Infinite・Stratos・RISING 作:umiusi
三ヶ月間続いたリベリア内戦が、ついに終わるときが来た。国連の介入、そして数ある傭兵の中でも伝説と名高い男の参戦。それはすぐに、リベリア中に知れ渡った。無論、ゲリラも例外ではない。
「どうする?ファザー」
「どうもこうもない、俺はただ、戦うだけだ。……誇りのために、な」
「そうでなくちゃな。おい、てめぇら!”ヤツ”の位置を割り出せ!アレにはジャックをぶつける!」
「了解。ですが、もう終わってます」
「そうか。なら……名無し!ジャックを万全にしておけ」
「クク……言われずともやっているさ。既に、新型の戦闘用ナノマシンの注入も終わってる」
「そうか。じゃあ、他の子供達は解放しろ。あいつらまで付き合わせる必要はない」
そこまで言うとゲリラのボス、ファザーは暗幕の向こうに移動し、壇上にった。そこからは、この隊の構成員すべてを見渡すことができた。
「聞いてくれ」
その声にその場にいた人間がファザーのほうを向いた。
「今日で、この戦いも終わりを迎える。だが、我々が勝つことはない。しかし!それがなんだというのだ!たとえここで力尽きようとも、我々はあの腰抜けどもとは違う!我々は真実の戦士として、我らの神のもとへと召されるであろう。行くぞ……我らの真実を!!!」
『我らの真実を!!!』
その言葉を合図に、次々と兵士達は飛び出していった。己の最期を迎えるために。
彼らには分かっていた。自分たちの行いは世界から正しいことと認識されないことを。だが、それでも彼らは、戦うことをやめなかった。自分たちの信念、国の誇りを貫くために。
彼らこそ、真の愛国者だったのかもしれない……
飛び交う弾丸、銃声、悲鳴、怒号。ここは、それらがよく見えるところだ。そんなところに、この男はいた。
「正しさを決めるのは、自分たちじゃない……わかっていながら戦う、か。……お前たちこそ、本当の戦士なのかもしれないな」
そこへ、ゲリラ最後の少年兵、ジャックが現れた。
「来たか……なるほどな。確かに、やるようだな」
「正しさを決めるのは俺たちじゃなくて、歴史。確かにあんたの言うとおりだ。スネーク」
「! 喋れるのか!?」
ジャックは、今まで、ナノマシンによりコントロールされており、話すことはなかった。だが、今回はそれまでと違い意識がある。
「ああ。最後くらいは、己の意思で戦いたい。じゃないと、罪を背負えない……」
「そうか……。だが、わからないな。どうして子供のお前が、ジャック・ザ・リッパーと呼ばれるほどの力を?」
「人体改造。カーボンナノチューブで構成された義手、義足のおかげで、重機並みのパワーを出せる。御託はもういいだろう。さあ、始めよう……」
「そうだな……。さあ、来い!」
ジャックは短刀を手に、突っ込んでいく。その足を止めようと、スネークはアサルトライフル、M16を連射した。その正確さにジャックは回避を余儀なくされた。
「ック!」
「そこだぁ!」
再び銃撃を浴び、更に距離が開いてしまった。
「強い……!いきなり使うのは怖いけど、やるしかない。ハアァァァァァァァァァ!」
「何……!?」
ジャックの体から電撃がほとばしり、あたりを閃光が包んだ。その中を、ひとつの物体がものすごい速さで突き抜けていた。
「ぐぅあ!」
なんとかガードが間に合ったが、弾き飛ばされ、M16を破壊されてしまった。
「何をした」
「誰も望んでいない、プレゼントだ」
戦闘特化ナノマシン、トール。人体が活動する際に発生する微弱電流を蓄電し、それを義体に流し込むことで出力を強制的に強化するシステム。いまジャックはそれを発動させた。ただし、未完成の為そう長くはもたない。
ミシリ
「ん?」
何かがきしむような音がした。音源を探すと、どうやらジャックがの刀から発せられた音のようだ。
「ちっ。やっぱり持たないか」
刀はひび割れ、もう使える状態ではなかった。
「お互い武器がなくなったな。どうする?」
「格闘戦、と言いたいけど、もうそれもダメらしい。両腕がイカれてる」
やはり、未完成の技術であったため耐えられなかったのであろう。ジャックの両腕はショートしていた。
「じゃあ、連れて行く「待ってくれ」……どうした」
「この戦争を、最後まで見届けさせてくれ。たとえ親の敵でも、今は関係ない。あの戦士たちの戦いを、最後まで見させてくれ」
ジャックにはわかっていた。彼らが望んで自分たち子供を戦争に連れ出したのではないことを。
「…………」
ジャックはその場に立ち尽くし、スネークは彼らを称えるように、静かに敬礼をした。
―――リベリア紛争、終戦
被害報告
リベリア軍、戦力の3分の1が壊滅
国連軍、重傷者少数・死者無し
ゲリラ
壊滅を確認 捕虜多数 内、行方不明者1
正直言うと、まだどのスネークか決まってない。ただ、ソリダスでないことは確か。