Infinite・Stratos・RISING   作:umiusi

4 / 9
最近運がない


プロローグ―03 たとえ不実と称されようと

 三ヶ月間続いたリベリア内戦が、ついに終わるときが来た。国連の介入、そして数ある傭兵の中でも伝説と名高い男の参戦。それはすぐに、リベリア中に知れ渡った。無論、ゲリラも例外ではない。

 

「どうする?ファザー」

 

「どうもこうもない、俺はただ、戦うだけだ。……誇りのために、な」

 

「そうでなくちゃな。おい、てめぇら!”ヤツ”の位置を割り出せ!アレにはジャックをぶつける!」

 

「了解。ですが、もう終わってます」

 

「そうか。なら……名無し!ジャックを万全にしておけ」

 

「クク……言われずともやっているさ。既に、新型の戦闘用ナノマシンの注入も終わってる」

 

「そうか。じゃあ、他の子供達は解放しろ。あいつらまで付き合わせる必要はない」

 

 そこまで言うとゲリラのボス、ファザーは暗幕の向こうに移動し、壇上にった。そこからは、この隊の構成員すべてを見渡すことができた。

 

「聞いてくれ」

 

 その声にその場にいた人間がファザーのほうを向いた。

 

「今日で、この戦いも終わりを迎える。だが、我々が勝つことはない。しかし!それがなんだというのだ!たとえここで力尽きようとも、我々はあの腰抜けどもとは違う!我々は真実の戦士として、我らの神のもとへと召されるであろう。行くぞ……我らの真実を!!!」

 

『我らの真実を!!!』

 

 その言葉を合図に、次々と兵士達は飛び出していった。己の最期を迎えるために。

 

 彼らには分かっていた。自分たちの行いは世界から正しいことと認識されないことを。だが、それでも彼らは、戦うことをやめなかった。自分たちの信念、国の誇りを貫くために。

 

 彼らこそ、真の愛国者だったのかもしれない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛び交う弾丸、銃声、悲鳴、怒号。ここは、それらがよく見えるところだ。そんなところに、この男はいた。

 

「正しさを決めるのは、自分たちじゃない……わかっていながら戦う、か。……お前たちこそ、本当の戦士なのかもしれないな」

 

 そこへ、ゲリラ最後の少年兵、ジャックが現れた。

 

「来たか……なるほどな。確かに、やるようだな」

 

「正しさを決めるのは俺たちじゃなくて、歴史。確かにあんたの言うとおりだ。スネーク」

 

「! 喋れるのか!?」

 

 ジャックは、今まで、ナノマシンによりコントロールされており、話すことはなかった。だが、今回はそれまでと違い意識がある。

 

「ああ。最後くらいは、己の意思で戦いたい。じゃないと、罪を背負えない……」

 

「そうか……。だが、わからないな。どうして子供のお前が、ジャック・ザ・リッパーと呼ばれるほどの力を?」

 

「人体改造。カーボンナノチューブで構成された義手、義足のおかげで、重機並みのパワーを出せる。御託はもういいだろう。さあ、始めよう……」

 

「そうだな……。さあ、来い!」

 

 ジャックは短刀を手に、突っ込んでいく。その足を止めようと、スネークはアサルトライフル、M16を連射した。その正確さにジャックは回避を余儀なくされた。

 

「ック!」

 

「そこだぁ!」

 

 再び銃撃を浴び、更に距離が開いてしまった。

 

「強い……!いきなり使うのは怖いけど、やるしかない。ハアァァァァァァァァァ!」

 

「何……!?」

 

 ジャックの体から電撃がほとばしり、あたりを閃光が包んだ。その中を、ひとつの物体がものすごい速さで突き抜けていた。

 

「ぐぅあ!」

 

 なんとかガードが間に合ったが、弾き飛ばされ、M16を破壊されてしまった。

 

「何をした」

 

「誰も望んでいない、プレゼントだ」

 

 戦闘特化ナノマシン、トール。人体が活動する際に発生する微弱電流を蓄電し、それを義体に流し込むことで出力を強制的に強化するシステム。いまジャックはそれを発動させた。ただし、未完成の為そう長くはもたない。

 

ミシリ

 

「ん?」

 

 何かがきしむような音がした。音源を探すと、どうやらジャックがの刀から発せられた音のようだ。

 

「ちっ。やっぱり持たないか」

 

 刀はひび割れ、もう使える状態ではなかった。

 

「お互い武器がなくなったな。どうする?」

 

「格闘戦、と言いたいけど、もうそれもダメらしい。両腕がイカれてる」

 

 やはり、未完成の技術であったため耐えられなかったのであろう。ジャックの両腕はショートしていた。

 

「じゃあ、連れて行く「待ってくれ」……どうした」

 

「この戦争を、最後まで見届けさせてくれ。たとえ親の敵でも、今は関係ない。あの戦士たちの戦いを、最後まで見させてくれ」

 

 ジャックにはわかっていた。彼らが望んで自分たち子供を戦争に連れ出したのではないことを。

 

「…………」

 

 ジャックはその場に立ち尽くし、スネークは彼らを称えるように、静かに敬礼をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――リベリア紛争、終戦

 

被害報告

 

リベリア軍、戦力の3分の1が壊滅

 

国連軍、重傷者少数・死者無し

 

ゲリラ

 

壊滅を確認 捕虜多数 内、行方不明者1

 

 




正直言うと、まだどのスネークか決まってない。ただ、ソリダスでないことは確か。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。