多分忘れてる人もいると思うのでまた最初から見てもらえればと思います(は?)
老人はゆっくりと話し始めた。
「あれは、もう30年も前になりますか――」
――当時私は今の集と同じように、ドイツの研究所でAIの研究をしていました。私は40代で、彼は高校生でした。そして今の君と同じように、私と集はなかなか会えなかったことで、親子仲はさしていいとは言えなかったんです。次第に彼は閉塞的になってしまい、人と話すよりも機会をいじることに没頭していきました。そんなある日のこと――あの事件が起こったのです。
その日私は集を私の職場に招待していました。彼は私と会うことに対しては少し嫌がるそぶりを見せていましたが、施設に置かれていた開発段階中のAIにはとても心を惹かれて、将来はここで働きたい、と言ってくれたそうです。
その後昼食を済ませて、いよいよ彼がとても楽しみにしていたVRの開発現場に行こうとしたその時――突然、施設内に警報が鳴り響いたのです。何事かと入り口付近のモニターを見ると、巨大な陸上戦艦が私たちの研究施設のフロントを破壊しているところが見えました。慌てて私は集を探しました。彼はまだVR研究ラボにおり、状況についてはまだわかっていないようでした。
急いで彼と合流して緊急避難用ハッチへ向かおうとしたその時、私と集、そして何人かの職員を取り囲むようにして、陸上戦艦の中から出てきたと思しき自衛隊のような軍隊が出てきました。全員私たちに銃を向け、私たちを動けないようにしていました。私は兵士の一人に聞いてみました。
「君たちは誰なんだ?一体何をしに来たんだ?」
「じきに応えてくれる人が現れる。それまで待つんだ」
その言葉通り、しばらくして彼らの上司らしき人物が現れました。彼は私と同じ日本人でしょう、とても流暢に日本語で対話してくれました。ガスマスクをしていたので顔は分かりませんでしたがね――彼はしきりに私を脅していましたよ。お前たちの研究成果を我々によこせ、さもなくばお前達はどうなるか分からんぞ、と。そんな時でした――
Soldatの
「――以上が、私の話です。これを聞いて、君たちが何を思い、何をするかは自由だ。けれどその選択が、君たちにとって悔いのないようにするんだね。それと――」
老人は、震える手でカレンに折りたたんだ紙を渡した。
「――君たちが無事ドイツについたら、これを彼に――集に渡して下さい。あれでも根はいい、自慢の我が息子だ。私の遺言のようなものになってしまうが、いつかきっと、君たちを助けられるよ…」
カレンの手を握った後、老人はその場に再び倒れこんでしまう。うつむいて肩を震わせているエルフナインの背中に手を置いてやりながら、カレンは老人の手を優しく、しかししっかりと握り返した。
「えぇ、俺達があなたの手紙を届けます。そして俺たちも、この先で見つけます。自分たちが何をすべきなのかを」
「ありがとう。やはり君は、私の自慢の孫だ――カレン君、最後の私の願いだ。私の息子を、どうかこちらに戻してくれ。戦いのない世界に、居場所を作ってあげて欲しい」
「えぇ、分かりました。あなたの願い、絶対にかなえて見せます。だから見守っていてくれ――じーちゃん」
カレンの腕の中で、老人は安心したようにゆっくりと目を閉じた。
「やっぱり、俺はドイツに行かなきゃならなかったんだ」
小さい墓を作り、供養を済ませた後、カレンは二人に言った。エルフナインはまだ嗚咽が漏れている。
「これは、藤堂さん――じーちゃんや先人たちの遺志を、引き継ぐための戦いだ。最後に望みを託された今、俺は誰に止められようと行くよ」
しばらく黙っていたアランとエルフナインだったが、やがてちょっと笑った。
「まったく、今更俺たちがお前のことを引き留めるとでも思ったか?」
「ボクたちだって、藤堂さんの願いは叶えてあげたいですよ!それにボクたちは、三人で一チームです!」
やっぱり、この人たちは俺の仲間なんだ――カレンはそんな二人に、決意の笑みを見せた。
「ありがとう、二人とも!よし――今度こそドイツに向かおう。俺が、いや――
俺たちが、父さんを止めに行くんだッ!!」
妹に進められて第五人格やり始めましたがこれが結構面白い。いつかこれ絵主体の小説を書くのもいいかもしれない…?
ほんで、次回予告!
「おい――これは、どういうことなんだよッ!?」
長い旅を経て、ついにドイツのAI研究所にたどり着いたカレン達。いよいよ、三人はマナと相対する。
次回 3-1[対面、and…]
次回から第三章に入ります!今度はいつ投稿できるか分からんけどお楽しみに!
しっかし今回は短めだったなぁ…