光の種が都市に降り注ぐ。光と同化したAは、ぬくもりの中にいた。
俺たちの名前を覚えておいてくれ。
降り注いだ種が森となるのを見ることはできない。Aはそれでも満足だった。
彼の魂は上へ上へ、そして、惑星を包む。
そして、彼の残滓は次元の壁を突き破り、別の時間軸に行きついた。
それから時は過ぎ、とある次元航行船には二人の天才が乗り込んでいた。
ひとりはユーノ・スクライア。幼くして魔法学院の修士課程を修了した少年で、スクライア一族の一員だ。
もうひとりはAという青年。彼は次元航行エネルギー駆動炉ヒュウドラの改良を十歳の時点で成し遂げ、さらにTTという彼自身が命名した技術によって、効率的なエネルギー供給だけでなく重要な遺失物の保管も可能となった。それ以外にも多数の分野で成功を収めた彼は万能人と世間からは呼ばれている。・・・・ユーノと違い、魔力はなかったが。そんな二人が乗り込んでいる航行船が事故に巻き込まれた。
この緊急事態に冷静に対応したのはAだった。彼は混乱した船内を冷静な指示で落ち着かせて、最悪の事態を回避した。まるでそれを何度もやったことがあるかのように。
しばらくして、あるロストロギアが船内から紛失したことが判明した。ジュエルシードだ。
Aはすぐさま記録機器から、ジュエルシードが落下したのは第九十四管理外世界地球だということを突き止めた。その時、彼が少し微笑んだのを誰も気づかなかった。
まるで故郷を見つけたかのように、彼は微笑んだのだ。
「仕方がない。俺が取りに行く」
それが違法行為であるということは誰もがわかっていた。そして、それを万能人が言い出した。
「安心しろ。ほんの数日で帰ってこれるさ」
そう言って、彼はその世界に降下していった。これが彼の長い戦いになるとは誰も思わなかった。
そして、ユーノ・スクライアも第九十四管理外世界に飛び込んでいった。
ユーノ自身に関して言えば、Aに対する対抗心も理由としてはあったことだろう。
だが、それ以上に危険なロストロギアを野放しにはしていられないという理由が大きかったというのも言うまでもない。
さて、結論から言えばアインは数日では帰ってこなかった。
ユーノとあの少女との出会いは読者の皆さんはご存知であるから割愛しよう。
問題はAの方である。彼はジュエルシードのことに関しては忘れてしまっていた。
「・・・古代ベルカ語も習っといてよかった」
「・・・ほえー、すごいなあ」
彼は、足が不自由なのにになぜか一人暮らしをしている少女の家に居候していた。
そして、ジュエルシード以上に危険なロストロギアの解析に取り掛かっていた。
なんでそんなことができるかって?Aだからだよ。
「ところでA君はどうして地球に来たんや?」
「あっ」