なんか新しいネタ見つけないとやばいな
3-1 対面、and…
藤堂さん――いや、に別れを告げ、俺達は再びドイツへと向かった。
を弔う前に持ち物を調べたところ、彼の上着の懐から地図が出てきたので、それを頼りに俺達は進んでいた。現在、俺達はアジアとヨーロッパの境界辺りにいる。
「なぁ、ここからドイツまで一体どれくらいかかるんだ?」
流石に歩き疲れたのか、アランさんが聞いてきた。
「ここからだと、恐らく2日も歩けば国境にたどり着けると思います。現在、ドイツの勢力はかなり広がっているので」
可愛げな声でエルフナインが返す。忘れている方も多いと思うが彼女は俺たちよりも全然ご高齢なのだ。とても100歳越えとは思えない。
「ふ、2日だぁ!?そんなに歩けねぇよ…」
「もう、それでも装者なんですか?もっとカレン君を見習ってくださいよ、あなただって体力は彼よりあるはずでしょ?」
「そんなこと言われても、ゴールが遠すぎるんだよ…」
「けど、俺はどれだけマナが遠くにいようと助け出して見せる。そして、俺たちの手でSoldatを――父さんを止めるんだ」
俺の独り言は少々大きすぎたようだ。それを聞いていたアランさんが感心したように頷いた。
「うんうん、それでこそシンフォギア装者だ。目的とゴールを見失わない信念、俺たちも見習わねばいけないなエルフナイン君」
突然、すぱこーんとアランさんの頭が何かで叩かれた。見ると、エルフナインがアランさんの前に立ち、どこからか取り出したスリッパを片手に持って立っているではないか。
「アランさん、
彼女は相当怒っているようだったが、あの可愛げな声で怒られた結果、アランさんの新たな自分への扉が開いてしまったようだ。
「おぉ、可愛い声で罵倒されるのも悪くないな…」
これにはさすがのエルフナインも赤面した。しかしすぐさま、もう一度すぱこーん。
「なぁ――ッ、何を馬鹿なこと言ってるんですか!!もうあなたのことなんて――」
さらなる罵倒によりアランさんの顔がさらに崩れかけたその時、遠くから地響きが聞こえた。
「な、何だ!?」
これにはさすがのアランさんも驚いたようで、三人で辺りを見渡す。と、俺の視線のはるか遠くで、何かが土煙を上げてこちらに向かってくるのが見えた。
「アランさん、エルフナインさん、あそこですッ!!」
「あれは――Kriegか!!しょうがない、いけるかカレン?」
「はい、いつでも!!」
「よし、それじゃあ行くぞ――Imyuteus amenohabakiri tron…」
「Necro shen shou jing nova zizzl…」
俺たちの体がそれぞれ青と紫の光に包まれ、シンフォギア装者へと変身する。その間にもKriegの軍勢はその速度を緩めることなく、俺たちとの距離はわずか500メートルほどとなっていた。
「カレン、俺が奴らを引き付ける。その隙に、お前は横から奴らを攻撃して欲しい」
「分かりました!!任せてください!」
「よし、それじゃあ行ってくる!!」
その言葉を最後に、アランさんはkriegの軍勢に突っ込んでいき、先頭の数体を叩き斬った。その爆発により、流石のKrieg達も一瞬止まる。その隙を見逃さず、アランさんは再び数体を爆散させた。
「ほら、こっちだ!」
上手くKrieg達を誘導しているアランさんに心の中で感謝すると、俺は渾身の一撃を放った。
「喰らえぇぇぇッ!!」
予想通り、俺の攻撃には手応えがあった。そのままの勢いでKrieg達の軍勢から離れた俺の後ろで、先程の爆発以上の轟音が辺りに響いた。
「よし、これならいける!!」
アランさんもそう確信したようで、再び奴らの先頭へと向かった。俺も先程と同じように、Krieg達と距離をとって待機する。と、視線の端から何かが飛び出してきた。
「――!!」
