一つの箱の物語   作:ミカりん

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今回は息抜きの日常回です
たまにこういうシナリオがあってのポポロクロイス物語ですので
後半戦の前に戦闘なしの話を一つ。

普段活躍していなくて主人公(笑)状態だった翔太が久しぶりにメインになります
半分大神さんに主人公取られてるから仕方ない
(ただしサクラ大戦原作じゃないけどね、この作品)


小さな平穏

 ~墜落したミカサ・甲板~

 

 翔太は最近退屈していた。

 その理由は自分でもわかっていた。

 

「俺って普通に強くなりすぎたんだよなぁ」

 

 翔太がそう言ってスカウターで自分の戦闘力を測ってみた。

 スカウターがさした数値は92000であった。

 

「これで20倍界王拳で気功砲を使うんだから瞬間的に出せるパワーはこんなものじゃない。更に瞬間的に50倍くらいまでなら出せることを考えるともう俺が勝てないのはべジータさんの世界の人たちくらいなんじゃないのかな」

 

 そう言うと少し翔太はべジータに休むことを告げて少しミカサ内部を散歩した。

 外は既に飛び回っていたためにある程度地形はつかんでいるがミカサ内部は実はあまり行動していないため興味があったのだ。

 

「これがミカサの内部、ねぇ…改めてみるといいな。」

 

 翔太はそう言って楽しく歩いていた。

 途中でアイリスに会ったのでアイリスがその後案内してくれた。

 

「ねぇ、ちぃ兄ちゃんってどんなせかいからやってきたの?」

 

 アイリスはそう質問した。

 

「俺かい?俺は…戦いのない平和な世界からやってきたんだ。アイリスみたいな霊力もない、べジータさんみたいに生身で空を飛ぶ人もいない、大神さんみたいに真剣を扱う人もいない。更に言うなら魔法の類だってない、そんな何もない世界から俺はやってきたんだよ。」

 

 翔太はかつて来良学園に通っていた頃を思い出しながらアイリスに自分の世界のことを話していた。

 すると、そんな中医務室の前を通りすがったとき中からうめき声が聞こえてきた。

 

「誰だ?さくらさんではないようだけど…」

 

 翔太はアイリスにここにいるように言うと中に入っていった。

 医務室の中でさくらはまだ眠っていたが、どうやらさくらの声ではやはりなかったようだ。

 

「そういえば俺も氷の魔王を倒したとき力を使い果たして半分気を失いかけていたから覚えてなかったけどあの時二人くらい助けていたんだっけ。」

 

 ふと氷の魔王のことを思い出した翔太は声がする方向へ歩いていった。

 

「ここは…どこだ?」

 

 男がどうやら目を覚ましていたようだ。

 大神たちがジョリーのリゾートからまだ帰ってきていないこともあり翔太がそのまま応対した。

 

「ここは空中戦艦ミカサの医務室だよ。あんた名前は覚えているか?」

 

 翔太はそうたずねた。

 

「俺は…俺はラディッツだ。」

 

 男はラディッツと名乗った。

 翔太はなるべくポーカーフェイスを心がけたため表情には出さなかったが内心とても驚いていた。

 

(ラディッツさんって…確かべジータさんの話に出てきた弱虫ラディッツ!?それでも当時の地球人にはとても単体では立ち向かうことすら出来ない強さを持っているあのラディッツさんがどうして氷の魔王の居場所に…)

 

 そう考えていたら後ろからべジータがやってきた。

 

「さっきから覚えのある気が感じられると思ったらお前かラディッツ。」

 

 べジータは気づいていたかのように話しかけた。

 

「べ、べジータ!?お前どうしてこんなところに!!」

 

 ラディッツは驚きを隠せてはいなかった。

 

「それはこちらのセリフだ…あの時確か貴様はカカロット共々殺され生き返ることはかなわなかっただろう。地獄から生き返るとは思わなかったぞ。」

 

