Infinite・Stratos・RISING 作:umiusi
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こんちくしょおがよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
リベリアはさほど豊かではない。それ故、世間からの関心は薄かった。彼が登場するまでは……
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「クソ!何なんだあいつは!?速すぎる!」
「まさか、人体改造か?テロリスト共め、子供になんてことを……!」
テロリストは少数だがよく訓練された人材が多い。対して、政府軍は数は多いが訓練不足。そのため、これまでお互いの力は拮抗していたが、今日でそれは終わりを告げようとしていた。
「く、来るな……こっちに来るな!あっ、が……」
「う、うわあぁぁあぁ……」
その理由は、テロリストも、政府軍も考えていなかった、この世で最もありえないものだった。
『よし、いいぞ。そのまま敵を制圧しろ』
「………」
命令を受け、たった今目の前の兵士を殺した者は動き出す。それは、誰がどう見てもこう言うだろう。「子供だった」、と。
彼は敵を見つけると、弾丸を掻い潜りながら接近し、鈍い銀色の刃を振り抜く。その度に飛び散る血液が、彼の白い頭髪と肌を汚していった。
『クク……さすがは私が創った、世界で一番目のサイボーグ。デビュー戦はこうじゃないとな。ん?ああ。ジャック、戻ってこい。今回はそれで最後だ』
「……」
彼―――ジャックは、何も言葉を発することなく、ただ命令通りに帰っていった。
ここで少し、話をしよう。まずは、テロリストがこの紛争を起こした理由だ
彼らは元々、マフィアの集団だった。だがテロとは無関係だった。では何故、今回こんなことをしたのか?それは政府の方針にある。
リベリアは先ほどにも述べたとおりあまり豊かではない。そのため政府は外交、観光など様々なことに手を尽くした。
そこまではまだ良いい。問題は、次だ。
政府は更に改革を推し進める。その中で目にとまったのがマフィアである。政府はその存在を自国の大きなマイナスイメージになると考え、その類のものの排除開始した。だが、これがいけなかった。
マフィアは以前から、誇りを捨て、他国にヘコヘコと頭を下げる政府に不満を持っていた。そこに、今回の政策が重なった。そして、一斉蜂起。この紛争に至ったのである。
政府は、自国の未来のため。マフィアは、誇りのため。この紛争は、こうした互いの信念のぶつかり合いで起こったのである。
次に、異状点の話だ。
テロリスト、以降はゲリラとしよう。彼らの中に、本来居る筈の無い人間が混ざっていた。それは中年の男で、ゲリラからはノーネームドクター、『名無しの医者』と呼ばれていた。彼は別に、政府の政策に不満があったわけではない。不満だったのは、彼の研究、人体改造による人間の能力向上、つまりサイボーグが否定されたからだ。それに、ここならば被検体はいくらでもある。負傷者、捕虜、そして少年兵。ここは彼にとって都合が良すぎた。
彼は最初、この技術を人のために使おうと考えていた。だが、政府は完全否定。彼は人生最大の挫折を味わい、苦しみ、悩み、そして狂っていった。
最後に、一人の男の子……いや、男の話をしよう。
彼はリベリア人にしては珍しい白人で、その髪の毛も白かった。そう、ジャックだ。彼は転生者で、前世の記憶もある。しかし、だからといって薬物や洗脳が効かないわけではない。彼は必死に抵抗したが、薬物で判断能力を奪われ、ついには何も考えない、何も感じない存在になってしまった。だが、特典としてもらった高い身体能力がここで仇になった。
名無しに目をつけられたのである。名無しは被検体を探していた。というのも、ゲリラの設備、それと彼が運んできた資材を考えると一人しか改造手術が行えない。だが、ゲリラにはあまりしっくりくる者はいない。そこで、ダメもとで見に来た名無しがジャックを見つけてしまったのである。
名無しは迷わなかった。圧倒的な格闘センス、彼の研究成果は銃はもちろんそうだが、最も真価が発揮されるのは接近戦だ。そういうわけで、彼は体を弄くり廻され、もはや人と呼んでいいかわからない、サイボーグとなってしまった。
だが、まだ救いはある。設備に問題が発生し、改造が手、足のみに終わったことだ。これならば、普通の義手義足に変えられる。まあ、恐らくそんなことはないだろうが。
彼は望まない形で力を得た。もし彼が自由を得たとき、彼はどうするのだろう。その力をなにかのために使うか、もしくは何もしないか。あるいは――――――
「首相!国連が動いてくれました!やっとです、やっとですよ!」
「本当か!で、今どこにいる」
「あ、今およびします」
バタン
「ようやく、ようやくか……」
リベリアの首相に届いたのは、国連が動き出したという報せだった。
「失礼します。すいませんね、ミスター。遅くなってしまって」
入ってきたのは二人に男。片方は国連の軍服を着ているが、もう片方は一般的な野戦服を着ていて、右目に海賊のようなアイパッチを着けている。
「いえいえ、ところでそちらは?」
「ええ……あなた方の報告書に書かれていた……『ジャック・ザ・リッパー』、でしたかな?それを脅威と判断し、雇った者です」
「そうでしたか。では、貴方もお願いします。ええと……」
男は首相の方を向き、口を開いた。
「俺はスネーク。……待たせたな」
グラウンド・ゼロズプレイしました。いやあ、ライジングばっかやってたから純粋な潜入にブランクが……
そういやあ、この作品のヒロインて誰になるんだろ?ま、ぼちぼち決めていきます。