インフィニット・ビート   作:Akila?

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一夏は生きていた

それに喜ぶ千冬


…しかし一夏自身は、ある疑念を抱く


姉の涙

 

「う……」

 

目が覚めると俺はベットで寝ていた

 

ここどこだろ?と思っていると

 

「一夏?」

千冬姉の声が聞こえたので、

横を見たらベットの側に立っていた

 

「…千冬姉…?」 「───一夏!!!」

 

千冬姉は寝ている俺に抱きついた

 

 

千冬姉は…泣いていた

 

姉が泣くところを見るのは久しぶりの事なのでビックリしてしまう

 

「すまない…一夏……本当にすまない……」

千冬姉は俺に必死で、謝ってくる

 

 

 

 

聞くところによると、誘拐犯が言ってた通り千冬姉は俺が誘拐されたことを聞いてなかったらしい

 

 

それで試合に出たのだが、途中に兼ねており交流が有った『更識家』に伝えられ棄権し、更識とドイツの軍隊と共に 俺の監禁場所に乗り込んだ

 

 

 

 

そこで千冬姉は見た

 

俺が血塗れで倒れている所を

 

その後俺は病院へと運ばれた

 

しかし俺の体には外傷は無く、

ショックで気を失ったとの診断だったらしい

 

勿論不信に思ったが、俺が無事だったことに安心し気にしなかったそうだ。

 

 

それでも心配で俺に付きっきりだったようだが……

 

「すまない…一夏……」 尚も、姉は謝り続けている

 

「何で千冬姉が謝るんだよ………」

「私は…弟のお前が誘拐されるのを防げなかった……姉の私が…… それで何が世界最強だ………こんなの……」

 

悔しそうに顔を歪める千冬姉に俺は言った

 

「……俺は嬉しいよ」「え?」

 

「だってこんなに心配されたんだ………

世界最強としてじゃない

 

俺は姉さんとして本当に強いし、優しいと思う

だから嬉しいんだ」

「一夏……

…ありがとう………」

 

「それと…ごめんな……試合、棄権させて……」

 

「馬鹿者…いいんだ……

お前が無事だったんだから……いいんだよ………」

 

 

 

 

その後、千冬姉は更識や

ドイツの軍に会いにいくと言うことで出ていった

 

 

 

1人になった所で俺は考えていた。

 

俺は確かに…心臓を撃たれた

 

 

なのに外傷が無いなんておかしい……

 

 

それに…… 何か変な感じがした………

 

俺は自分の心臓が止まるのを実感した

 

そして再び心臓が動いた時、

今まで体験したことが無い物を感じたのだ

 

 

あれは一体なんだったのか……

 

………考えても分からないな……

 

俺はそう結論付けて寝ることにした

 

 

 

寝付くのにはそれほど時間はかからなかった

 

 

 

 

 

数日後

 

体力が回復し、もう退院しても大丈夫と言われた日に千冬姉が俺に申し訳なさそうに言ってきた

 

「お前の捜索にドイツ軍が手伝ってくれてな…2年程こちらで教鞭を振ることになった………」

 

「そっか……ごめん」

 

「謝るな……それでなんだが

私がいない間、お前1人では不便だろ?

知り合いの家でお前を預かってくれるそうなんだが……」

 

「知り合い?」

「ああ、『更識』と言う。

この人達もお前の捜索に手伝ってくれた。

 

もう日本に帰っているが、

向こうで迎えにも来るそうだ」

 

悪い話じゃない

むしろありがたい話だ

 

この年で独り暮らしはな……

 

「分かった」

「くれぐれも迷惑はかけるなよ?」

「分かってるって、大丈夫。」

「うむ……じゃあ、暫く留守にするぞ」

「ああ、千冬姉も気を付けて」

 

こうして俺は姉と離れ、

更識家に世話になることになった

 

 

 

 

 

飛行機に揺られ数時間

やっと日本に帰って来た

 

「学校はもう1週間休んだ事になるのか……

げっ…もうすぐ試験じゃねぇか………」

 

早速気落ちしてしまったが、

それは自分で何とかするしかない

俺は迎えに来ているらしい更識の人を探した

 

「えーと、服装は……

着物に帽子だったか……… あ、いた」

 

探したら直ぐに見つかった

 

「すみません」 「うん?」

 

「俺、織斑一夏です」

「おお!君が一夏くんだね

始めまして、私は更識楯無

更識家のまあ…大黒柱だよ」

 

気の良いおじさんだが、体つきはしっかりしていて、髪も黒く健康そうなのでかなり若く見える。

 

「じゃあ行こうか? 表に車を待たせている」

そう言って楯無さんは俺を連れて歩く

 

車を待たせているか…タクシーかな?

 

そう俺は思った

だが…

 

 

 

 

 

「これだよ」 「……はい?」

 

結論から言えば、タクシーでは無かった

 

………これリムジン?

運転席に人がいるけど……え、運転手?

 

それに車の外  立ってる人……SP?

 

………この人何者だ?

 

「どうした?さあ、早く乗って」

楯無さんは俺の背を軽く叩く

 

いや、乗ってって……言われてもな………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーい、なにやってるの?」

すると車から女の子の声が聞こえて来た

 

「早く行こうよ!えーと……ワンサマーくん?」

 

「いちかだよ!いちか!!!」

「あー、ごめん!間違えちゃった」

 

そう言って笑いながら謝る女の子

 

「こら、からかうのは止しなさい。

 

すまないね、一夏くん

この子は私の娘で刀奈だ。

君よりも1歳年上になる。

今日は一緒に迎えに来たいって言うもんだから

連れてきたんだよ」

 

「始めまして!更識刀奈です。」

「こちらこそ始めまして。織斑一夏です」

 

互いに自己紹介し終わった所で楯無さんが

話しかけてくる

 

「もう一人、君と同じ年の娘がいるんだが、

人見知りでね…」

「そうですか……じゃあ後で挨拶しますよ。」

「すまんがそうしてくれ。 それから……」

 

楯無さんは優しく微笑み俺に言う

 

「これからは2年と言う短い間だが、

私達は家族になる。

だからもう敬語は止めにしよう」

 

「そうだね!私の事も名前で呼んで!!!」

「ええっと……」

 

「なに、そう気負わなくても良いよ。

落ち着いて暮らせる……それで良いんだよ

  一夏」

 

「っ!」

 

 

 

「直ぐじゃなくても良いんだ、ゆっくり

「分かった」ん?」

 

 

 

「これからよろしく……『刀奈姉』……… 『父さん』」 「「!!!」」

 

 

 

「……うん!よろしくね!!一夏!!!」

「…ふふ、父さんか………

 

よろしくな、一夏」

 

「……ああ!」

 

 

 

これから新しい生活が始まる

 

短い間だが、楽しくやっていけると思った

 

 

 

 

 

 

 

………そしてこれが、

『運命』の出合いをする始めの幕開けだった

 

更にそれから始まる、

『闘い』への始まりでもあった

 

運命はどう言う結末を辿るのか

 

 

 

 

今の俺には分からなかった………

 

 

 

 

 

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