 そしてラディッツとべジータが話を続けた。

 どうやら地獄でも同じような状態になり、その際にサイヤ人としての強さをヤブーたちに利用されていたようだった。

 

「なるほど、あのヤブーとかいうやつらは俺たちサイヤ人の潜在能力を見抜いて1番手ごろなラディッツを連れて行ったらしいな…もしこいつじゃなくてべジータ王などだったら恐らく戦闘力は更に上まり翔太では倒すことすらできなくなっていただろう。」

 

 そしてラディッツと三人で話した結果、このまま回復を待ってラディッツも仲間に加わることになった。

 ただし、何かよからぬことをした場合べジータが即座に粛清するという条件付でだった。

 

「ラディッツ、ついて来い。このままでも出来る貴様のトレーニングをしてやる。」

 

 そういうとべジータはまだリハビリもままならないラディッツを連れていつもの場所へと連行していった。

 もう一人搬送されていたが覗いてみたらまだ目を覚ましていないらしいのでおとなしく医務室を後にした。

 

「あ、ちぃ兄ちゃんおかえり!!」

 

 アイリスはどうやらずっと待っててくれていたようだ。

 そしてまた2人で歩き出した。

 

「そうそう、俺の住んでた町には絶対に関わってはいけない人がいたりしてな…」

 

 そんな 楽しい時間も突然の艦内放送で終わりを告げることになった。

 

『緊急警告!!緊急警告!!本艦隊に敵襲あり!!繰り返す、敵襲あり!!花組隊員及びそのほかの戦士たちは至急作戦会議室まで集合せよ!!』

 

 アイリスと俺は急いで向かった。

 そして遠征に出ておらず更に戦える状態にあるものはべジータたちの他は全員集合していた。

 

「ようやく来たわね…あなたたちの話にあった氷の兵士たちが再び攻め込んできたの。隊長が戻るまでミカサはなんとしてでも持ちこたえないといけないわ。」

 

 そして、更に絶望的な報告が出た。

 

「大変です!!既にミカサ内部に氷の兵士の侵入を許しています!!数はおよそ50、残党集団が全力で攻め込んできた模様!!」

 

 こうなっては作戦も何も存在しなかった。

 

「ここの守りは巴里華撃団の人たちに任せるわ。翔太くんは外の見張りをお願い。白騎士さんとデクスさんに紅蘭の護衛を、レイヴァンさんやヒーニアスさんたちは医務室を守ってください。私はここに残って指示を出します。」

 

 そしてマリアの指揮の下作戦が実行された。

 結果はというと、大した被害もなく駆逐されたようだった。

 外には誰もいなくて戻ったときには既に敵が全滅していたからだ。

 

「まったく…人騒がせな奴らだな…ん、大神さんたち戻ってきたかな?」

 

 そして、傷だらけの大神たちを見つけた翔太は真っ先に医務室に連れて行った。

 

「こりゃまたしばらく攻略長引きそうだなぁ…久しぶりにゲームでもするかな。」

 

 そして翔太はべジータと共同で使っている部屋に向かった。

 部屋といってもミカサの施設ではなく屋外に設けられた外の部屋である。

 

「えーっと、確か俺のリュックサックの中に…あった!!」

 

 翔太は昔からずっとやっていたゲームボーイアドバンスを取り出した。

 入っているゲームはポケットモンスターエメラルドである。

 

「確か使える単三乾電池があったよな…よし、これで遊べる!!」

 

 そして翔太は久しぶりにポケモンをプレイした。

 なんだか、少し前の自分のことを思い出して少し泣いてしまっていた。

 

「俺も…確かにアニメやゲームのキャラクターみたいに強くなったけど…元の世界に帰りたくなってきたよ」

 

 翔太は昔のことを思い出して涙ぐんでしまっている。

 そんなところにピエトロ王子がやってきた。

 

「どうしたの、シントくん?」

 

