インフィニット・ビート   作:Akila?

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青春ドラマの様にしたくて


親友との別れ、そして約束

 

それは突然の事だった

 

「一夏、弾、数馬…あのね……」

 

 

 

 

 

簪と付き合ってから1週間が経った。

顔を合わせる度にお互い赤くなってしまう

 

それを見て、刀奈姉と本音からからかわれるのだが、虚姉に一喝されて黙ると言うのがしょっちゅうだった

 

という訳で、毎日が幸せな日々が続いているのだが、一つだけ気になることがある

 

鈴が最近元気が無いことだ

弾と数馬達も感ずいているらしく、気に止めている

だが、これは本人から打ち明けてくれないと

どうしようもない

 

俺達は待っていた

 

鈴が、俺達に相談してくれるのを

 

 

 

 

 

休日。 鈴、弾、数馬と遊びに行っていた。

 

行き先は思い出の場所……

 

「あったぞ!」

弾の声が聞こえ、俺達は向かっていく

 

「あった!」 「変わってねえ……」

「まだ残ってたんだ……」

 

そこは俺達がまだ出会って間もない頃、

野原に作った手作りの秘密基地だ

 

此処に来た目的は、鈴が話しやすい環境を作ること

 

此処には俺達以外誰もいない。

此処なら話してくれるんじゃないかと思ったからだ

 

「こんなに狭かったっけ?」

「俺達がでかくなったんだよ」

暫くの間、俺達は談笑していた

 

「…ねえ……」 すると鈴が神妙そうに話しかけてきた

 

「(来た…)どうした?鈴?」

 

「一夏、弾、数馬…あのね……」

 

 

 

 

 

 

 

「私…中国に帰ることになったんだ……」

「「「…え……?」」」

 

それは……想像もしてなかった事だった…

 

「…帰るって……」数馬が放心しながら訊ねる

 

「両親の都合でね……」

「何時行くんだ?」 弾が聞く

 

「……2週間後……」「「「っ!!?」」」

 

後……2週間……

 

「……言えなかった……」鈴は静かに語る

 

「誰にも……ごめん…………」

鈴はそう言うと顔を伏せてしまう

 

何時も気丈に振る舞っている鈴がこんな顔をするんだ

……ずっと、悩んでいたと分かる

 

「…ホントは別れたくないんだ……

折角出来た友達なのに……」

友達……か そうだな、鈴と俺達は友達…親友だ

 

だから……

 

「えっ?」 俺は鈴の頭に手を乗せた

驚く鈴に俺は告げる

 

「…大丈夫だ」「一夏?」

 

「そうだぜ、鈴。俺達は友達だ」 今度は弾が

 

「そうだ……どんなに離れていても、

俺達が友達だってことには変わりはねぇよ」

最後に数馬がそう言った

 

「み、皆……」

目を見開く鈴に俺はまた声をかける

 

「国が違っても、住んでる所が離れていても、

心は何時も一緒だ。

変わらない……それが、 親友ってもんだろ?」

 

「っ……う、うん…」

 

 

 

「あ、ありが……とう……」そう言うと鈴は泣き始めた。

溜めていたものを、全て出すように。

 

俺達は只、傍にいてやれる事しか出来なかったけど……

 

鈴なら……もう大丈夫だろう

何となく、そんな気がしたんだ

 

 

 

 

 

それから鈴は学校のクラスの皆や簪達にも

それを打ち明けた。

 

皆驚き、泣いていたが直ぐに笑顔になり

頑張れ!と全員がエールを贈った

 

「うん!頑張るから!!!」

そう言って鈴は笑った。何時もの笑顔で

 

 

 

2週間、俺達は生るべく一緒にいた

一緒に更識家に遊びに行ったり、海に行ったりした

それは楽しくて……欠けがえの無い時間だ

 

しかし、そう言う時間ほど時が経つのが早く感じた

 

あっという間にその時は近付いていた

 

いよいよ明日、鈴が帰国する日

 

 

俺は鈴から呼び出されていた

 

指定された場所で待っていると、

鈴が慌ててやってくる

 

「ごめん!待った?」

「いや、そんなに待ってないから大丈夫だ」

 

走ってきたのか息が荒く、

息を整えてから 鈴は俺を真っ直ぐ見据えた

 

「一夏、私ね…中国に帰る前に、

貴方に言っておきたいことがあるんだ」

 

「俺に?」 うん…と鈴は頷き、言葉を続けた

 

「一夏、私……」

 

 

 

 

 

「アンタが…好きなんだ」 「っ……鈴……それ……」

俺が驚いて聞くと

 

「初めて会って、いじめっ子から守ってくれた時から……好きだった」 鈴はそう言ってくる

 

正直嬉しい… だが、俺には……

 

「……すまないが、俺には簪って言う大切な人がもういる。 お前の気持ちに…応える事は出来ない」

俺はそう返した

 

「…うん、だよね」鈴は一度、短くそう呟いた

 

「あーあ……初恋は実らなかったな……」

「鈴……」 何だか申し訳なく思えてくる……

 

「鈴、その…ごめ…「謝らないで」…鈴……」

 

「アンタは悪いこと1つもしてないでしょ?

謝る事無いわよ」 「……」

 

「それと…ごめんね……

こんな事言って…… 困らせて……」

鈴はまた暗い顔をする

 

「……鈴、ありがとう」「一夏……」

 

「これは我が儘かもしれないけど…… 俺と此れからも親友でいてくれるか?」 そう聞くと、鈴はニヤリと笑ってくる。

 

「…当然!ずっと……ね」

 

そう言い交わすと、俺と鈴は互いに拳を合わせる。

それは約束の証として、そして……

 

お互いの存在を確認する為だった

 

「んじゃあ、親友から1つ約束!」

鈴は俺を見てそう言った

 

「?何だ?」 俺は彼女にその約束を聞く

 

 

 

「絶対に…簪を悲しませない事!」

鈴は俺の目をじっと見て言った

 

「…ああ、勿論だ」

 

俺と鈴は顔を見合わせて笑った

 

 

 

 

 

そして遂に……

 

 

 

空港にはクラスメートや

更識の家族達が出迎えに来ていた

 

その数はもう50人は越えている

 

「こんなに集まるなんて……」

鈴はとても驚いていた

 

無理も無いだろう。

最初は、彼女はいじめられていたのだから。

俺達が話しかけるまで、ずっと彼女は1人だった。

 

しかし今はどうだ

 

こんなにも自分を想う人がいる

こんなにも……暖かい……

 

「またな!」 「連絡してくれよ?」

数馬と弾が声をかける

 

「気を付けて……」 「元気で!」 「じゃあね~」 「また会いましょう」 簪達がエールを贈る

 

そして俺も 「鈴……」 「一夏……」

 

「俺と…友達になってくれてありがとう。

……この絆は、絶対に無くならないから」

 

「……うん!ありがとう…一夏、皆!!!」

 

『まもなく、105号便の飛行準備がーーーー』

鈴が乗る飛行機の案内が入り、鈴達は皆と離れていく

 

 

 

鈴は最後、去り際にもう一度此方に顔を向けた

 

「本当に……ありがとう!!!」

その時、鈴の目は涙が溢れそうだったが

 

顔は彼女らしい、輝くような笑顔であった

 

こうして、欠けがえのない親友と別れる事になった

 

しかし、俺は信じていた

 

彼女とは、また再び会えると

 

俺はそう……信じてる…………

 

鈴…

 

思い出を……ありがとう

 

また何時か……会える時まで……

 

 

 

「…待たな!鈴!!!」

 

 

 

 

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