Infinite・Stratos・RISING 作:umiusi
回りだした歯車
「大佐、帰還したぞ」
「ご苦労。おかげあの一帯の状況が把握できた。明日にでも軍が動くだろう」
俺は何時ものように偵察任務を終え帰還した。今回は武装勢力がいると思われる地域の偵察だったが、アタリだった。大方、反IS派の連中だろう。
「連中の気持ちがわかるからやり辛いんだよな」
「だな・・・」
だがテロリストは、ここに身を置く人間として、申し訳ないが無視する訳にはいかない。
「司令、お電話です」
「おお、すまんな」
大佐に直接?お偉いさんか、親しい人間だろうか。
「君か、久しぶりだな・・・おいおい、なんだ最後の話とは。死ぬわけじゃあるまいし・・・・・・何?今なんと言った!スネーク、スネーク!」
スネーク?
-piriri piriri
電話・・・父さんからだ。
〈ジャック、その辺にテレビの類はないか!?〉
「あるけど、それが?」
〈急いで見ろ〉
「? ああ、分かった。2番モニター、一般チャンネルを開いてくれ」
「分かりました・・・・・・これは?」
モニターに映ったのはスネークだった。だが、様子がおかしい。
「スネーク・・・?」
どうしてそんなに、憎しみのこもった目でこちらを見る?それじゃあまるでーーー
〈ISを保有する全ての国家へ告ぐーーー
ーーーあいつらと同じ目じゃないか。
ーーー我々MSFは、貴様達に対し宣戦布告をする〉
「なんだって!?」
「くそっ、スネーク・・・!」
「ISを倒そうって?馬鹿ね、この男」
「そ、そうだ。こっちにはISがあるんだ、負ける筈がない!」
確かにそうだが、あのスネークのことだ。無策でこんなことをする筈がない。
〈こちらには核がある。それを確実に目標に当てることができる砲台もだ〉
「核だって!?」
やっぱりそうか。だとすれば、恐らくスネークの言う砲台はメタルギアだろう。だが、それでは・・・
〈これは脅しではない。だが、各国家でのIS破棄が確認されれば、核は使わない。猶予は5日。それまでに此方の要求が満たされなければ、宣言どうり核を発射する。以上だ〉
それを最後に、映像は切れた。
誰も言葉を発せない中で、役割を果たし続ける空調の音だけが、耳にまとわりついて消えなかった。
ー二日後ー
雷電。それは俺が憧れている名前。それを今日、コードネームとして受け取った。いつもなら、きっと喜べただろう。だけど、今は喜べない
「ジャック、辛いのはわかる。私だって恩人を殺すのは辛いさ。だが、それでも君に頼むしかないんだ」
「わかってる・・・やるしかないんだろ」
「ああ・・・彼を、スネークを排除しろ」
任務が、俺を救ってくれた男。俺が尊敬する男、スネークを殺すことだったからだ。