評価をつけてくれた方。
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すっっっっっっごくうれしいです!!!!!
※12/17 加筆 描写の変更
「あの、すみません。お願いがあるんですけど―――」
右目が毒々しく、赤く染まる。
「エリア11まで、船に乗せていただけませんか?」
私と相手の視線が交わる。
しばらくして、目の前の貨物船の船員は「乗りなよ!」と快諾してくれた。
「…後は他の船員に、私達が降りるまで無視し続けて、とギアスを掛けるだけ……」
「………顔色が悪いな。」
「まぁ、見てて良い気分はしないから……。」
「前にも言ったが、ギアスは力に過ぎない。結局は当人の使い方による。さっきのギアスは、お前が危惧している事にはならない。」
「……うん、分かってる。」
現在、私達が居るのは中華連邦の東側に位置する港。
ここから船に乗り、海を越えれば、エリア11……つまりは日本に着く。
嚮団から逃げ出して2年近く経ち、ようやくここまで来た。
ここの港にはブリタニアからの追手の姿は無い。
そもそも、中華連邦の領土内。さすがに他国の領土、しかも人が集まる港だ。居たとしても、派手に動けないだろう。
「…………。丁度、エリア11へ向かう船があって良かったな。ブリタニアの領土に入るまで、一先ず安全だろう。」
「この船の行き先が軍港じゃないのも良かったね。」
エリア11に本社を構える、貿易会社の船だ。
行き先は、キュウシュウ。フクオカ租界の漁港。積み荷は魚らしい。
「あまりここに居て、私達を知る者に見つかっても面倒だ。早いとこ乗り込むぞ。」
期待はしていなかったが、やはり、客船とは程遠い。
人が寝泊まりする区画は、最低限必要な広さに設定されてるようだ。
狭い通路を通り、船員用に用意された空き部屋に入る。
ベッドが1つ。他には何も無い。入り口の近くに、簡素なシャワールームだけがある。
それだけが幸いだった。
部屋を見てC.C.は、ほう…と小さく呟いている。
「…しかし、こういう船にはナイトメアは乗ってないんだな。私が乗ったことある船には大体居たが。」
「
ナイトメア―――正式名称「KnightMare Frame」
意味は、騎士の馬たる機体。
元々は医療現場や災害現場での活躍を想定されていた、4m~7m位の人型機動兵器。その圧倒的な機動力と制圧力により、今までの兵器の常識を覆した。
日本進行の際に、初めて実戦投入。それ以来、ブリタニアの主力兵器として運用されている。
当時の日本からすると、まさしくだっただろう。
閑話休題
つまり、この船は安全ということだ。
……久し振りの休息だ。
「ふわぁ……。」
気が抜けて、ついつい欠伸が出てしまった。
ベッドに腰を掛けると、身体に倦怠感を感じる。
疲れているらしい。
「エリア11に着くまで時間あるし、寝ていい?」
「……誘っているのか?」
「へ?」
なぜ、そうなる。
「ここ数日、安心して身体を休めることが出来なかっただろう?つまり、私は溜まっている。」
相変わらず淡々と彼女は告げる。
分かるようでわからない。
「そうは言っても、
彼女の綺麗な顔が、目の前に。
お互いの息が感じ取れるくらい、近い。
「………………」
しかし、表情が、物語っている。
目の前にいる彼女は、蠱惑の笑みを浮かべている。
「え、えーっと、貴女が、その。その気になると…ね。身体が休まらな………。え?あ、待って。ちょ、んっ……
そうして私は、彼女に頂かれた。
◇◇◇
「なんだまだ夜中か。」
脚を絡ませ、私の身体にしがみつきながら眠るアルカを起こさない様、私は小さく呟いた。
まだ日本には着かないし、このまま朝まで寝てて良かったのだが、目が覚めてしまった。
(すぐには寝れそうにもないな……。)
内心、溜息をつきながら私の腕に抱かれ、幸せそうに眠る幼い少女に目を向ける。
陶器の様に白い肌。淡いクリーム色をした穢れを知らない髪。
目を閉じているため、今は見えないが宝石のような綺麗なアメジスト色の瞳。
触れれば壊れてしまうのではないか―――。そんな儚い印象さえ受ける。
「どうか、お前だけは変わらないでくれ。」
私はそう願いながら、彼女の形の良い小さな頭を撫でた。
「ん……
彼女は口角を僅かに上げながら、か細い声で私の名前を口にした。
起こしてしまったと思ったが、寝言だったようだ。
夢の中でも私と一緒に居るのか?―――自然と口元が緩む。
アルカが私に対して依存しているのはわかっている。
しかし、私も同じように、いや。彼女以上に依存してしまっている。
「私が一人の人間に執着するなど何時ぶりだろうな?」
私の疑問に答える者はこの場には居ない。
頭では理解はしているが思わず口に出してしまった。
(思えば、もう長い付き合いになるな。)
アルカと初めて会った日の事を思い出す。
初めて会う私を警戒し、マリアンヌの後ろに隠れていた。
アルカの面倒をみてやってくれ、と言われた時は、正直面倒に思った。
何故、私がこんな事をしなければならない、と。
………まぁ、マリアンヌの頼みを、断る筈は無いのだが。
そうして、共に過ごしていく内、あることに気付いた。
アルカはマリアンヌに対して、苦手意識がある、と。
聞けば、時々向ける彼女の視線が怖いこと、自身に対するスキンシップが少ないこと、が理由だそうだ。
しかし、アルカ自身は、マリアンヌ事を嫌いでは無いし、尊敬の念はあるという。
つまりは、苦手意識が邪魔をして、距離感が掴めない、という事だ。
だから彼女は、マリアンヌからの愛情を待っている。欲している。
しかし、マリアンヌがアルカの想いに、気づいたところで何か変わるだろうか。
マリアンヌ自身が子に対する愛情を持ち合わせているか、正直微妙なところだ。
愛情が欲しいが、母を信用しきれず、甘えることが出来ない……
それが当時のアルカだ。
マリアンヌは段々と、アルカが私の元に居る時間を増やしていった。
最初のうちは、戸惑っていたアルカも、数を重ねるにつれ、私に懐いていった。
そんな彼女からの私に向ける感情は、表裏の無かった。眩しいほどの好意だった。
「私、C.C.の事、大好き!ずっと一緒に居たい!」
そんなありふれた言葉が、今も私の心に残り続ける。
恨み、妬み、憎悪などの感情を向けられたことは数えきれないほどあるが、こんなに純粋な気持ちを向けられたことは今まであっただろうか。
氷の様に冷たくなっていた私の心が、彼女によって溶かされていく様な気がした。
「純粋な好意というのはこんなにも心地の良いものなんだな。」
少し心が軽くなったような気がした
モノクロだった私の世界は、彼女を中心に色付いた。
・
・
・
自分自身の願いを優先し、人の人生を食い物としてきた
変ったわね、
頭の中で誰かがそう言った。様な気がした。
もう一度アルカの方に目を向ける。
私の欲を小さい身で受け止めた彼女は朝まで起きることは無いだろう。
年齢に釣り合わない刺激を与えたのだ。無理もない。
「何回聞いたかわからないけど、あなたってロリコンなの?」
また頭の中の誰かが私にそう言った。
うるさい、黙れ
心の中で悪態を付き、頭に響く声を無視することにした。
アルカの幼いながらも整った顔に視線を向け、優しさを込めて私は呟く。
「
私は幸せそうに眠る幼い少女の額に唇を落とし、身体をより抱き寄せて再び眠りについた。
15歳のアーニャがラウンズ勤めている世界だし、10歳でもナイトメア乗れるでしょ(適当)