ガンダムビルドダイバーズRe:Birth   作:ドラーグEX

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時間があったんで更新です。

いよいよミッションも終盤です。


第10話 大気圏の決着

 《ヘブンズソード》の胴体を貫いた回転式パイルバンカーが抜け、《クインス》が蹴り飛ばす。凶鳥は、音もなくミッションエリアから消滅した。

 

 

「す、すごい……。あっという間に倒した……」

 

 

「あれが、ヘルパーショウマの実力なのね」

 

 

 ただ見ていることしかできなかったセレジュとユーコは、動かなくなった《クインス》に畏怖の眼差しを向けていた。

 

 

「カリン! どうしたんだ! カリン!」

 

 

 だが、そのコクピットの中では、ショウマが叫び続けていた。

 

 

「返事をしてくれ! カリン!」

 

 

 すると、コクピットを染めていた赤い光が消え、通常の内部状況に戻った。

 

 

『あ、あれ……? 私、なにを? 確か、《ヘブンズソード》に蹴られて……』

 

 

 コクピットに少女の声が響き、ショウマは安堵の表情を浮かべた。

 

 

「カリン! よかった……!」

 

 

『ショウマ……? あっ、《ヘブンズソード》は⁉』

 

 

「何言ってるんだ? お前が倒したんじゃないか?」

 

 

『私が……? 全然、覚えがないんだけど……』

 

 

 会話に謎の齟齬が生まれていることに疑問符を浮かべるショウマだったが、接近してきた《ブラストZ》と《インサイトフレーム》に気づいてそれ以上の追究は止めた。

 

 

「すごいですショウマさん!」

 

 

「びっくりしたわ。でも、ああいう画が欲しかったのよ」

 

 

「あ、ああ。でも、特別報酬は……」

 

 

 本来セレジュが倒すはずだった《ディビニダド》は、《ヘブンズソード》に横取りされてしまった。これでは、セレジュが獲得するのは目標には程遠い額のBCと、申し訳程度のダイバーポイントだ。

 

 

「仕方ありませんよ。まさか、ブレイクデカールが本当に存在して、僕らが邪魔されるなんて、思いもよりませんでしたし」

 

 

「そうね。残った《ディビニダド》は3機。ダイバー同士が足を引っ張り合ってるから、かろうじて生き残ってるけど、遅れてたダイバーたちもかなりの数が合流してる。今から戻っても乱戦に巻き込まれるのがオチだわ」

 

 

 冷静に分析してみせるユーコに言いたいことはあったが、ショウマはそれよりもセレジュへの謝罪を優先した。

 

 

「本当にすまなかった。別の高額報酬ミッション、手伝わせてくれ」

 

 

「そ、そんな! いいんですよ、僕の我儘みたいなもので―」

 

 

 と、けたたましい警報のような音が宇宙に鳴り響いた。

 

 

「な、なんだっ?」

 

 

「新しい敵、でしょうか?」

 

 

「え、またなんか来るわけ?」

 

 

 周囲を警戒する三人。だが新手は現れず、代わりにコクピット内の三人に同じ表示が浮かんだ。

 

 

「『ミッション最終フェーズ。地球に降下する《ディビニダド》を止めろ』……?」

 

 

「ショウマさん! ユーコさん! あ、あれを!」

 

 

 《ブラストZ》が示した方向を見ると、3機の《ディビニダド》が忽然と消えた。

 

 

 すぐさまその姿は再び現れるのだが、3機とも別々の位置から大気圏へと突入していた。

 

 

「おいおい、いきなりすぎるだろ……」

 

 

「うわー……戦ってた人たち、不憫すぎる」

 

 

 少し冷めた目でその光景を見ていたショウマとユーコ。

 

 

「もしかして、あれを放っておいたら、ステージとはいえ、あの地球で核爆発が起こるんじゃ……」

 

 

 セレジュは《ディビニダド》という機体の設計思想を思い出し、冷や汗を流した。

 

 

『ショウマ! こ、これ見て!』

 

 

 突如、興奮気味の少女の声とともに、ショウマの前に索敵レーダーが表示される。

 

 

「な、なんだよ……! 二人に気づかれるって……」

 

 

『それより、私たちに一番近い《ディビニダド》の形式番号読んで!』

 

 

「型式番号?」

 

 

 言われるがまま、ショウマは型式番号を指を添えて読む。

 

 

「EMA-10UC-0153……っ! セレジュ!」

 

 

「は、はいっ⁉」

 

 

「まだ終わりじゃない! あの降下してる《ディビニダド》を追うんだ!」

 

 

「ちょ、ちょっとショウマさん⁉」

 

