……なあ、イルミカ。
「……どうしたんだい、ぼーっとした顔で。なんか悩み事か?」
……んにゃ、大したことじゃないというか……素朴な疑問なんだが。
「……まあ、いいよ。聞こうじゃないか」
埋まっちゃった猫ってさ、エヘ様のとこに行くことになるんかな。
ああ、いや別に、自分の話ではなくな?
「…………ふーむ、なぜそれを疑問に思ったかは聞かないでおいてやるとして、だ。
……はてさて、どうなんだろうね……」
……お前、天界出身なんだよな。
少しはその辺りのこととか、知っているんじゃないのか……?
「…………さあ、どうなんだろうね……」
そういう話や噂を聞いたりだとか、見かけたってことは無かったのか……?
「…………さて、どうだったかね……」
……………………。
「…………………………」
………………まあ、そうだよな……地を生きる者が、天の理など知る由も無い。いや、知ることは赦されない……そうだよな……。
……すまないな、変なこと聞いてしまって。
「……ふふっ、キミが物分りの良い聡明な猫で助かるよ。話はこれでお終い、かな?」
……ああ、そうだな。ありがとう、イルミカ。
「どうってことは無いよ、シュト」
……イルミカは、天に生まれながら、地に生きることを選んだ……選ばざるを得なかった……。
きっと、その天と地の間にいることは、孤独で、つらいこともあるんだと思う。……自分には、到底想像も出来ないようなものが……。
……これも、そうなのかな……。……悪いこと、したかもなあ……。
「………………なあ、シュト…………キミは、いつか……埋まるのかい……?」
……………………。
…………そうだな、…………。
…………俺は、幸せな道を選ぶよ。
俺が一番幸せでいられるような、そんな生き方をしていくつもりだ。その先に、どんな未来が待っていたとしても、どんな終わりが来るとしても。
幸せであれば、どんな結末でも良いと思っている。
……きっと、埋まることこそが幸せな道になるってこともあるだろう……。勿論、そうじゃないかもしれないがな。
……だから、俺が埋まるか……それは、分からない。
でも俺は、必ず幸せな道を選ぶし、その決断に後悔は絶対にしないつもりだ。
それが俺の、エヘ狂信者の猫であるシュトカルトの生き方だ。
「…………キミは、変わらないね。ホントに、変わらなくて、変わってて、強いやつだよ……」
「……………………。
…………でも、キミは……置いていくつもりなのかい……? キミは強くても、皆は、ボクは、……どうなんだろうね……」
…………………………。
「………………………………」
…………いいか、イルミカ……。
俺の幸せは、お前らの幸せも含まれてるんだ……俺の大切な、仲間たち皆の幸せこそが、俺の幸せだ。
誓おう。俺は絶対に、お前たちを、イルミカを、大切な皆を、幸せにする。どんな道を歩んだとしても、お前たちは必ず幸せにする。お前たちが嬉しくても、悲しくても、どんなことになっても、必ず幸せでいられるようにする。
放って置いていきなんてしないさ。……絶対にな。
「…………そうか、……それが……キミの答え、か……。
………………。
……はあ、全く……ボクは本当に、変な奴に喚ばれてしまったな……」
文句でもあるか?
「…………いや、ふふっ、本当に……変な奴に喚ばれてしまって…………ボクは、本当に幸せ者だな……」
…………そうかい……。
「それに、コイツに巻き込まれてしまった哀れな者たち皆、本当に幸せ者だよね…………さ、そろそろ夕飯時だろう? 皆が待ってるだろうから、早く行くとしようじゃないか。皆のもとへ」
……ああ、俺の大切な……皆のもとへ。