一体いつ原作に入るのか私にもわかりません。
もし需要があるなら情報整理用に主人公の簡単なプロフィールと年表を作ろうかと思っているのですが、いりますかね?
私は現在、ゲットー内の廃ホテルの中で傷の手当てをしている。
旧日本で言う所の北九州辺りだろうか。
ようやく追手を振り切った私は身体を休める為にブリタニア軍もイレヴンも居ない所を探していた時、このホテルを見つけた。
今にも崩れそうでお化けが出てもおかしくない外観。中も荒れ放題だし、部屋によっては血痕が残っている。ブリタニア軍人が気まぐれでイレヴンを殺しに来たのだろうか。
お世辞にも人が寄り付く様な場所ではなさそうで私には打って付けだった。
幸い水は使えるみたいだ。
「…つっ…………」
肩や足を掠めた弾丸によって出来た傷、走っている時に出来たであろう切り傷等を一つ一つ水で洗い、ホテルの部屋にあったカーテンを傷に巻き応急処置を施していく。
追手を完全に振り切る前は止血程度しか出来なかった為、こうして手当てする時間が確保出来たのはとてもラッキーだ。
応急処置が終わり、思考を今抱えている問題へとシフトさせる。
「本州に向かうためにはブリタニアが管理する道路か交通機関を使う必要がある…か………」
そう、海を渡る手段が無いのだ。
最後に私を追ってきた軍人からギアスで聞き出した情報だ。
本州へ渡れる道路は全て軍により管理されており、使用できない。
交通機関に関しては、私を捕縛する為だけに警備を強化しているらしい。顔も割れているという。
「一般人を装うにも……」
バレる可能性が高い以上取るべき選択ではない。
「ん、ダメだ。頭が上手く働かない」
そういえばここ三日間寝る暇なんて無かった。
今頃になって自分の身体が休息を求めているのに気が付いた。
「いくら考えても解決策浮かばないし、今は寝ようかな」
身体を横にして目を瞑る。
身体は休息を求めている筈なのになぜか眠れない。
瞼の裏に浮かぶのは
改めて考えてみれば常に追われている状況の中、唯一心を落ち着ける事が出来る存在が彼女だった。
寝るときはいつも彼女の腕の中。起きたら目の前には芸術作品の様な端正な顔が必ずあった。
しかし今はそれが無い。そう考えると中々寝付くことが出来なかった。
私は寝ることを諦め、身体を起こす。
彼女が居ないと満足に寝る事すら出来ないのか。自分自身に呆れ、苦笑をする。
最低限の戦力、組織的な連携、情報……準備すべきものは沢山ある。
「まずは落ち着ける環境を確保しないと…………ん?」
コツコツコツ複数人の足音と微かな話声が聞こえる。
「お…ぎ…こんな………にある……かぁ?」
「わから…い……みんな…物資を………持ち帰………」
「たま…夜中に……大きい声……のやめてよ」
段々声がクリアになっていく。こっちに近づいてきている証拠だ。
私は音を立てないよう、そっと銃を取りドアの傍に身を潜める。
入ってきた瞬間に銃を突き付け、人質を取るためだ。軍人だったらすぐにでも射殺するところだが、話し方的にイレヴンだろう。
イレヴンは仲間意識が強く、身内には甘いと聞いている。人質を取るのが一番効果的だろう。
ガチャリと向かいの部屋の扉を開けた音が木霊した。どうやら一部屋ずつ確認している様だ。
「この階最後の部屋ですね、扇さんこの後どうします?」
「なぁ扇ぃ、もうねみぃし帰ろうぜぇ~」
「あ、ああ、そうだな。もう遅いし今日は切り上げるか」
声がハッキリと聞こえた。どうやらもう目の前に居るらしい。
男二人に女一人……女は声の感じ的に大人ではなさそう。
男のどちらかを人質、もう一人をギアス。女は…まぁ放置でいいだろう。
私が取るべき行動のパターンをいくつか頭に浮かべているとドアノブが回り、扉がゆっくりと開いていった。
大柄な男が部屋に入ってきた。私は素早く男の頭に銃を突き付ける。
「動く…「扇さん!!!!」
言葉を言い切る前に私の持っている銃が取り払われた。
(はやっ………!)