反射的に、俺の体はそれを避けるよう動いたが、少し遅かった。俺はそれに触れると、Kriegの軍勢の中へと吸い込まれていった。気を失う寸前、アランさんとエルフナインさんも同じように捕まっているのが見えた。
「――うっ…」
目を覚ますと、そこは見知らぬ建物の中だった。先程の戦闘が嘘のように、辺りは静まり返っている。見渡すと、アランさんとエルフナインさんも同じ部屋にいた。どうやら俺達はKriegに捕まった後、この謎の建物の一室に連れ去られたようだ。
「二人とも、大丈夫か?」
アランさんの言葉に、俺とエルフナインさんは起き上がって応えた。
「よし、まだ動けるみたいだな。それじゃあまずは――」
アランさんは、自分の手首を見た。そこには、大きな鎖がつながれている。
「こいつをどうにかしないとだけど」
「おっと、そいつは無理な話だな」
俺達の声とは違う、四人目の声が不意に聞こえてきた。それはあの時――俺がシンフォギア装者として覚醒した時も聞いていた。藤堂集――俺の父親だという人が、扉の前に立っていた。
「お前は――藤堂集ッ!!」
「酷いものだな。素直に父さんと呼んでくれればいいものを」
「俺の生活を壊したお前を、父さんなどとは呼べない!!」
「そんなもの、またいくらでも作ってやる。そんなことより喜びたまえ、妹に会わせてやろう」
不敵な笑みを浮かべ、彼は部屋の中へと誰かを招いた。中に入ってきたのは――紛れもない、あの時攫われた妹だった。
「マナ!大丈夫か?こいつに何か変なことされていないか!?」
「お兄ちゃん…」
彼女は、俺との再会をあまり嬉しがってはいないようだった。それに、何か雰囲気がおかしい。彼女の目は輝きを失い、うつろな表情でどこか遠くの場所を見ているようだった。
「マナ?本当に、大丈夫――」
「私は大丈夫だから。それよりお兄ちゃん、伝えたいことがあるの」
相変わらず虚ろな目で、マナは俺の方を見た。
「お父さんは、私たちの敵じゃないよ。敵なのは、お兄ちゃんたちの勢力の方。だから――」
マナは俺の方に向かって、両手を広げた。
「お兄ちゃん、私たちのところにおいで」
「――!?」
俺は思わず、藤堂集の方を向いた。彼は相変わらず不敵な笑みを浮かべて俺たちの方を向いていた。
「貴様ッ!!マナに何をした?」
「少し話をしたまでだ。彼女の知りたいことを教えてやったまでだよ」
「嘘だ…お前がマナに、何か吹き込んだんだろ!!そのせいでマナは、こんな風になっちまったんじゃないか!!」
「もうやめて」
小さな声だったが、俺と藤堂集の耳にはしっかりと入ってきた。マナが小さく震えながら、今にも泣きそうな目で――そして、俺に対する怒りも込めて――俺の方を見た。
「やめてお兄ちゃん。お父さんは何も悪くないんだから…ちゃんと話をすれば分かるから」
「分かるはずがない!!こいつは俺達を引き離して――」
「もうやめてよッ!!」
彼女らしからぬ怒鳴り声に、俺は思わず数歩後ろに下がった。
「もうやめてよ…何も知らないくせに、お父さんのことを侮辱しないで…もうこれ以上、この世界を汚さないでッ!!」
その言葉と共に、彼女の体が輝き始めた。俺の後ろでエルフナインさんが驚いたように声を上げた。
「これは――まさか!?」
「そうだ、彼女も君たちと同じなのだよ。まだ不完全だがね」
「カレン、気をつけろ!あの輝き方、間違いない――」
アランさんが言い終わる前に、その輝きは収まった。そこに立っていたのは、
ギアを纏ったマナだった。
何だかようやく、この物語も動き始めた気がしますねぇ…
それでは次回予告!
「お兄ちゃんたちは知らないんでしょ?この世界の真実を――」
藤堂集によって洗脳されてしまったマナと戦いを繰り広げるカレン。一方、アランとエルフナインは、集から驚きの事実を告白される。
次回[望まぬ戦い、その果てに]
次回もお楽しみに!