チュンチュン……
時刻は7時過ぎ頃
一夏は楯無との早朝の鍛練を終え、
皆が集まっている居間に来た
「一夏、おはよう」 「ああ、おはよ簪」
簪を筆頭に全員と朝の挨拶を交わして、
朝食を食べ始める
「♪♪」 「虚姉、なんかご機嫌だな」
一夏は機嫌が良い虚に声をかけた
「え、ええ……ちょっとね……」
「弾君と昨日の夜電話で話せて嬉しいんだよね」
「ちょっ!お嬢様!?」 虚は刀奈を睨み付けた
「仲が良いんだな、2人は」「ふぇっ!?」
「ありゃ?違うのか?」「あ、あうぅ……」
「いっちー、そのへんにしといてあげて……」
へ?と疑問の顔を浮かべる一夏に
本音は苦笑いを浮かべた
「…………」 そんな中、簪は虚を見て考え込んでいた
「……よし!」
「え?帰りに弾を?」
登校途中
一夏は簪から帰りの待ち合わせに、
弾も連れて来て欲しいと言われた
「私は虚さんを呼ぶから」 「虚姉を?」
「ほら、あの2人仲良いでしょ?」 「ああ……」
唐変木の一夏でも、
あの2人が仲が良いのは分かっていた
「だから2人にお互いが来ることを秘密にして、びっくりさせてあげようって思って」
「成る程……それは面白そうだな」
分かった、と一夏は簪に約束して2人は別れた
「……一夏にも分かって欲しいな………」
簪の呟きは一夏に聞こえることは無かった
▽ ▽ ▽
「なあ一夏?本当にいいのか?」
下校にて、待ち合わせ場所に
一緒に向かう弾は一夏にそう言った
「?何が?」
「いやだって、折角の2人の時間に俺が紛れて良いんかな~って……」
「良いに決まってんだろ?
て言うか、簪から頼んで来たんだから」
「…唐変木だな、お前やっぱ……」
「え?なんか言ったか?」 「何でも……」
一夏に呆れた目を向けながら弾は歩き続けた
「そういや、弾」「あん?」
「虚姉と仲良いみたいだな?」 「は!!?」
「ん?違うのか?」
「い、いや…その……」
顔を赤らめてどもる弾
「何だよ?どうしたんだ?」
「か、勘弁してくれ………」 「?」
そんなこんなで待ち合わせ場所までもう少しになった時
ポンッポンポン…… 「?」
何か跳ねる音が微かに聞こえた弾は、
ふと道路の方に目線を向けた。
そこにはサッカーボールが転がっていた。
「待って~、ボールー」
するとそこに幼稚園児くらいの子供が
道路に飛び出してきた
プップゥゥーーー!!! 「!!!??」
子供が出てきた事で急ブレーキをかけた車
だが、完全には止まれそうに無い
「!やべぇ!!!」 弾は子供の元へと走っていく
「?おい、弾どうした……!?」
一夏は弾にどうしたのか聞こうとした時、
その事態に気付いた
(頼む!間に合え!!!)
子供は呆然と向かってくる車を眺めている
弾は走り続けた
(後、少し!!!)
そして車は子供を引いてしまった……
そうなる前に弾は子供の元へ
「うわぁ!?」
そして子供を歩道の方へと突き飛ばす
子供と入れ替わる形になった弾は
キィィィィ━━━!!!
そのまま、スピードの落ちない車を避ける事が出来ず
ドンッ!!!
「だん━━━━━━━!!!!!!」
一夏の叫びも虚しく、弾は車に衝突した
「………………」
倒れた弾からは、
おびただしい量の赤黒い血が流れていた…………