想定外の出来事に私は距離を取る。もう一人の男によって阻止されたとばかり思っていたが、どうやら女によって取り払われたようだ。
大柄の男ともう一人の男は思考が追い付いていないようで呆然としている。
距離を取った私はすかさずギアスを発動しようと女の方に視線を向ける、が――――。
私が距離を取ったと同時に詰めてきていたらしい。考えていたよりも女との距離が近く、ギアスをかける暇がない。
「しまっ―――」
あっという間に女に押し倒され、腕を拘束された。
「何者よ、あんた!?」
女が私に問いかける。
女にギアスをかけようと女の顔を見つめる。さっきまでは暗がりで見えなかったが距離が近くなったことによって見えてきた。
強い意志を持った目、日本人離れした白く端正な顔立ち、癖のついた赤い髪―――。
「ブリタニア…人……?」
ギアスの事を忘れ私は思ったことをそのまま口にした。
「あんなやつらと一緒にするな!!私は日本人だっ!!!」
物凄い剣幕で怒鳴られた。
容姿は明らかにブリタニア人だが、本人の否定っぷりからハーフ、もしくはクオーターの可能性が高いな。
赤い髪の女に押し倒されながらそんなことを考えていると、
「おい、カレン。大丈夫か?」
私が最初に銃を向けた男が赤い髪の女――カレンに話しかけてきた。
確か扇と呼ばれていたか。
「私は大丈夫です、扇さんこいつどうしましょう?」
会話の内容的にこの扇という男がリーダーなのは間違い無いだろう。
全体的に歯切れの悪い物言い、銃を向けられた時の反応の鈍さを考慮するとギアスを使うまでもなさそうだ。
ギアスは一人の人間に一回しか使えない、使わずに済むならなるべく使いたくはないものだが……。
「んなこと決まってんだろ、扇に銃を向けたんだぜ?ブリキに遠慮することなんてないだろ」
もう一人の男が口を挟んだ。短絡的な物言い、チンピラの様な見た目。何も考えて無さそうな声音。
この男に対してもギアスを使う必要は無さそうだ。
問題は―――
「あんたは黙ってて玉城。私は扇さんに聞いているの」
私を組み倒しているカレンと呼ばれる女だ。
人並外れた身体能力。ぶれることが無さそうな強い意志。頭もそこそこ回るのだろう。
この場で一番厄介な存在である。
さて、どう切り抜けるか――――
「どうするって言ってもなぁ……明らかにまだ子どもじゃないか」
扇さんが動揺を隠しきれない様子で小さく呟いた。
私は組み敷いている少女に目を向ける。
陶器のような白い肌、穢れを知らないクリーム色の髪、強い意志を秘めたアメジスト色の瞳。
触れたらすぐに壊れてしまう様な、そんな儚い印象を受ける。
確かに扇さんが言う通り、幼い少女だ。歳もまだ9歳、10歳くらいだろう。
しかし、そんな見た目の少女だからこそ私は警戒心を強める。
銃を向けた時の迷いの無さ、銃を取り払った後の判断の早さ。そしてなにより、
(拘束されているというのに焦っている様子がない……)
仲間がいる様にも見えない、武器を隠し持っていることも無さそう。
少女は静かに私たちの会話や動作を観察している様子だ。正直言って気味が悪い。
少女と目が合う。吸い込まれそうなアメジスト色の瞳、彼女と目を合わせているだけで
「っ………」
ここにきて初めて少女が顔を歪めた。
どうやら傷が開いてしまったらしい。肩や脚の辺りから鮮血が溢れ出てきている。
「ケガをしているじゃないか!!」
扇さんが焦った様子で少女に話しかけた。元教師というのもあって純粋に彼女の事が心配なのだろう。
「おい、扇ぃ。まさか助けるつもりなのか? お前に銃を向けてきたんだぞ!! それにガキつってもブリタニア人じゃねぇか!ほっとけよ!!!!」
玉城がイラついた様子で声を荒げた。
玉城の言い分にも一理ある。相手は私達を蹂躙したブリタニアだ。それにそもそも手を出したのは彼女からだ。
しかし――――――――。
「す、すみません……が…、どいてくれ…ませ、んか……? 危害、は……加えませんので……」
「追われている身でして、気が動転していたんです」と少女はか細い声で呟いた。
どうやら訳ありらしい。扇さんの方へ視線を向けると、彼は小さく頷いた。
「わかったわ……ただし完全に自由にするわけにはいかないから」
「重々承知しております」、と少女は私に続けて口にした。
後ろで玉城がギャーギャー騒いでいるけど、リーダーは扇さんだ。
私は組み敷いている彼女からゆっくりと身体を離す。
少女は慣れた手つきで開いた傷口の応急処置を行い始めた。どうやら本当に抵抗する気は無さそうだ。
「それで、君は何者なんだ?追われている身と言っていたが………」
扇さんが少し警戒心を含めながら問いかける。
少し間を置いて少女がポツリポツリと話し始めた。
未だに少女に対する気味の悪さは拭えない私は、彼女の一挙手一投足を漏らさず観察しながら耳を傾けることにした。
ルルーシュとナナリーの妹らしくキャラを作っていってるつもりなんですけど、出来ているかな……
ルルーシュらしさとナナリーらしさを加えつつ、アルカというキャラを独立させるのが難しい……