ありふれない錬金術師で世界最強   作:ALEX4

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暑い。ひたすら暑い。
こんな時はガリィちゃんに氷を作って冷やして欲しい。


感想欄で致命的ミスの指摘がありましたので一部修正しました。


第七話

「ここで150階層目か」

魔物の死体やキャンプ跡、足跡などを頼りにキャロルはオルクス大迷宮の150階層目・・・奈落の底から50階層に辿り着いた。

「ここにも魔物の死体、それも同時に二体か。扉の両脇を見るに、ここの部屋を守っていたようだな。中には何があったかは知らないが」

キャロルは知る由もないが、かつてユエが封印されていた封印部屋に入る。

「何かを保管していたのか?無意味にこんな大きな部屋を作るはずがない。まぁ、ちょうどいい。今日はここで休ませてもらおう」

扉のあった場所を地面を隆起させて塞ぎ、軽い食事を取る。

「しかし、手が足りん」

魔物が強くなってきているため、ノイズと違い位相差障壁が弱いアルカ・ノイズに通用する攻撃をする魔物が増えてきた。

ハジメと思われる存在が進んでいる痕跡から次の痕跡を見つける際に分かれ道などがあった場合、足元が岩場で足跡がなければ流石のキャロルも直感で進み、痕跡が見当たらなければ引き返し別の方向に進み痕跡を見つけると言った作業が負担となってくる。

アルカ・ノイズは元々護衛や攻撃の為に作っているから探索には不向きだ。

「どうせ地下に進むしかないからな。ここにしばらくいても問題あるまい」

キャロルはある事を決め、その目的のために数日間この部屋で過ごすこととなった。

 

それから更に日は進み。

「次で200階層目か。さっき見かけたキャンプ跡の肉のこびりついた骨は比較的新しかった。それに150階層を発ってから足跡が一つ増えている。こんな地の底に住んでいる奴がいたとしても同行する理由が薄い。何者かが封印されていて行動を共にしているのか?ああ、考えても分からん。ハジメとそいつを見つけるのが手っ取り早い」

キャロルは階段を降りてゆく。

コツコツコツ。

カツカツカツ。

その足音は二つあった。

 

 

 

 

遠くから発砲音や戦闘音が微かに聞こえる。

時折り、咆哮のような叫び声も聞こえる。

「近いな」

200回層に到達し、通路は人工的になっている。

通路が途切れ水が溜まっている場所などがあったがそんなものは障害にもならない。

キャロルは通路の角を曲がり、装飾の施された扉を見つける。

やや半開きになっており、先ほど発砲音が途絶え咆哮と攻撃音が聞こえ続けている。

キャロルが扉を潜るとそこは広大な空間だった。

 

 

クルァァァァァンッ!

 

無数の首を持つ魔物、ヒュドラが雄叫びを上げた。

それは目の前の弱った魔物を見ての歓喜の咆哮か、それとも圧倒的強者の存在を感じ取った警戒と嘆きの叫びか。

本来であればハジメの攻撃で残り一本になっていたヒュドラの頭。

しかし不運にも回復を担う白い頭が辛うじて生き延びたことにより、ハジメが重傷を負いユエが応戦する間に回復を果たしてしまっていた。

神水で回復したハジメがドンナーを手に構える。

ハジメはまだキャロルに気付いていない。

 

 

クルァァァァァンッ!

ヒュドラが雄叫びを上げ、攻撃態勢に入る。

片目が潰れ顔の半分近くが血に塗れたハジメが応戦を開始しようとした時だった。

 

ガンッ!

クルァァァァァンッ!

 

何かが高速でヒュドラの頭に当たり、ヒュドラは仰反る。

ヒュドラの頭の一つに当たった物体が落下する。

チャリーンッと、金属音を立てて床をコロコロと転がるそれはハジメの足に当たり止まる。

「これは・・・コイン・・・?」

ガンガンガンガンッ!

クルァァァァァンッ!

