ガンダムビルドダイバーズRe:Birth   作:ドラーグEX

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友人に良いことなくても更新しろと言われたので、更新です。
戦闘回スタートです。


第7話 限定ミッション

 無辺に広がる宇宙空間に、いくつもの星とバーニアの光が瞬く。

 

 

 眼下に地球が見えるこの宙域が、今回の限定ミッションのステージだ。

 

 

 参加ダイバーはランダムに決められたスタートポイントから発進し、ゴールポイントで待つ木星帝国軍の旗艦《ジュピトリス9》を目指す。

 

 

『見て見てショウマ! あれ《ヤークトアルケー》だよ! あっちはハイモビリティの《Ez-8》! 自作したんだ……!』

 

 

 ステージに出た《クインス》は移動を続けながら、宇宙を飛び交う様々なガンプラたちに興奮気味の声を上げる。しかし、ショウマはミッションの同行者の方が気になっていた。

 

 

「それもいいけど、セレジュとユーコは?」

 

 

『後ろから来てるよ。近くに飛ばされてたみたい』

 

 

 少女の声とともに、レーダーに灯る二つの僚機反応。

 

 

「―それが噂に名高いあなたのガンプラね」

 

 

 先にショウマに追いついたのは、ユーコだった。

 

 

「《アウトフレーム》か。珍しい機体だな」

 

 

 ショウマは外を映すモニターに出た機体の姿に対して、素直な感想を口にした。

 

 

「《インサイトフレーム》よ。よろしくね」

 

 

 ビビッドな赤い機体色が眩しい《アストレイ》系改造機が、右手に握ったガンカメラを振り、挨拶めいた動きをする。背中には上半身と同じ大きさのコンテナを背負っていた。

 

 

「ショウマさん! ユーコさん!」

 

 

 ユーコに続いてセレジュも合流する。

 

 

「セレジュ君のガンプラは……へえ、《Z(ゼータ)》の改造機! 良い趣味してるじゃない」

 

 

「ありがとうございます。《ブラストZガンダム》です」

 

 

 本来の青い塗装の部分を深いオレンジに塗り替え、武装が追加された背中と、鋭利な輪郭を作る肩が特徴的な機体を、ショウマは既に知っていた。

 

 

「それがショウマさんの《キマリスクインス》なんですね」

 

 

「まあな。それより、俺たちも急ごう。ここにはガンプラを見せに来たわけじゃない」

 

 

 ショウマの言う通り、こうして話しているうちにも三機の間を多くのガンプラたちが駆け抜けていく。

 

 

「そうですね。急がないと特別報酬が手に入りませんから!」

 

 

 三機は速度を上げ、トップ集団に続く。

 

 

 だが、トップ集団に追いついたのも束の間、レーダーに凄まじい数の敵機反応が表示された。

 

 

「敵だ! 注意しろ!」

 

 

 ショウマの声の直後に、ビームの光条が押し寄せた。それは、敵機からの攻撃。そして、その敵とは……。

 

 

「《バタラ》! それに《ガングリジョ》も、あんなにいっぱい……」

 

 

 《バタラ》をはじめとする、CPUの木星帝国軍であった。

 

 

「そう簡単には行かせないってわけだな。一気に突破するぞ!」

 

 

「はい!」

 

 

 ショウマの声にセレジュは操縦桿を握る手に力をこめる。

 

 

「じゃ、二人とも頑張ってね」

 

 

 突然、ユーコの《インサイトフレーム》が動きを止めた。

 

 

「え? ユーコさん、来ないんですか?」

 

 

「密着取材はどうするんだ?」

 

 

 困惑する二人に、ユーコは得意げな顔をする。

 

 

「もちろんやるわよ。でも準備があるの」

 

 

 ユーコの操作で機体の指の間から何かが飛び出し、それは内側から膨張するとダミー隕石になった。

 

 

「よっと」

 

 

 ダミー隕石に《インサイトフレーム》がうつ伏せに寝そべる。すると背負うコンテナの八つの頂点からロッドのようなものがせり上がり、その先端が三角形に開いた。そして機体をダミー隕石ごと包むように光の膜が形成された。

 

 

『ショウマ、もしかしてこれ……』

 

 

 ショウマにだけ聞こえるように抑えた声に、ショウマは頷いた。

 

