【PM剣盾】実績『食の探求者』解除【実況】 作:麻婆豆腐Mk-Ⅵ
本家主人公との遭遇回です。
少し時間が飛んでいます。
夜の帳が降りた頃。
星明かりと懐中電灯を頼りに辺りを彷徨っていた時、ふとオレンジ色の光を彼方に見た。
アリアドスの糸を掴んだような感覚を胸に抱いて、足早に光源の元へと歩を進める。
5分?10分?たぶんそれくらい歩いたと思う。
段々と大きくなる光に歩みが早まれば、草を踏み締める音もそれだけ大きくなっていった。
「──あ、あのぅ……ちょっといいですか?」
焚き火の前、こちらに背を向けて座る女の子に勇気を出して声をかける。躊躇いからかその声は若干どもってしまったけれど、こちらの声はちゃんと女の子に届いていたようだった。
「【私に何か?】」
「こっ……此処の近くでっ、キャンプをしてもいいですか?!」
(あぁ、やっちゃった……! まずは自己紹介からするって決めてたのに!!)
こちらを振り返った女の子に対して、捲し立てるように話しかけてしまったことを、心の中で密かに後悔した。
知らない人が突然話しかけてきたら誰だって警戒するに決まってる。だから自己紹介をした後に「隣でキャンプをしてもいいですか?」と聞こうとしていたはずなのに、何故だか違う言葉が口から出ていたのだ。
(どうしよう、変に思われちゃったかも……)
こんな時ホップならどうするんだろう。いつものようにそう考えてしまう自分と「もうホップは先に行っちゃったのに、どうして頼ろうとするの?」と問いかける自分がいることに気づいて、気分はすっかり落ち込んだ。
友達と呼べる人はもう傍にはいない。集いの空き地で別れたホップは、私よりもずっと先の方を行っているはず。早く追いつかないと。
(でも……追いついてどうするの?)
お前はライバルだって、一緒に強くなろうって言われたのに、ただ追いつくだけでいいの?
それじゃあ今までと何も──
「【いいですよ】」
「えっ? あっ、いいの!?」
引き戻された意識が目の前の女の子を再び捉える。焚き火を背にする彼女の表情は、影を帯びてなお穏やかだった。
「ありがとう!」
「【どういたしまして】」
許可が下りたので、彼女のテントから少し離れた所にテントを設営する。初めての設営に少し手間取ったけれど、ペグの打ち方やポールの取り付け方を教えてもらったお陰で、無事それらしい形になったと思う。
「【お疲れ様】」
「こちらこそ、手伝ってくれてありがとうね。私こういうの初めてだから助かったよ」
旅をする前は一人でキャンプをするなんて考えもしなかった。家族やホップ達とバーベキューをする時でしか触ったことなかったし、設営も全部お父さんに任せていたから、ちゃんとできるかどうか心配だったんだ。
あの時お手伝いしとけばよかったなぁ、とほんのちょっぴりの寂しさを感じて、思わず袋を握る手に力が籠ってしまった。
「【……カレー食べる?】」
「えっ?」
「【それだけだと体力がもたない】」
テントを張り終わって一息ついた頃。対面に座った私の手元を見て、そう彼女は言葉を零した。
つられるようにして自分の手元を見てみれば、食べかけの栄養バーが目に入る。もう3分の1しか残っていないそれは、列車に乗る前に『おやつ』として買った物だ。
しかし実際に取り出したのは午後7時を過ぎた頃で、お腹の具合もまだ十分とは言えない。予備の食べ物もさっき採った木の実だけだし、とてもではないが空腹を耐え凌げる気がしなかった。
「お言葉に甘えて、お願いします……」
申し訳なさと恥ずかしさで顔が赤くなるのを自覚しながらも、対面に座る彼女に向かって頭を下げる。その瞬間、見計らったかのように『ぐるるるる』という唸り声が辺りに響いた。
(お腹鳴っちゃった……恥ずかしい……)
大丈夫かと肩を叩かれるまで顔を上げられなかったのは、ここだけの話。
*
【緊急】主人公とカレー作ることになった件について【応援求む】
まさか主人公とワイルドエリアで遭遇するとはたまげたなぁ。しかもジムチャレンジ開始前だ。ワイルドエリアって広いから遭遇率かなり低めだった気がするんだけど……うーん?(困惑)
ちょっと状況を整理しますね(眉間揉み揉み)
↓
②これ以上戦闘するとレベル上限を超える可能性が出てきたため、別のことをして時間を潰す*1
↓
③ジムチャレンジの開会式二日前、朝。ジムチャレンジの推薦状を提出しにエンジンジムへ。
↓
④無事に申請とユニフォームの作製を終え、ワイルドエリアに帰還
↓
⑤次の日まで時間を飛ばそうとしたら、偶然にも主人公と遭遇
↓
⑥一緒にカレーを作ることに
うん、どゆこと???(混乱)
擦れ違うならまだしも、こういう形で関わるのは今回が初めて……かな?
