化物靈夢と幻想郷   作:komika

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化物靈夢と幻想郷2

「不満が溜まりに溜まっている」

 

「……そう」

 

慧音は不満が溜まっているらしい…知ったこっちゃないわよ。病院までの道のりで慧音が教師をしている寺子屋での子供たちに対しての愚痴や逆にその子供たちの自慢やら藤原妹紅とかいうやつがどうたらこうたら。とりあへずリア充爆発しなさい。

 

「でなー」

 

「ちょっっ!と、とりあへずこれから行く場所はどんなところなの?」

 

いい加減、自分の精神の消耗が激しくなってきたので途中で話題を変える。

 

「そうだな…まず今から行くところには月から来た月人という人たちとそこに元々住み着いていた兎の妖怪たちで構成されている、幻想郷を担う勢力の一つだ―――」

 

―――ゲンソウキョウ?

最後に聞いたあの言葉。私の唯一の友人から最後に聞いた言葉。私が住んではいけない楽園。なぜ…なんで私を、何故裏切ったんだ。ナゼナゼナゼナゼナゼナゼナゼ――――――

 

「―――おい!君、大丈夫か!?」

 

「えっ?…ごめんなさい。大丈夫よ」

 

靈夢は一旦呼吸を整え、落ち着いて慧音の言葉を思い出す。

 

幻想郷…紫が最後に言っていた言葉。妖怪と人間の楽園。心臓を貫いてないとして内臓はやられたはず。その場合の自己回復の時間に必要な、仮死状態の時間を考えたとしてもそんなにかからないはず。だからこんなに早く幻想郷ができるわけがない。そもそも龍神を私が退治したから土地の霊脈が乱れてそんな状態じゃないはず。だとしたらなんでこんなに早く幻想郷ができているの?…情報が足りなさすぎる。

 

「君、考え事をすると元から怖い顔がより一層と怖くなるな。せっかく元がいいのだからそんな顔をしてはいけないと思うぞ」

 

「ねぇ…幻想郷って言ってたけど、ここはどんな場所なの?」

 

「…あっ!?すまない、説明するのを忘れていた」

 

「………」

 

私はそんな慧音をジーとジト目で見ていたせいで慧音がすこし顔を赤くしながら自分の顔を見られないように私の顔を手で反対側に向けようとする。

 

「あなたよく周りからぬけてるって言われるでしょ」

 

その言葉に反応するようにいままで抵抗していた彼女の手の力が抜ける。どうやら核心をつかれて焦っているようね。

 

「うっ!?そ、それは…」

 

「言われてるのね」

 

この話題をなんとか切り上げようとしているのか彼女は幻想郷の話を始めた。

 

「おっほん…げ、幻想郷というのはな妖怪が人からの畏れを供給できなくなったため作られた、いうならば保護区みたいなものだ。ここは結界で括られた一つの世界なんだ。だから外の常識はここでは通じない。ほら外に妖怪などいないだろう?」

 

「…えぇ、そうね」

 

結界の外に妖怪がいないなんて初めて知ったわ。…へぇそうなのね外に妖怪がいないのね。

 

「で、外来人っていうのは?」

 

「君みたいな、結界がなんらかの影響で歪み穴が開いたときに来る人間のことだよ。…まぁ元人間なども迷い込んだりするけど、でも必ず人間という血が混じっている者のみがこの結界に迷いこむ。ようは君のような人物のことだよ」

 

(まだ私が人間判定をもらえたことに驚きね)

 

「幻想郷はすべてを受け入れる。八雲紫の言うとおり、ここはすべてを受け入れる。例えそれが歪なものでも。だからここは楽園でもあり、同時に地獄でもある」

 

「…すべてを受け入れるねぇ」

 

その言葉を聞いた靈夢は一瞬こんな自分も受け入れていくれるだろうかと思ったが、八雲紫の言っていた最後の言葉を思い出した。

 

(化物の私は受け入れてくれなかったくせに全てを受け入れるだなんて、よくもそんなことが言えたものね)

 

靈夢の目は一瞬普段のやる気のなさそうな仏頂面ではなく化物のそれになっていた。そんな靈夢の様子が変なことに気づいたのか慧音は靈夢の頭を掴む。

 

「ちょっなにをっっ!?」

 

一瞬慧音は溜めを作り自らの頭で靈夢の頭を強く打ち付けた。しかしいたそうにしているのは慧音であり、靈夢はなにごともなかったかのように静かに慧音を睨みつける。

 

「なにしてんのよ」

 

呆れているのかジト目で見つめる靈夢にデコを赤く染め、痛がっている慧音は言い放つ。

 

「君、今ものすごい顔をしていたぞ」

 

一瞬靈夢は目を細める、そして顔を慧音から反対側に逸した。

 

「君と同じような表情をした友人がいる。彼女は自分が嫌いでさらに他の者のことも嫌いだった。だけどそれは愛情表現の裏返しで誰かに気づいて欲しかったんだ。それに一番早く気づいたのは彼女の怨恨対象だったがな」

 

悲しそうに言う慧音の言葉を聴き、なにかを諦めたかのように靈夢は視線の合わない目を地面に向ける。

 

「きっとその彼女は誰にも理解されないほうが幸せよ」

 

「君はっ「だって理解されてしまったら、自分で化物だって認めるようなものじゃない」」

 

思わず胸の奥そこにしまっていた人里にいたころの記憶を思い出してしまい感情的になる。それとともに冷静になれと自分自身に語りかける。だが溢れ出した思いはそれを拒否し言葉を続けた。

 

「自分が…この世界に居場所なんてないって認めるようなものじゃない」

 

俯き気味に答えた靈夢に対して慧音は何も言い返せずただ歩を進めるしかなかった。

 

 

 

 

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