オリオンの使徒は自分の居場所を探し求め、守る力を欲する 作:凪斗2005
さようなら
FF決勝戦、神のアクアで強化された世宇子イレブンとの試合は前と同じで、前半戦雷門イレブンはみんなボロボロに傷つけられた。
私は前とは違う…助けられる…そう思うといてもたってもいられず更衣室に急いで向かい、予備のユニフォームへと着替えて響木監督に出させて欲しいと頼み込んだ。私の力がなくて助からなかった両親の時とは違い今は力があるから…
あくまでFFは“男子中学生全国サッカー大会”で女子は出られない。響木監督はそれをよく知っていた、でも知っていた上でとても悩んでくれた。その時の、相手選手のアフロディが『選手が今さら1人増えるくらいいいですよ。』と顔は笑顔なのに煽りたっぷりの口調で言われた。
相手からの許可が出たのならいいだろうと響木監督は納得し、行ってこい、そう一言だけ言って私の背中を押してくれた。
今までマネージャーだった女子の選手としての交代に観客に動揺が走る、動揺はチームメイトにも伝染していく。豪炎寺、鬼道、一郎太、守、他のメンバーも驚いた顔をしていた。でも、相原ならやりかねないな、とみんなすぐに笑った。
やっと自分の足でふむことが出来たサッカーグラウンド、前に守ってくれた背中はなく目の前には相手チームしかいない。
…これが守達が見てきた景色。
この試合で私は雷門の逆転への第1歩となる一点を入れた。
そして、雷門は前と同じくFFで優勝して日本一となった。
でも、地獄の始まりはここからだということを私はまだ知らない。
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「し、親善試合試合?スペインと?」
「そうなんだ❕FFで優勝した俺たちが出れるって❕っっっっ、世界ってどれくらいのレベルか今からドキドキするな❕」
知らない…
知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない知らない
そんなの知らない❕そんなこと前にはなかった❕
心がいくら叫んでも顔が、口が、動かない。今酷い表情をしているだろうけど、みんなに心配はかけられないという無意識だったのだろう、表情はすぐに元に戻った。
FF決勝戦後にエイリア学園が攻めてこないから嫌な予感はしていた。でも、親善試合という私の知らない現実がまるで私の存在を否定しているかのように思えた。
私はここにいてはいけないと。
いるべきではない、存在してない、偽物だ…と。
あぁ、ここはやっぱり前とは違って
わたしのいばしょなんてないんだな
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親善試合には一応出たけれど記憶が無い。何をしたのか、どう動いたのか、全く思い出せない。でもひとつ思い出せるのは、世界は今のままの日本じゃ太刀打ちできないということ。
守達は自分のサッカーができて楽しかったみたいだけどやっぱり悔しいらしく最近の練習メニューがきつくなっていた。
そんな時雷門中サッカー部に、全国のサッカー実力の底上げのために強化委員として色々な学校へ行って欲しいと言う趣旨のサッカー協会からの命令と言っていいような話が来た。色々な学校へ行くと言っても学校を転々とする訳ではなく学校を選んで1年間指導を行って欲しいということらしい。守や他のみんなは思いのほか乗り気ならしく早速春奈ちゃんに色々な学校の情報を集めてもらいどこへ行くか話し合っている。
みんなが楽しく話あっている中私はもうどうでも良くて急いで部室を出て家へ帰った。一郎太が帰る私に気がついて追いかけてこようとしたけど、追いつけない速さで帰ったので問題ないかな。
家に着いても誰もいないので只今も言わないまま荷物を置いて部屋へ入る。すると突然携帯電話が誰かから電話が来たことを知らせるようになり始めた。守か一郎太かなっと思って画面を見れば
「ッ、オリオン財団…今更なんで…」
今まで何も連絡してこなかったオリオン財団からの電話だった。急いで電話に応じる。
「相原だな、お前は1度オリオン財団に戻ってもらい正式にオリオンの使徒となってもらう。今、FF優勝校の雷門中にいるのなら強化委員の話は聞いているな。強化委員として王帝月ノ宮中に行け。そしてアレス計画のデータをとってこい、と言っても盗むのではなくオリオン財団の人間として情報を貰ってこい。その情報が手に入り次第こちらに送ってくれればあとは好きに過ごすといい。今まで放っておいてやった仮を返せよ。」
「…………はい、わかりました。」
私は従うしかない。王帝月ノ宮中がどんな所なのかは知らないし、オリオンの使徒の話だってはっきり聞かされたことは無かった。
結局、オリオン財団は私を駒としてしか見てないようで、わかっていたけど虚しい。
施設に戻りオリオン財団の本部へ行きとある手術を受ける。その手術はオリオンの刻印を刻む手術で痛いそうだが、私は何も感じなかった。そして正式にオリオンの使徒として認められ、オリオン財団の指示通り動くために強化委員として行く学校を王帝月ノ宮中を選んで提出した。
私が王帝月ノ宮中に行くと聞いた一郎太や鬼道が心配していたけど、大丈夫、とだけ言っておくことにする。
親善試合が決まった日から守達が私の知らない人に見えて仕方がない、そんなはずないのは頭でわかっていても心が否定してしまう。私の方が“違う”だけなのにな…
「みんな❕次からはライバルだ❕お互い頑張ろうな❕」
みんな行く学校が決まり雷門を出ていくことになった日、守は校門の前でそう言った。それに対してみんな各々の反応を返している。
ごめんなさい…
とってもとっても小さな声でそう言い残し、私は雷門中を後にした。
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王帝月ノ宮中はアレスシステムによって育てられた僕たちは十分に強いので強化委員は来ないものだと思っていた。来たとしても僕の計画の邪魔になるので必要ないと思っていたのに…
「こんにちは。サッカー協会から強化委員派遣されました、相原と申します。元マネージャーですが雷門サッカー部の練習相手になっていたのは私なので力不足では無いと思います。私が皆さんに教えるのは個人個人の技術、テクニックなど個人技の向上です。キツめに教えるのでよろしくお願いします。」
僕と同じように死んだ目をしている彼女は自ら強化委員と名乗る、FF決勝戦で雷門逆転のための1歩を切り出したと言われる相原さんがそこにいた。
「こんにちは相原さん。僕は王帝月ノ宮中サッカー部キャプテン野坂悠馬です。こちらこそよろしくお願いします。」
彼女の個人技はあのひと試合でもわかるくらい素晴らしいものなのはわかっているので、今年のFF優勝のため、アレスシステムの欠点を世界に知らしめるために教えて貰えるのなら申し分ないかもしれない。
だが、いつも雷門の試合の時ベンチで見せていた明るい雰囲気は失われ、明らかに今までの彼女つは違うだろう。そんな彼女にこの計画を教えていいものか…
そう迷いながらも僕は彼女と一緒に施設を見て回るのだった。
次は多分文がとっても長くなる予定です