Infinite・Stratos・RISING 作:umiusi
アメリカに来たのはいいけど、これからどうなるんかね、俺。とりあえず故障した義体を修理してもらったけど……てか、なんで修理してもらえたんだろう?強制的に普通のものにできたはずなのに。
「君、もう一度聞くけど本当に普通の義手に変えなくてよかったのかい?」
「ええ、まあ」
それにしても、なんで俺、こんなところにいるんだろう。
「はい、着いたよ。この部屋の中に、私達の長官がいるから、しっかり話を聞いておくようにね」
「分かりました」
ここがどこかって?……CIAだよ。
とりあえず、部屋の中に入ってみるか。
「ん?ああ、君か」
部屋の中に入ると、なんか見たことのあるおじさんがいたってあれ?この人……
「おっと、自己紹介が遅れたね。私はロイ・キャンベル、ここの諜報班の司令だ」
た、大佐だあぁァァァァァァ!?
「? どうかしたのかね」
「い、いえ、別に何も」
び、ビビった。あの神様、確かライジングの登場人物って言ってたよな?大佐違うじゃん。いたのは嬉しいけど。
「では、君のこれからの処遇について話そう。まず、君がこの国に連れてこられた理由だが、君の両親の本籍がアメリカであったからだ。それで、本当なら施設に住むことになっていたんだが、私の伝手でとある一家に居候させてもらえることになった」
「はあ……」
「他に、何か聞きたいことはあるかね?」
俺は、ここに来てからずっと気になっていることを質問することにした。
「なんで、この義体を変えなかったんですか?どう考えても危険極まりないでしょう?」
「『それが分かっているならその必要はない。それに、俺が引き取る』と、彼から言われてな。……その、一応聞くが、傭兵になってみる気はあるか?」
それ、言ったの絶対スネークだ。だってあの後、傭兵に興味があるか聞いてきてたし。でも、スネークからそうきたかぁ。……いいね、それ。
「はい」
そう返事をすると、大佐は少し複雑な顔をした。
「あー、ここまで聞いておいてなんだが。それはできない」
「え?」
ここでその切り返しって、あり?ここまで期待させておいて?
「実は、君が働いてもいい年になるまで戦場には出さないということで法はクリアしたのだが、最近彼の風当たりが悪くてな……危険だからということで取り止めになった。まあ、その返事は彼に伝えておく」
風当たりって……何したんだ、スネーク。もしかして今、ピースウォーカーの時の状態なのか?
「分かりました。じゃあ、俺はたいs……キャンベルさんの知り合いの方のお世話になるんですね?」
「ああ。そうなるな」
あっぶねぇ。今大佐って言いそうになった……
「では、外に車を待たせてあるから、それに乗って行ってくれ。その間に向こうに連絡しておこう」
「ありがとうございます。じゃあ、これで」
「さようなら。…………もしもし。…ああ、朝言った通りだ。……スネークが見込んだ子だ、しっかりいているよ。それでは頼んだぞ、ファイルス」
ファイルスさんか。一体いどんな人なんだろう?その前に、いきなり転がり込んで迷惑じゃないだろうか。向こうに着いたら、なるべくおとなしくしていよう。
「君、これに乗って」
あ、もう着いたの……リムジン。リムジンだ。これに乗れって?いやいや、気が重くなるでしょうが。あ、でももしかしたら違う車かも知れないな。
「あの、この車ですか」
「うん、そうだよ。どうかしたのかい?」
「いえ、少し緊張して」
やっぱりこの車か。ええい、男は度胸だ。このくらいで怯んでどうする!