此方から積極的に行かない限り、絡む描写があまりないのでちょっと吃驚しています。まぁ原作突入したら嫌でも
今回は『女の子』みたいですし、良くて友達、悪くて顔見知り程度の他人って感じの関係にしかならないと思いますから、当たり障りのない会話をすれば大丈夫でしょう。
「具材は何を入れればいいかな?」
▶モモンの実
オレンの実
グラボの実
カゴの実
『貴女は何を入れる?』
▶モモンの実
オレンの実
チーゴの実
ヒメリの実
正直何を選んでもいいのでAボタンを連打します(無情)
ユウリちゃんの好感度を稼げるのは嬉しいですが、関わり過ぎると要らないイベントまで起きてしまうため、なるべく好感度は低い方が好ましいです。あっても『中』くらいかと。
目的はあくまで『実績解除』なので、間違ってもブラックナイト周辺には関わらないつもりです。本家主人公やホップ、ダンデ辺りが解決してくれるのを祈りながら、私は私で美味しいカレーを作ります(固い決意)
『団扇で火加減を調節しよう!』
>Excellent!!
「混ぜるスピードはこれくらいでいい?」
▶はい
いいえ
しかしなんと言いますか……今回のユウリちゃんは他の周回時と比べても、特に「引っ込み思案」要素が強いですねぇ。初々しさの中に若干の寂しさが見えるので、家族が恋しいのかもしれません。親の庇護下にいる年頃+旅に出たのはつい最近……当たり前と言えば当たり前か(納得)
ちなみに前回のユウリちゃんはポケモン捕獲ガチ勢でした。図鑑コンプ勢とも言いますね。あれはとんでもない収集癖だった……(遠い目)
「真心を込める? こ、こうかな?」
>Excellent!!
2人共良い感じに真心を込めました。ユウリちゃんは『萌え萌えキュン!』って感じのポーズで、ポピーちゃんはカレー鍋の上に手を翳して『ふん!』とパワーを送っていたのが印象的です。真心の概念が壊れるなぁ……(白目)
ボンッ!と煙が上がった後、出来上がったカレーを器によそい、テーブルの上に置けば完成です。今回はモモンの実を入れたので甘口カレーになりました。さて、お味の程はどうでしょう?
「──美味しい!!」
恐る恐るスプーンを口元まで運び、意を決してパクリ。瞬間、ユウリちゃんの目がキラキラと輝きます。こう……なんて言うんでしょう。ずっとポケモン達とだけ食べてきたのが原因だと思うんですが、一緒に食べてくれる人がいると何だか嬉しいですね(照れ)
「ポケモン達も美味しそうにしてるね」
主人公達のいる焚き火からちょっと離れた所でご飯を食べるポケモン達。うちの手持ちとユウリちゃんの手持ちが、仲良く食卓(切り株)を囲んでいます。
カレー作りの前にボールから出してたんですけど……すっかり仲良くなっているみたいです。
ゆうかん、のんき、おだやか。比較的扱いやすい性格のポケモンが多いため、打ち解けるのも早いんですねぇ(解説風)
全員ポケモンスクールで貰えるポケモンの性格欄に入っているので、相性が悪くて喧嘩するとかそういう心配は無さそうです。
「あ、名前」
あっ、完全に忘れてた(ド忘れ)
「私ユウリ。貴女の名前は?」
▶貴女は『ポピー』と名乗った
「ポピーちゃんって呼んでもいい?」
▶貴方は頷いた
ちょっと遅れてしまった自己紹介。気恥しさを感じつつ、咳払いをしたユウリちゃんが「花の名前なんだね」と言葉を続けます。
ポピーは日本で言うところの『ケシ』に相当する花で、有名所では『雛芥子』や『アイスランドポピー』がありますね。詳しく話すと長くなるので割愛しますが、とても綺麗な花だと思います。
「お母さんが庭で花を育ててるから、私も見たことがあるよ。綺麗なオレンジ色の花だよね」
そう言えばユウリちゃんのお家って、やけに緑が多かったような。ゴンベとスボミーがいたし、お母さんにお香の趣味とかありそう*2。もしかして:元アロマなお姉さん?(DP脳)
「……ちょっと聞いてもいいかな?」
お?
