他の小説と両立ができていない...というわけではなく、ただ単に書く時間が失せただけなのでご了承を。今後、これぐらいの頻度で書くことも多くなってきます。
書く頻度が少なすぎて、もう頭の中で完結しちゃってるんですよね...
それはさておき...と話を変えたいところですが、書くことがなくなったので続きは後書きの方へ...今回も最後まで読んでくださるとうれしいですm(_ _*)m
「男性が――シンフォギアを!?」
カレンは耳にしたことが信じられなかった。シンフォギアとは本来、女性のみが纏えるものであり、男性が纏えるなどという話は聞いたことがない。カレンが通っていた高校の世界史でも、そう教えられていた。
「その様子だと、シンフォギアは女性しか纏えないって教えられているみたいだね。今まではそうだったんだけど――風鳴家の跡継ぎが僕だけでね、そのせいかは知らないが、僕は世界で唯一、男性適合者となったんだ。どうやら僕には、僕の祖母に当たる元シンフォギア装者、翼さんの血が濃く流れているみたいでね」
「そうだったんですか…」
正直、言っていることがよく分からない。風鳴家?翼さん?その人の血が強いから、アランさんは装者としての素質があるってことなのか?頭の中でいろんなものがぐるぐる回って混乱していると、不意にアランから声をかけられてビクッとした。
「大丈夫?ちょっと説明が難しかったかな、僕は何かの説明をするのが苦手でね…コーヒーでも淹れようか?」
「えっと、あの…いや、大丈夫です。ありがとうございます。」
カレンは軽く伸びをすると、椅子から立ち上がって外の様子を見に行こうとエレベーターの方へと向かっていった。
「ちょっと待って、何をしに行くんだい?」
「ちょっと、外の様子を見に行こうと思って」
「なんだ、それなら――」
アランは自分のそばにあるボタンを押した。途端に大型モニターが光り始め、外の様子が映し出された。
「これ、まだ動くんですか?みたところ、かなり前のものなのに」
「ここは政府の管轄地だからね、管理はかなり徹底されているみたいだよ。だからこの辺りの機械は大体動くんじゃないかな?」
へぇ、と思いながらモニターをぼんやりと眺めていると、突然エレベーターが動き出した。
2人とも、すぐに身構える。エレベーターからは、小さな人影が現れた。
「――アランさん、やっぱりここにいたんですね。本部に戻って――って、その子は?」
「なんだ、エルフナインか。紹介しよう、カレン。こいつはエルフナイン、僕と一緒に活動しているうちの一人だ。エルフナイン、こいつはカレン。Soldatの基地に収容されてたところを助け出してやったのさ。」
現れたのは、エルフナインという子供のような人だった。みたところ女性のようだ。白衣を着て、金髪に青い瞳をしている。
「なるほど、お友達というわけですね。ボクはエルフナインです、どうぞよろしく」
「よろしく…です、エルフナインさん。」
彼女は安心したように静かに笑うと、すぐにアランの方に向き直った。
「どうした、エルフナイン?」
「さっきも言いましたが、すぐに本部に帰ってきてください。指令が首を長くして待ってますよ」
「それはできないな。だって今の僕にはカレンがいるからね」
エルフナインはちらりとカレンの方を見、ちょっと考えた後、こう言った。
「だったら、カレンさんも一緒に来てください!」
「えっ!?でも、俺は――」
「そうでもしないとアランさんが動かないんです!お願いです、どうか!」
「わ、分かった!分かりました!行きます!」
エルフナインは勝ち誇った笑みをアランに見せつけた。彼はやれやれ、と首を横に振ると、
「仕方ないなぁ…じゃあ、久しぶりに戻るとするか」
「それよりも、本部って一体?」
「さあ、行きましょう2人とも!」
「ちょ、誰も俺の話聞いてない感じ!?」
そんな訳で、カレンは何もわからぬままに二人の後を追った。彼らがついたのは、静かな港だった。
「港…?なんで、港に?」
「そりゃあ、本部があるのは――」
言い終わらないうちに、防波堤の向こう側から何かがやってきた。その機体は黒く光り、先端の方に点滅する光が見えた、船だろうか、と思いながら見ていたが、カレンはあることに気が付いた。船には必ずあるはずの、マストがない。じゃああれは何だ、とカレンが必死に考えていると、それは彼らの目の前にやってきた。
潜水艦だ。黒いボディーの横には「S.O.N.G.」の文字が入っている。
「これが――」
「そう、これが俺たちの家であり本部、S.O.N.G.だ!」
「つまり僕たちはこれに乗せられて世界各地を旅しつつも脱出法を探り…」
「は?」
「…挙句の果てに大渦に巻き込まれて気づいたら無事生還していた、というオチですね」
「カレン、お前はよほどジュ●ル・ヴェルヌが好きなんだな…」
後で聞くと、現S.O.N.G.は旧特定災害対策本部2課の後のものではなく、2課のメンバーだった雪音クリスの息子が再建したものだという。先の