 

「な、なによなによ? どうなってんのよー!」

 

 

 突然動き出した《クインス》の後を追い、《ブラストZ》と《インサイト》が地球に向けて飛ぶ。すぐに重力に引かれ、大気圏突入が始まった。

 

 

「ショウマさん、乗ってください!」

 

 

 ウェイブライダーとなった《ブラストZ》に乗った《クインス》。その少し後ろにアルミューレ・リュミエールを展開した《インサイト》が続く。

 

 

「ねえ、私クロスボーンガンダムはまだちゃんと読んでないんだけど! これって原作再現なの?」

 

 

「一応な! って今はどうでもいい! ユーコ、そのアルミューレはこの突入の後もまだ使えるか⁉」

 

 

「え? ええ。もちろんよ。自慢じゃないけど、私の《インサイト》はそんじょそこらの―」

 

 

「よし! 手短に話すぞ。セレジュ、突入が終わったらモビルスーツに戻って、あの技の準備だ」

 

 

「え⁉ で、でもあの技じゃ、《ディビニダド》の頭部だけを破壊なんて細かいことは……」

 

 

「それでいい。 ユーコは俺と一緒に来てくれ。お前のガンプラが頼りだ」

 

 

「わ、私、できれば戦いたくないんだけど……。あの技って?」

 

 

「それで構わない。突入したら一度アルミューレ・リュミエールを切って、その後で俺が指示するタイミングで再展開してほしい。それも全力で」

 

 

「た、盾の代わりにする気⁉」

 

 

「そうじゃない! でも、これが終わったら今度はちゃんと取材を受ける。約束だ。だから今は頼まれてくれないか?」

 

 

 真剣な声に、《インサイト》のコクピットのユーコはまんざらでもない顔を作った。

 

 

「そういうことなら、まあ……いいけど」

 

 

「ショウマさん、突入もうすぐ終わります!」

 

 

 セレジュの報告の数秒後、元となる世界観が異なる三機の《ガンダム》が、どの作品でも変わらず存在する地球の空に飛び込んだ。

 

 

「行くぞ二人とも! 俺を信じてくれ!」

 

 

 《ブラストZ》の背を蹴って、自由落下に入る《クインス》。その横には光の盾を解いた《インサイト》が並ぶ。

 

 

「《ディビニダド》が動くわよ!」

 

 

 振り返った《ディビニダド》が僅かに身体を傾け、頭頂をショウマたちに合わせた。

 

 

 そして頭部が開き、隠された大型メガ粒子砲の砲口が露出する。

 

 

「行くぞ……!」

 

 

 《クインス》が伸ばした腕が、《インサイト》の首根っこを掴む。

 

 

「え?」

 

 

「おおおおおりゃあああああっ!」

 

 

 そして、ディビニダドの開いた頭に向かって思い切りぶん投げた。

 

 

「ええええええっ⁉」

 

 

 すでに発射直前のメガ粒子砲の中に投げ込まれ、驚愕の叫び声があがる。

 

 

「今だユーコ! アルミューレ・リュミエール、全開!」

 

 

「ああもうっ!!」

 

 

 最大出力で展開される光の防壁。展開の完了と同時にメガ粒子砲が発射される。

 

 

 しかし、解き放たれるはずのメガ粒子は出口で塞がれ、行き場を失って暴発。《ディビニダド》の頭部メガ粒子砲は爆破崩壊した。

 

 

 爆発の勢いで《インサイト》が離脱し、セレジュの出番が回ってきた。

 

 

「決めろ! セレジュ!」

 

 

「ショウマさん、ユーコさん、ありがとうございます!」

 

 

 《ブラストZ》のフライングアーマーが背中から分離、変形して作られる一振りの剣。刀身からエネルギーが迸り、倍近い長さのビームサーベルとなる。

 

 

「いっけえええええっ!」

 

 

 振り下ろされるビーム刃。《ディビニダド》は防御できず、真っ二つに両断された。

 

 

 爆炎に飲まれる《ディビニダド》。確かに大きな爆発であったが、三機の《ガンダム》は健在だった。

 

 

「核爆発が、起きない?」

 

 

「なに……? 何も起きないじゃないの」

 

 

 《ブラストZ》の撃墜スコアには、確かに《ディビニダド》を撃墜したことが記されている。

 

 セレジュもユーコもわけがわからないまま、そう間を置かずに、ミッション終了を告げるブザーがエリア全体に響き渡った。




なんで地球が紅蓮の炎に焼かれて消えなかったのか、分かる人はもう分かると思います。

不定期更新ですが、感想とかあるとブーストかかっていいと思いますよ。
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