春が来た
一夏が更識家に住んでから6日後
今彼は、更識の敷地内にある道場で
父である楯無と対峙していた
誘拐された時、ほとんど何も抵抗出来なかったのが一夏にしてみれば悔しかった。
なので、鍛えて欲しいと楯無に頼んだのが3日前
そこから毎日、早朝と夕方の時間に、
主に武道を中心に鍛練をしてもらっていた
元々剣術の心得があったため、型は良かった
しかし、如何せんずっとバイトやら
家事やらで鍛練の時間が無かったので
中々思ったように体が動かず苦労した
だがそれでも必死に食らいつき、挑んでいく
そうしてトレーニングが始まってから3日がたっていた
楯無は一夏の成長のスピードに驚いていた
(僅かな時間でもこの上達は凄い……
流石は最強の弟と言うことか?
いや…これは彼の素質…そして何よりも……)
一夏と楯無の鍛練はまだ続く
時は変わり、今日は弾達が更識家にやって来る日
刀奈達は、初めて会う一夏の友達と会うのを
楽しみにしていた
「………」 簪だけは緊張していたが……
彼女は人見知りなので
仕方が無いと言えば仕方が無いのだが……
ピンポーン
「!!」 「おっ、来たみたいだな」
一夏は弾達の出迎えに居間から出ていった
「………」 「かんちゃん?ど~したの?」
本音が簪に問いかけた
「緊張してるの?簪ちゃん」 「うん……」
どうしても知らない人と
会うのは緊張してしまう簪に虚が
「一夏さんの知り合いですからね
きっといい人ですよ」 と虚が微笑んで簪に言った
「うん……」簪は短く答えて、弾達を待った
弾達は屋敷に入り一夏の案内で、居間に入った
「ひろ……」「豪邸……」「うわぁ……」
それぞれの反応をする弾達
「凄い……」更に弾の妹の蘭も来ていた
「皆紹介するよ
左から鳳鈴音、御手洗数馬、五反田弾、
それから弾の妹の五反田蘭だ」
紹介された者は簡単に自己紹介をする
「鈴音よ。鈴って呼んでね!」
「御手洗数馬です。よろしく」
「どうも!五反田弾っす!」
「弾の妹の蘭です。よろしくお願いします!」
そして簪達も
「更識刀奈よ。よろしくね」
「更識簪です……よろしく……」
「布仏本音だよ~」
「本音の姉の虚です。よろしくお願いします」
それから弾達は屋敷の中を案内と言う名の
探索にいかせてもらった
「おや、君達が一夏のお友達かな?」
するとそこに楯無と薫が話しかけてきた
「この人は更識楯無。
俺の父さんでこの屋敷の大黒柱だ。
それで左が更識薫。俺の母さんだよ」
「「「「こんにちは!」」」」
「こんにちは。
皆一夏と仲良くしてくれてありがとうね~
この子これでも感謝してるのよ?」
「ちょ!母さん!?何言ってるんだ!!?」
「あら?本当の事でしょう?」
笑いながら一夏をからかう薫に4人も頬が緩んだ
「優しい人達だったわね」 「そうですね」
「恥ずかしかった……」
どうやら、楯無と薫に好印象をもったようだ
一夏は顔を赤くしていたが……
そして再び探索を続けようとしていると
「あれ?弾がいないな」 「虚ちゃんも居ないわね」
辺りを見渡すと、2人は一緒に話していた
「それじゃあ、五反田さんは楽器が趣味なんですね…」
「は、はい!」
「か、格好いいですね……」
「そ!そんなそんな、まだ初めてばっかだし、
上手くないし……」
何やら良い雰囲気の2人
緊張していた簪も微笑んでいる
「うんうん。仲良くなるのは良いことだな」
……約一名、唐変木がいたが……
「「「……………」」」
そんな彼を弾と虚以外の全員が
呆れて見ていたのだった……
「「「今日はありがとう!!!」」」
「ありがとうございました!」
夕方になり、4人は帰ることに。
「布仏さん。また来ても?」
「はい…是非!」 「よし!」
弾はまた来ると虚に告げた
「3人も良かったらまた来てね?」 「待ってるよ~」 「……」コクッ
簪も頑張って頷いた
「じゃ、またな一夏」 「また明日学校でな」
「さよなら~」「どうもです!!」
そうして、弾達は帰っていったのだった………