バタン
おお……!普通だ。内装はいいものだろうけど、座り心地は前世の家の車(中古の軽)と同じだ。
「飲み物がそこの中にあるから、喉が渇いたら飲んでいいからね」
「ありがとうございます」
お言葉に甘えて、一つもらおうか。あ、お茶があった。あーでもなんか
「ふああ……ああ」
少し、寝ようかな。
~
「起きて、着いたよ」
「うん……?」
どうやら目的地についたみたいで、運転手に起こされた。辺りを見回すと、大小様々な家が並ぶ住宅街だった。そして、目の前の家から男の人が出てきて、こっちに近づいてきた。
「やあこんにちわ。君がジャックかい?」
「はい。あなたがファイルスさんですか?」
見た感じはいい人そうだな。けど、なにか違和感が……
「突然で悪いけど……フン!」
「うおわっ!?」
「あ、あなた子供になんてことを!」
違和感が強くなったかと思うと、急に殴ってきた。子供相手にだぞ?中身はもう20歳に近いけど。
「すまんすまん。スネークが見込んだっていう子だから、気になってな」
この人もスネークを知ってるんだ。どこで知り合ったんだ?
「あの、あなた達とスネークの関係ってなんですか?」
「ああ、スネークね。ジャックがさっき会ったキャンベルと俺、スネークは米軍からの仲なんだ。と言っても、まだ軍にいるのは俺だけだけどな。後、敬語は使わなくていいぞ。もう俺とお前は家族なんだからな」
家族……よかった。認めてもらえてるんだ。
「じゃあ、ええと……父さん、でいいのか?」
「おう、それでいいぞ」
「コホン。それでは、私はお邪魔のようなのでこれで失礼しますね」
運転手を見ると、温かい目でこっちを見ていた。なんか、恥ずかしい。
「そういえば、まだ自己紹介をしていなかったな。俺はロンデル・ファイルス、米陸軍の大佐だ。家族は、お前の母さんになるアイラ、お前の姉になるナタル……ナターシャがいる」
「分かった」
3人家族なのか。どういった生活なんだろうか?多分リベリアの頃とは違うから、早いうちに慣れるようにしないと。
「あら、その子があなたの言っていた子?」
「ああ、そうだ。ジャック、挨拶は?」
「迷惑をかけるかもしれないけど、よろしく」
「あらあら、可愛いわね」
褒め言葉なんだろうけど、男として、素直に喜べない。ん?上から誰か来る?
「あ、その子がジャック?ふーん、本当に白髪なのね」
2階から降りてきたのは、ええと、ナタル姉さんでいいかな。だった。姉さんは近づいて来ると、おもむろに俺の頭を撫でた。
モフッ
「あ」
モフモフッ
「いや、ちょっ」
モフモフモフッ
なんか、執拗に撫でられてるんだけど。
「な、ナタル姉さん、もうやめてくれ」
「あ、ごめんなさい。気持ちよかったから、つい、ね。とこれで、いきなり愛称で呼ぶのね」
「だって、父さんがそう呼んでたから」
ああ……何かこうしてると、家族って実感が湧くな。でも、この中に俺がいていいのだろうか?普通とはかけ離れた存在の俺がいて……それ以前に、この人たちは俺のことを知っているのだろうか?聞いておきたい。聞いておきたいけど、その瞬間にこの生活ができなくなってしまうようで、怖い。
「ジャック、心配はしなくてもいい。お前の体のことは皆知っている。だからといって、お前を追い出すことはない。それに、遠慮もしなくていい。もうここは、お前の家なんだからな」
考えていたことが顔に出ていたのだろう。父さんが声をかけてくれた。母さんと姉さんを見れば、二人も安心ていい、というふうに微笑んでいた。
「ありがどう……ございます」
この涙を抑えることは、できなかった。今くらい、いいよな?だって、初めてこんなに人の暖かさを知ったんだから。
その日は、姉さんの部屋で寝た。もちろん、ベッドは別だが。なのに、次の日起きたら姉さんがこっちに潜り込んでいて、俺を抱き枕にしていて、思わず悲鳴を上げそうになった。理由を聞いたら、「可愛かったし抱き心地がよかった」とか言っていた。一応、褒め言葉として受け取っておくが、こういったことは心臓に悪いからやめてほしい。切実に。
というわけで、ファイルス家の養子になりました。やったねジャック!家族が増えたよ!