「ポピーちゃんは、どうして旅をしているの?」
真剣な、それでいて何か迷いを抱えているような表情で問いかけてく本家主人公。
たぶんこれは……いや、止めておきます。取り敢えず旅の目的だけを答えましょう。
▶貴方は『カレーを作るため』と答えた
「……カレー?チャンピオンを目指すとかじゃなくて?」
▶はい
いいえ
「そっか……そういう理由もあるんだ」
彼女が何について苦悩しているのかは、既に察しがついています。が、それを指摘することも、ましてや『答えを言うこと』も私はしません。
その答えはホップとの戦いや、旅の中で見つけるものだと思いますし、何よりポピーちゃんは『チャンピオンを目指していません』から。
だから、私が口を挟むのは違うような気がするのです。
*
彼女はそれ以降、口を閉ざしたまま焚き火を見つめ続けている。何を言うでもなく、示すこともない姿に、ほんの少しの安堵が心に浮かんだ。
自慢の兄に憧れて夢への道をひた走るホップの姿が、あの空き地から走って行った姿と重なる。
先を行く背中が目に焼き付いて離れない。
(将来の夢、か)
私は一体何をしたいんだろう。
ホップに手を引かれ、チャンピオンの手からポケモンを受け取ったあの日。
ジムチャレンジの推薦状を賭けたバトルを思い出す。初めてのポケモンバトルで指示をミスしてしまう時もあったけれど、それでも生まれて初めての白星をあげた戦いだった。
(楽しかったなぁ)
戸惑いはあった。躊躇いもあった。
でも楽しかったことも事実だった。
(ポピーちゃんは、どうしてカレーを作ろうと思ったんだろう?)
ちらりと視線を前の方に向ければ、リオル──私が今日捕まえた──に、何故か凄い見つめられていた。興味津々な様子で彼女の周りをグルグル回る姿に、ちょっとだけ苦笑いが零れる。
捕まえる前から『せっかち』だった子だ。興味を示す早さも、回るスピードも、それはもう凄まじい。
(よかった……怒ってないみたい)
させたいようにさせているポピーちゃんの表情は、変わらず穏やかなままだ。ほっと胸を撫で下ろした後、私も同じように彼女を見つめる。
焚き火から飛び散った火の粉が、伏せられた瞳に映ってどこか幻想的だった。
バルビートのような瞬き。
光の尾を引く軌道。
黄、橙、紅が緑色の上に現れて、まるで夕陽が射した森の中のよう。
「クロムスフェーンみたい……」
「【何か?】」
「!ううん、なんでもない」
声に出てしまったのが恥ずかしい。反射的に否定して、今度こそ焚き火へと視線を移す。
白に近い銀髪と深緑色の片目。私から見て右の眼は前髪に隠れていてよく分からなかった。
でも、リオルの手が彼女の前髪を掠めた時に『医療用のアイパッチ』が貼られているのを見たから、たぶんものもらいかも。
「ポピーちゃん。左眼、ものもらい?」
「【…そんなところ】」
「そうなんだ。早く治るといいね」
右耳に髪をかけ直しながらそう呟く姿に、なんだか勿体ないような気持ちが胸に広がる。
「【気にしないで】」
「ううん。綺麗な目だから勿体ないなぁって」
「【……初めて言われた】」
驚きで丸くなった瞳が二、三度瞬く。
私も初めて言ったからおあいこかな。
「【疲れているの?】」
「たぶん。いっぱい歩いたからね」
「【もう寝よう】」
「そうだね。もう寝ようか」
戸惑いながらも真面目にポケモンを戻す姿を見て、なんだか「不思議だけど、面白い人だなぁ」と思った私。
口を開いてなお、自然に溶け込んでしまう程の静かさと穏やかさ。
静謐の具現のようなその人と一緒に、ワイルドエリアの夜を越えた。
アリアドスの糸は、ギリシャ神話に登場する「アリアドネの糸」を参考にしました。
ポピーの花についてはかなり省略してしまったので、興味をもった方はぜひ調べてみるといいかもしれません。
次回から原作に突入するため、手持ち(4体目)に関するアンケートはもうすぐ終了します。
新しく追加するポケモンについて(4体目)※1番多い欄を基準に図鑑からランダムで選びます
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伝説・準伝説・幻関係のポケモン
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第8世代のポケモン(ガラル)
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第1~第7世代のポケモン(ガラル以前)