更新できたらいいなぁ
木々が半ばよりへし折れもはや緑という緑が破壊尽くされた、かつて森があったであろう場所に一人の巫女が立っていた。そしてその周りには角が生えた人型の残骸、潰され原型をとどめていないかつて人間だったであろうものが転がっていた。
「やっと…終わったわ〜」
一人呟く巫女。その巫女の様子からまるでこれが彼女の日常かのように感じられる。ひと仕事終わった彼女が帰路につこうとした時空間が縦に裂け中より金髪の美女が現れる。
彼女の纏う空気が妖艶で男、女問わず惹かれるだろう。
「靈夢…ありがとう。これでやっと幻想郷が作れる」
その素直な言葉に巫女は驚き目を点にする。
「へぇ〜、アンタが素直に礼を言うなんて珍しいわね。空から槍でも降るんじゃないかしら」
サバサバとした雰囲気のままいう巫女は静かにそう呟き。警戒を解き背を向ける。
「これで全部終わり…あとはアンタが頑張る方よ紫」
そう言い残し静かに歩みだす巫女。しかしこの瞬間巫女の背中よりブスリという肉を貫く音が響いた。そしてそれとともに巫女の口より赤い液体が吹き出される。
「な…んで……?」
その言葉に顔を歪ませ嗤いながら紫は答える。
「ごめんなさい靈夢。あなたみたいな化物を私の楽園に残すわけにはいかないのよ。でもここで殺されても自業自得よね?」
ヤメろ
「だってあなたは」
ヤメテクレ
「全てを裏切ったのですから」
あぁ…
「だから私に裏切られて当然でしょう?」
その言葉とともに靈夢の心臓は潰され静かに意識を閉ざしていく。
こうして全てを裏切った巫女と妖怪の物語は終わりを迎える。
闇の中で彼女が望んだのはただの静寂だった。ただ目の前に差し伸べた手を取り合える。そんな世界が欲しかった。だが彼女はどこまでも化物だった。妖怪でもなければ神でもないただの人間はただ強かった。それだけで彼女を取り巻く世界は歪んだ。霊力の高いせいでその匂いにつられ妖怪に襲われ。神の神力に匹敵する濃度の霊力のせいで神々からは迫害を受け。その強さから人間からは恐れられる。もはや世界には彼女の居場所などなかった。だからその魂は輪廻を外れ外へと向かう。もう二度とこの世界に彼女が現れないように。
――地獄――
高級感の漂う紅の部屋で椅子の背もたれに背を預けた女が対面にいる背の低い少女に呟く。
「よかったのですか?彼女を輪廻から外してしまって」
目の前の少女はその言葉を聴き眼閉じ、手に持った笏で口元を隠しながら答えた。
「それは彼女の魂を利用すればよかった…ということですか?答えなさい。死神長小町」
それを聞かれた胸元を大きく開いた女は焦り、手で頭を掻きながら答える。
「いやー…アハハハハ」
それを見た少女は呆れながら言葉を続けた。
「彼女の魂を弄ることなど閻魔にあってはならないことです。…もちろん他の神にも。だからこそ私は彼女を輪廻から外した」
その言葉とともに少女の手に白いもやっとしたナニカが浮かぶ。
「だからと言ってこれはどうしようもないのですが。…でもね小町」
そこで一度言葉を切り椅子に座ったまま上を見上げ答える。
「だからこそ彼女はやり直さなければならない」
その言葉とともに死神は黙り少女は静かに手にあったモノを握りつぶした。
「願わくば、彼女が化物と言われない世界に」