 ピエトロ王子が優しく声をかけてくれた。

 そして今の気持ちをこっそりと話した。

 

「そうか…僕もね、そうなるときがあるよ。」

 

 翔太は驚いた。

 かつて氷の魔王や夢幻魔王イド、女神マイラを倒してポポロクロイス王国を救ったあのピエトロ王子がそういうのだから当然である。

 

「僕は、お母さんがいなかったんだ。氷の魔王との戦いはお母さんを助けるための冒険でもあったんだ。だから、今もお母さんに会えなくて寂しいときもあるんだ。シントくんも、同じようなものだろう?」

 

 翔太はうなずいた。

 母の作ったうま煮をまた食べたい。

 父と一緒にゲーセン巡りをして恥ずかしいと怒られたこともあったっけ。

 露西亜寿司に食べに行ったときは面白い店員さんがいたこともはっきりと覚えている。

 

「きっとそれが、シントくんの力になる日が来るよ。僕だって、ポポロクロイスの人たちを守るために今こうして頑張っている。ナイトメアが今度は何をするかわからないしシントくんにもきっと事情があると思う。だから、僕たちで頑張っていかないと。」

 

 そうしているうちに夕方になっていた。

 クルクルやまの夕景はとても美しかった。

 

「じゃあ、僕はナルシアたちと話してくるよ。ジルバがここにいることがわかったからね。シントくんも無理しないで。」

 

 そしてピエトロはミカサに戻っていった。

 翔太は絶えずバトルBGMがかかっていたポケモンを少しだけやってすぐセーブして電源を切ってリュックに戻した。

 

「俺も頑張らなきゃな、帰ったら露西亜寿司にまた寿司を食べに行きたいな」

 

 そうしているうちに夕飯の時間になった。

 ミカサでは決まった時間に夕食が出され、食材に関しても野菜が豊富にあるので問題はなかった。

 肉類がどうしても少ないのはこの世界では野菜は採れても肉は希少なものだったからだ。

 

「はい、ピエトロ♪あーんして?」

 

 ジルバがやたらとピエトロにアプローチをしていた。

 ナルシアが少しむっとしたような表情になっていたがそれを尻目にガミガミ魔王がべジータと一緒にたくさん食べていた。

 

「うー、最近出撃ばかりで腹減っちまった。いくらでも食える気がするぞ」

 

 大帝国劇場の備蓄食材は既に非常用のものが使われているものも存在するため飢えをしのぐためにはこの世界からは脱出しなければならない。

 野菜はたくさんあっても米が少ないのでは意味がないからだ。

 

「でもまぁ、これだけの人数がいたら攻略もできるだろうな」

 

 翔太は安心して自分の分を平らげて退出した。

 

「さて、日記をつけて今日は早く寝るかな。」

 

 部屋に戻った翔太はべジータに今日は早く寝るという旨を書いたメモを残して布団に入り好きな音楽をかけて眠る体勢に入った。

 

「~♪」

 

 翔太が今聞いていたのは『荒野の果てへ』という曲である。

 とあるゲームの音楽なのだが翔太は音楽だけをたくさん聴いていたのだ。

 もちろん、原作となるゲームはさっぱりである。

 

「明日から頑張ろう…」

 

 翔太はそのまま眠りについたのだった。 




若干戦闘パートのフラグはあったが基本的にゆったりとした休憩回です。
最後に翔太が聴いているのはワイルドアームズの曲です。
個人的に好きな楽曲の一つなのでぜひYouTubeなどで検索を←

ほのぼのとしたシナリオよりもシリアスな展開が書きやすいとか言う惰弱はこちらにいます、どうしてこうなった
ちなみにその関係から若干短めだが何、気にすることはない。

後、アイリスが翔太を呼ぶときの呼称はサクラ大戦GB檄!花組入隊から引用しました。
あれも結局オリジナル主人公ですしね、名前自由に変えられるし
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