 

「《アルミューレ・リュミエール》か」

 

 

《ハイペリオンガンダム》に搭載された堅牢な光の盾。《インサイト》を包みこんだのはまさしくそれであった。動作確認だったのか、光の膜はすぐに消えた。

 

 

「私はこうして身を守りながら、あなたたちを撮ってるから、好きなように暴れちゃってちょうだい」

 

 

「戦わないんですか?」

 

 

「ええ。報酬に興味は無いし、私は仕事だしね。いい動きしてくれたら、セレジュ君も今度の記事に載せちゃおうかな」

 

 

「ぼ、僕がGBジャーナルに⁉ ど、どうしよう……」

 

 

「後にしろ! 行くぞ、セレジュ!」

 

 

「へっ? あ、は、はい!」

 

 

 敵陣に飛び込む二機の《ガンダム》。

 

 

「おおおっ!」

 

 

《クインス》のドリルランスが《ガングリジョ》の眼のようなメガ粒子砲を貫き、内蔵マシンガンが火を噴く。

 

 

「やあ!」

 

 

《ブラストZ》はビームライフルの銃口を的確に敵機へ向け、次々と撃墜していった。

 

 

「やるな、セレジュ」

 

 

「練習はしてましたから! あっ……!」

 

 

 ショウマに意識を向けた一瞬の隙に、《ブラストZ》のライフルが切断された。

 

 

「ライフルがっ⁉」

 

 

 爆発をシールドで防ぐも、その衝撃でセレジュとショウマに距離が生じる。

 

 

『ショウマ、前から来るよ!』

 

 

 少女の声に反応し、ショウマは《クインス》の身体を捻らせる。

 

 

「木星帝国で見えない斬撃って言ったら……!」

 

 

 ショウマの予測通り、《クインス》の前にいたのは木星帝国のモビルアーマー《ノーティラス》であった。ライフルを破壊したのは、《ノーティラス》が放つ高振動ワイヤーによる攻撃だ。

 

 

 再び放たれるワイヤー。その先端が《クインス》の右のシールドに突き刺さった。

 

 

「こんなのまで用意するなんて……」

 

 

 真剣な表情でつぶやくショウマ。だが、すぐにその口は笑みを作る。

 

 

「やっぱりGBNは最高だな!」

 

 

 《クインス》の左のシールドがドリルランスと連結し、ショウマは照準を《ノーティラス》に合わせた。

 

 

「くらえっ!」

 

 

 発射された特殊KPE弾《ダインスレイヴ》が、《ノーティラス》を貫き、黒い機体は爆散した。

 

 

「す、すごい……」

 

 

 その様子を呆然と見ていたセレジュは、《クインス》がこちらを見たことで我に返った。

 

 

「セレジュ、まだ戦えるな?」

 

 

「は、はい。ライフルが破壊されただけで、機体にダメージはありません。武器もまだあります」

 

 

「よし、このまま一気に《ジュピトリス》に行くぞ!」

 

 

「わかりました!」

 

 

▼▼▼

 

 

「おおー、さすがの動きね」

 

 

 ダミー隕石に《インサイト》の身を預けて撮影に勤しむユーコは、ショウマの獅子奮迅の活躍に舌を巻いていた。

 

 

「でも、やっぱりあの《キマリスクインス》、気になるのよねぇ」

 

 

 ユーコの本来の目的は、《クインス》の秘密を探ること。しかし、その秘密にはまだ近づけていなかった。

 

 

「乱戦に巻き込まれるのが嫌で距離取ったけど、もう少し近づいて―」

 

 

「おらぁどけどけ!」

 

 

「きゃあっ⁉」

 

 

 突如、背後から猛スピードで何かが飛来し、そして去ってしまった。あまりの勢いに、ダミー隕石ごと《インサイト》は大きく揺さぶられる。

 

 

「な、なによ。乱暴ね……!」

 

 

 怒りを込めた感情で睨んだものに、ユーコは息を呑んだ。

 

 

「大きな……鳥?」

 

 

 ユーコが見たのは、宇宙空間で翼を広げはばたく、巨大な鳥のようなガンプラだった。

 




作品群に囚われず好きな機体出せるの本当に楽しいですね。

次回も戦闘回です。最後の鳥って誰だ。

不定期更新です。

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