俺に向かい要件を聞いてきた

 

「それで俺に用ってなんだ」

 

「はい、まず、我々の指揮下にはいった後、海兵隊一個連隊をまず、硫黄島に一時駐留していただき、その後、南洋省の許可が降り次第、テニアン島に駐屯して頂きたいのですが」

 

「………………まず、この世界は我々の居た世界ではないな」

 

「はい」

 

「そして、お前のお姉さんはこの世界の住人だな?」

 

「はい」

 

「最後にその計画はこの世界の軍部に根回しは済んでいるんだな?」

 

「勿論、既に済ませてあります」

 

「………良いだろう」

 

「誠にありがとうございます!」

 

「貴様にいい事を一つ教えてやろう」

 

「いい事ですか」

 

「ああ、それはな」

 

「遂に日米講和が成ったぞ」

 

「………足掛け6年遂に日米講和が成ったのですね」

 

「ああ、お前たちが消えて直ぐにな」

 

その後日米講和の詳しい話を聴き、暫く経った

 

「そろそろ私は艦に戻ります。」

 

「分かった。それで硫黄島へはどうやって行けばいい?」

 

「先程近くにいたホワイトドルフィンの艦艇に硫黄島に連れて行って貰うように要請しておきます。」

 

「分かった、ありがとう」

 

「艦長、あと硫黄島に春嵐を一機置いて行って貰えませんか?」

 

「………そう言えばお前は春嵐乗りだったな分かった良いだろう」

 

「重ねて感謝します」

 

星電改に戻り艦隊に向け帰還していた

 

『そう言えば、あなたの世界では米国とも戦争してたわね』

 

「はい、姉さんを置いてけぼりにして申し訳ありません」

 

『別にいいわ、あなたの嬉しそうな顔が見えたし』

 

『長官、建御雷より誘導電波受信、並びに建御雷より入電、全艦ノ補給完了、何時デモ出撃可とのことです』

 

「宜候、建御雷へ返信、トルーマン失脚ニヨリ日米講和ナルだ」

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