投稿主の心はポッキー並に折れるのでなるべくそっとでお願いしますOrz
古き文化の残る幻想郷の中で現代的な雰囲気を放っている永遠亭。そこらにある椅子やベッドまでが昔ながらのものとは違いどこか科学的ななにかを感じ取れる。そしてそのもっともが聴診器などと行った医療器具があることだろう。その中に異質とも取れる少女がいた。彼女の容姿は古き良き時代の大和撫子を思わせる黒髪と黒眼であり、表情も僅かに憂いを帯びていた。まさしく人に言わせれば彼女ほど完璧な日本美人はいないだろうと確信できるほどである。
「なによこのクソゲー!! ところどころキャラが見切れているわループものなのにその設定が反映されないわスカイツリーからいきなり雷門でここが未来のスカイツリー?!!意味わかんないわよ!!! 」
そう口を閉じていれば完璧なのである。
そして怒りのままに持っていたコントローラーを地面に投げつけ、興奮しているのか肩で息をする。
「こんの! ハァハァ」
暫く彼女は地面にあるコントローラーを睨みつけていたが乱れた髪を整えたあと何もなかったように振る舞い再びコントローラーを手にとりゲームを再開した。
「姫様少しは運動したらどうですか? 」
「えっ永琳!? あなたいつからそこにいたのよ!! 」
永琳と呼ばれた全ての色素を抜き取ったような真っ白な髪をもつ女は和室の襖を開いて黒髪の少女に溜息を漏らしながら口の端から言葉を零した。
「輝夜、あなた最近お腹に肉がついたんじゃない? 」
「う゛ッ」
永琳は急に雰囲気を変え黒髪の少女に近づき服をまくりあげ腹の肉をつまみ上げる。つままれた所が痛かったのか涙目になりながら痛いところをつつかれた輝夜はおおよそ女が出してはいけないダミ声を出し目を逸らす。
「図星のようね」
「なっあ、あ、あなたカマにかけたわね!? 」
「はいはい久しぶりに藤原妹紅も来ているし早く出向いてあげたら? 」
その言葉に先程までのオッサンみたいな雰囲気はどこに行ったのかまるで姫かのような優雅さを
「ちょっとそこの!まるで姫ってなによ私は姫よ! 」
…姫のような雰囲気を醸し出したがその服装は上下赤色のジャージであり非常に残念な仕様となっている。
「よけいなおせわじゃぁぁぁああああああああ!!!! 」
清潔感のある鉄パイプ製のベットと隣と隣を白色の布で隔離され最低限の個人の秘密は守られるように設計されているのが見て取れる。その部屋の中のベットの一つに博麗靈夢は寝かされていた。
「…ん」
少しの気だるさとともに靈夢は目覚め今の状況を理解していないのか周りを見渡しながら脳を活性化させ考える。
「いや…ここどこよっていうかこの柔らかい布団なによ!? 」
その疑問に対して周りに人間がいないせいで虚しく部屋に響く叫び。その状況がより一層靈夢困惑させた。
(周りに気配一つないって逆に恐ろしいわね。いつもは妖怪なりが私の隙を狙ってきて寝ているときに気配が途絶えたことはないから逆に落ち着かないわ)
「あら目覚めてたのね」
「!? 」
目の前の白いシーツを開き気配もなく急に現れた白髪の女性に驚きそれと同時に立ち距離を取ろうとするが足が動かず上半身のみが動きバランスが取れなかったせいかベットからずり落ちた。
「…あなたなにしているのよ」
呆れ半分心配半分でこちらの顔を見ている白髪の女性はこちらに近づき脇を抱えながらベットに上げた。若干その状態が恥ずかしかった、そしてよく考えたら慧音に脇を抱えられながら永遠亭まで運ばれてきたのを思い出し頬を赤める。そして白髪の女性はクスリと笑い口を開いた。
「あら、どこかの誰かさんと違ってあなたは羞恥心というものがあるのね」
そのどこかの誰かさんというのはだいたい予想はつくが面倒なので口には出さず溜息を靈夢は漏らした。その様子をどこか微笑ましい顔で白髪の女性は見る。
「なによ」
「いいやなにも」
目をつむりながらからかうように口にする言葉にイラつきながら相手を睨みつけるが相変わらず面を被ったように笑顔が離れず思わず右手で殴り飛ばしてやろうかと思ったが勢いよく病室のドアが開いたためそちらに視線を向ける。
「あなたね!霊夢に似ているっていう子は」
そこには金の花刺繍の施された洋服と和服の混じったような格好をした馬鹿っぽい女の子がいた。奇妙な格好といかにも私は馬鹿ですと宣言しているような態度に思わず先程のイラつきは消え去り目の前の少女に哀れみの視線を向ける。
「ハッ今馬鹿にされている気がするわ!きっともこたんのに違いないわ!!! 」
そのもこたんという人物は知らないがきっとこの馬鹿相手では辛かろう。そして私の隣にいた女性は静かに少女に近づきアイアンクローにて頭を鷲掴みし持ち去っていってしまった。
「ちょっと失礼するわね。このゴミを捨ててからあなたの診察を始めるから」
「えぇゆっくりしていっていいわよ」
「心の中で合掌し少女が極楽浄土にいけることを祈るしかない無力な自分をお許しください」
いかにも棒読みで心のこもってない言葉だがあれから感じた人とは違う気配から人外と予想をつけ死なないだろうと思っていたが、直前の能面を被ったような表情の女性の顔を思い出し考えをあらためる。
「まぁ…死んだらタダで祓ってあげるわよ」
そして目の前の動かない足が気になり出す。本来靈夢のもつ霊力によって足がなくても飛べるから問題ないはずなのだがなぜか飛べもしないためこんな状況になっている。かといって霊力がなくなったのかと言われればそうではない。確かに自分の中に霊力を感じる。ならば能力がなくなったのかと言われればそれも違う。花瓶を触れようとし花瓶を靈夢の手がすり抜けていく。ちゃんと能力が発動している証拠だ。
「わけがわからないわね」
その時ドアが開けられ、勢いよく開けられたためか壁に叩きつけられ大きい音が響く。そこには兎耳を生やした妖怪がいた。
「えっと…確かウドルゲだっけ? 」
「…うどんげです。まぁいいです今は深くは追求しません。この部屋に垂れ耳の兎のロリババァがきませんでしたか? 」
「見てないわね」
私は返事をし、再度空を飛んでみようとして能力に集中したそのときベットの下より垂れ耳の兎の妖怪が入口の方を必死に笑いをこらえながら見ているのを感じた。
(この妖怪のことかしら)
そう思いウ…う、ウトルゲ?に話そうとする。するとそのことを察したのかベットの下に隠れていた兎の妖怪は一瞬にて窓を開け外に逃げ去った。
「あらほらさっさだわさ」
その声に気づき垂れ耳の兎妖怪のあとを追いかけるウドルゲ(うどんげ)のスカートはめくりあがり中があらわになる。
「待ちなさい!!今度という今度は許さないわよ!!!」
「ブッッッ!!!!」
ウドルゲ(うどんげ)のスカートの中身はなにも履いておらず俗にいうノーパンというやつだった。
そして先程の喧騒が嘘のように静かになる病室で靈夢は呆れ気味に呟いた。
「なんなのよいったい」
だがその顔は迷惑という感情ではなくその逆の感情で埋め尽くされていた。靈夢にとっては誰も自分の本当の姿をしらない空間というのが良かったのだろうかそれともさきほどの喧騒に引きつられ笑ってしまっただけなのだろうかその心情は当の本人にしか分からないだろう。