連続してぶつかる音とヒュドラの叫び声。

「なんだ一体!?」

ハジメの頭上を人影が通過する。

「派手に魔物退治と行くッ!」

細身の女性に見えたそれはキャロルの配下の一人、150階層でキャロルによって探索の補助の為に先行して組み立てられた自動人形(オートスコアラー)、終末の四騎士の一人であるレイア・ダラーヒム。

無数のコインがその手から放たれ、コインがヒュドラを囲む。

一発のコインが高速で放たれ、他のコインと接触。

そのコインは次のコインに、そのまた次のコインと連鎖反応的にぶつかり合い、その全てがヒュドラに直撃する。

跳躍したレイアがヒュドラの進行方向の床に放ったコインは床に当たるとそこを起点に床を突き破り黄色の水晶の柱が乱雑に現れ、ヒュドラの行く手を阻む。

「な、なんだぁ・・・!?」

壁や瓦礫を足場に跳躍しヒュドラを翻弄していたレイアがカツンッと小気味いい音を立ててハジメとユエの前に立つ。

「この男女の識別不明。マスター、ご指示を」

今のレイアにキャロルがインストールしたハジメの外観情報はハジメが奈落の底で変貌を遂げる前の物であり、ほぼ別人だからだ。

「今は保留しろ、オレが聞き出す」

背後から近付く声と気配を感じ、ハジメとユエは後ろを見る。

身長はユエと同じぐらいだが、被っている尖った帽子はハジメの身長に達するほどであり、どこか古風な感じのする民族衣装の様な感じのする服を着ている(GXキャロル初登場時の服装と同じ格好)。

 

クルァァァァァンッ!

 

水晶を破壊する音とヒュドラの咆哮がする。

「マスター、処理しますか?」

レイアがヒュドラの咆哮に水晶の向こうのヒュドラの影を見ながら聞く。

「いや、オレがやる」

キャロルは宙に浮くと両手を上に上げる。

キャロルの背後に青、赤、緑、黄の四元素(アリストテレス)の紋様が浮かび上がる。

「無詠唱の上に四属性・・・同時だと・・・!?」

だがすぐに違和感。

ハジメの魔力感知には一切の反応が無い。

「雑魚が、消し飛べ!」

紋様から放たれた力はヒュドラを飲み込み、消えた後には頭がバラバラに床に落下し、胴体の残骸とも言える肉塊の他には赤い塵が微かに舞っていた。

「「い、一撃・・・」」

ハジメとユエは唖然とした。

「お見事です、マスター」

「あのような雑魚、造作もない。さて、では続きと行こうか」

ハジメの残った目にキャロルの顔がハッキリと見えた。

その聞き覚えのある声に特徴とも言える尊大な口調にすぐにキャロルに思い至る。

「お前・・・まさかキャロルか・・・?」

「お前、どうしてオレの名を知っている?いや、待て。その声・・・見た目がかなり変わっているが、南雲ハジメか?」

「あ、ああ・・・」

「それで、この女は?」

「ああ、ユエだ。一緒に行動している・・・」

フラっとハジメがふらつき、倒れた。

「ハジメ!?」

「色々なことがありすぎて、流石に疲れた・・・。少し休ませてくれ」

「よく頑張りました」

「レイア、男の方は南雲ハジメの情報に上書きしろ。女の方はまだ情報が少なすぎる、保留しておけ。もしもの時は自衛の範囲で攻撃を認める」

「了解しましたマスター」

「それで、お前たちはどうしてここにいる?」

ハジメから答えはなく、様子を見れば身体的ダメージと疲労が蓄積したのか意識を失っていた。

「仕方がない。レイア、南雲ハジメを担いでくれ」

キャロルの指示に即座にレイアはハジメを担ぐ。

「おい、お前。休息を取れる場所に心当たりはあるか?」

「え?う、うん。ここ、反逆者の住処だと思う。さっきのがここを守っていたのなら、あっちの扉の向こうにもしかしたら・・・」

「そうか、では行くとするか」

ハジメを肩に担いだレイアと戸惑いを隠せないユエと共にキャロルは反逆者の住処へと進んだ。




この世界で最初に作成したオートスコアラーはレイアさんとなりました。
土属性だしちょいどいいと思った。


上の方でガリィちゃんに氷を作って欲しいとか思ったけど、ガリィちゃんの性格だと全身氷漬けにされそうwww
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