「なんで、昔の潜水艦を8年も使っているんですか?新しいものに変えればいいのに」
カレンは、素朴な質問を投げかけた。エルフナインが答える。
「この潜水艦は、特注の一級品なんです。いくら沈もうが、少し直してしまえば200年は持つと言われているので、最後の最後までこの潜水艦に乗っていたいんです。それに、ボクは陽炎事変の時に、この潜水艦と共に装者たちのサポートにも回ってましたから、愛着も沸いてるんですよね。」
「なるほど…って、ええ!?陽炎事変って、もう100年ぐらい前の話じゃ――」
「カレンには言ってなかったが、エルフナインは元々、とある錬金術師のコピーのような存在だからね。彼女が寿命で倒れることはないさ。」
カレンはその場で固まった。目の前にいる女の子は、既に年齢が3桁を越しているのだ。エルフナインはカレンが驚く様子を見て、どやぁ、と両手を腰に当てた。
「立ち話もなんだ、中に入ろうぜ。ほら、指令がお待ちかねだ。」
見ると、背の高い男性がこちらに向かって手を振っている。三人は潜水艦の中へと入っていった。
「――と、言うわけで…ようこそ、カレン君!!私はS.O.N.G.司令、雪音コウだ。S.O.N.G.は君を、メンバーの一員として歓迎するよ!」
はぁ!?とカレンは耳を疑った。目の前にいるのは、さっき手を振っていた背の高い男性だ。メガネをかけ、いかにも優しそうな雰囲気を漂わせている。
「…えっと、メンバーの一員って?」
「言ったとおりだよ!君は私たちと共に活動してほしいんだ!と、いうのもだね…」
彼は緒川美紅という女性を呼んだ、彼女は祖父の跡を継いで、S.O.N.G.のサポートをしているのだという。彼女は祖父同様、車両や銃などを生かした現代忍法などを用いて前線に出ることも少なくないそうだ。
「どうも、緒川美紅です。これからよろしくね、カレン君!」
彼女の立ち振る舞いは、どことなく母親のような風貌を見せた。司令が彼女に指示を仰ぐと、モニターに紙のようなものが写っている。左上の方にはローマ字で「藤堂カレン」と書かれていた。
「風鳴君から連絡を受けた後、君のことをいろいろ調べさせてもらったんだ。Soldatの開発にかかわっていた日本人科学者、藤堂集の息子であること、マナという妹がいること――ところで、その妹は一緒じゃないのかな?」
カレンはしばらく黙ったままだった。司令が「ん?」と何回か軽く聞き返す。やがて、彼はぽつりと呟いた。
「――た」
「何と?」
「攫われた…妹はSoldatのところに、ドイツにさらわれたんだ!!」
カレンはその場に膝をついて、顔を落とした。その場の空気が、重たくなる。しばらくして、司令がモニターを見ながら言った。
「やはりか…」
「え?」
「君と、君の妹の体には、チップが埋め込まれている。その所在地は政府の極秘施設にリアルタイムで送られるのだが…君の妹のものが、旧リディアンの近辺で突如通信を絶ち、次の瞬間には、彼女はドイツにいた――君をここに来させたのもそのせいだ。」
「なんで、俺たちの位置情報が政府に…?」
だが司令は答えなかった。彼は急に表情を硬くして、カレンの方に向き直った。
「カレン君、改めて頼もう。君の妹を取り戻すため、この世界をSoldatの支配から救うため、S.O.N.G.の一員として一緒に来てほしい。」
カレンは司令の顔を見上げた。彼の鋭い眼光が、冗談ではないことを語っていた。
「…分かりました。僕も一緒に戦います。妹を助けるために!」
司令は満足したようだ。フッと笑うと、そのまま指示を出した。
「この潜水艦の進路を変えてくれ。我々に、ようやく奴らと戦う口実ができた」
「雪音さん、この潜水艦は一体どこに向かうんですか?」
「君ももうここの一員なのだから、私のことは司令と呼びたまえ。それから、この潜水艦はこれから――」
にやりと笑った。
「あたかもしれな――ウオッホン!!これからこの潜水艦は、ペルシャ湾へと向かう!」
「…何で、ペルシャ湾に?」
「我々も本当はドイツの方に潜水艦を進めたいところ…だが、ヨーロッパの海域は既に向こうの手に落ちているから、ペルシャ湾でいったん潜水艇を止めて、そこから陸移動をしなければならないんだ。」
司令は困ったものだ、と手を振ると、アランに
「風鳴君、君は今日からカレン君と同じ部屋だ。くれぐれも粗相のないように。」
と告げて部屋を出ていった。
「と、言う訳で…改めてこれからよろしくね、カレン!」
「はい、アランさん!」
カレンはモニターを見た。画面には、ペルシャ湾からドイツまでのルート候補がいくつか表示されている。
「待ってろよ、マナ…今、迎えに行くからな!」
最後の方がグダグダだった気がしますが、何とか書き終わりました。あたかもしれない、って通じる人まだ結構いるのかな…?
それはさておき次回予告!
ペルシャ湾に付いたS.O.N.G.一行。だが、彼らの動きはなぜか事前にSoldatに知られていたようで――
次回[二人目の…] お楽しみに!