「なんで!なんで、辞めちゃうの!尚翔くんが辞めたら、私はもう尚翔くんの盗塁を刺せないんだよ!和美さんだって尚翔くんに後ろを守って欲しいから梁幽館にスカウトしたんだよ!なのに・・・・・・なのに、辞めるだなんて酷いよ!」
彼女の泣きながら必死に叫ぶ言葉に心が痛む。それもそうだ、苦楽を共にしてきた仲間を裏切るのだから。
「ごめん球姫、俺はもう野球はしたくないんだ。あの大事な場面でエラーをしたんだ。おかげで和美さんは肩を壊す一歩手前まで投げさせることになった!」
俺は一度、全国の舞台で守備固めとして出場し、好守を連発する。しかし二点リードの七回裏、ツーアウトランナー二塁三塁で俺の守っていたセンターに詰まった打球が上がると一度しっかりバウンドした球を三塁に送球すれば良かったものを好守を連発し図に乗っていた俺は前に突っ込み、捕球出来ずに後逸。このワンプレーで二塁ランナーまでホームに生還し同点、延長戦になった。既に100球以上投げていた先発の和美さんは中継ぎ陣の休養のため続投し結局、試合は九回までもつれ和美さんは130球近い球を投げ抜いた。しかし和美さんは肩を故障寸前のところまで投げたためしばらく出番は無かった。
「俺が野球をやるとまた誰かに迷惑をかけるかもしれない!今度は球姫かもしれない!そんなことは俺には無理だ!」
「そんな・・・・・・」
そう言って俺はそのままチームを去り高校生になるまで無気力で過ごした。
入学式が終わって一週間が経過した。一週間も経てば友達付き合いにも慣れて、グループという物が形成されるだろう。だが、クラスに馴染もうとしない存在もいる。
名前は西川尚翔、入学式の後の一週間、ひたすら誰とも関わらずに学校生活を送っていた。
「ねえねえ芳乃ちゃん、今日は男子も募集してみないかな?」
「そうだねヨミちゃん、男子ももしかしたら経験者はいるかもしれないね!」
そんな声が聞こえる。確か野球部だったか。だが自分には関係ない。自分は中学で野球を辞めたんだ。一人で沢山のポジションを守れてもそれはあくまで補充要員ということだ。いくら自分一人が守備が上手くても高校野球は勝てない。かと言って自分にはホームランは滅多に打てない。打率も高いがいつも内野安打か単打だ。ガールズに特例で所属していた時もそうだった。しかしそんな予想を裏切り女子たちは自分に話しかけてきた。
「ねえ、西川尚翔くんだったよね?まだクラブは決まってない?」
「どこにも入っていないけど、何か用?」
「私たち、野球部なんだ。尚翔くん、体育の時にソフトボールでセーフティバントとか盗塁とかしてたよね。もしかしたら経験者だったりする?」
「確かに経験者だけど、野球部って停部明けで実質、メンバーが揃ってないんじゃないの?」
「実はね、あと二人なんだけど体験に来てくれない?」
「野球部か・・・・・・だけど俺は・・・・・・」
野球は中学で辞めるつもりだと言おうとすると今まで話さなかったもう一人の女子が叫び出す。
「あ!思い出した!尚翔くんは球姫ちゃんと同じ美南ガールズにいたチームで唯一の男子選手の西川尚翔外野手で県内随一の俊足と広い守備範囲、どこでも守れるユーティリティー性が持ち味の埼玉県内の盗塁王だよ!」
「え!そうなの!」
「まあそうだけど・・・・・・球姫?」
その言い方に疑問符を浮かべると、間髪入れずにもう一人が話しかけてくる。
「尚更、大歓迎だよ!放課後、グラウンドに来てね!」
「・・・・・・まあ、いいや・・・・・・分かった」
どうせ守備と走塁にしか取り柄のない万年控えの野球経験者なんて失望するだろう。自分の実力を知ってもらって失望してもらった方がいい。そう思いその日は放課後まで相変わらず無言で生活した。
放課後になり、グラウンドに向かうと総勢十名の女子が準備体操をしていた。
「あの・・・・・・昼間に二人足りないって言ってましたけど・・・・・・」
「あ!尚翔くん来てくれたんだ!早速、自己紹介してよ!」
そう言われて自己紹介をしようとする。
「えー、西川尚翔です。ポジションは・・・・・・」
「え・・・・・・尚翔・・・・・・くん?」
不意に聞こえたかつて聞き慣れた声に思わず振り返る。
「ん?・・・・・・え・・・・・・球姫・・・・・・?」
西川 尚翔
右投左打
背番号
7→14
能力
守備適正
外遊三
弾 道 2
ミート B 74
パワー E 49
走 力 A 87
肩 力 B 71
守備力 A 85
捕 球 C 62
特殊能力
チャンスC
対左投手B
ケガしにくさ E
盗塁 A
走塁 C
送球 C
回復 D
流し打ち
粘り打ち
内野安打
アベレージヒッター
バント職人
守備職人
チャンスメーカー
悪球打ち
逆境
プレッシャーラン
選球眼
主人公のベストな打順は?
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