「尚翔くんが・・・・・・なんで・・・・・・ここに?」
「・・・・・・球姫こそなんでここに?」
そこに居たのはなんと俺が一ヶ月前に別れを告げたはずの山崎球姫、本人だった。
「なんだ?二人は知り合いか?」
「おや?タマちゃんが浮気?」
「コラコラ、稜、ヨミ、水を差さない」
ボーイッシュな女子とさっきの女子が何やら怪しげな発言しているがロングヘアの先輩が止めに入る。
「とりあえずさっきの自己紹介の続きをしてもらっていい?」
キャプテンらしき人が続きを求められたので自己紹介を続ける。
「では改めて、西川尚翔です。右投左打のポジションは外野と二遊間とサードです。中学時代は特例で美南ガールズに入っていました。得意なのは守備と走塁です」
「ありがとう。私は岡田怜、キャプテンをやってます。あと、二年生だけど口調はそこまで気にしなくていいから」
「私は藤原理沙、怜と同じ二年生よ。よろしく」
このまま自己紹介が続くと思っていたが双子の妹の方が遮って練習に移る。ちなみに名前だけは一応全員から聞いた。
「じゃあ行くぞー!」
「お願いします」
場面は変わって現在マシン打撃をしている。今日から体験に来た生徒が俺以外に二人いたらしく先程、マシンで打ってた中村希さんは典型的な繋ぐバッティングをするアベレージヒッターだった。こういうバッターは三番か六番に欲しい。全てセンター返しにする辺り、かなりのバットコントロールの実力の持ち主だろう。そんな分析をしていると自分の番がやってくる。
「じゃあ行くぞー!」
「どうぞー!」
バットのヘッドを倒し、体を沈みこませるように構えマシンを見つめる。すると川崎さんが何やら怪しげな笑みを浮かべているのでこれは何かあるなと思うと、初球が放たれた瞬間、球速が異様に高い。予想の範囲内だったので足でタイミングを取らずにカットする。
「え!ノーステップ!?」
その一球に驚いたように二塁手の藤田さんが反応する。
「・・・・・・やっぱり・・・・・・昔のままだ・・・・・・」
「どういうこと?」
そう呟いた球姫の言葉に藤田さんが質問する。
「彼の・・・・・・いや、尚翔くんの最も得意なのは守備と走塁で打撃はそこまで得意ではなかったの。だから尚翔くんはカットして粘って、フォアボールかストライクを取りに来た球を低い弾道で外野まで持っていく。これが尚翔くんのスタイルなの」
「え、でも彼って芳乃が言ってた中学の通算打率って確か五割超えだったわよね?」
「それは打席で打てる球以外、全部カットしているからだと思うよ。多分、出塁率はもっと高いと思うよ」
「・・・・・・嘘でしょ・・・・・・県内最速の久保田さんの球をいとも簡単にほとんどカットしてる・・・・・・」
そんな会話を横耳で聞きながらひたすらにカット、たまに流し打ちを繰り返し、最後の一球は強く振り抜く。打球は三塁線の上を突き刺すように飛んでいく。
「ふ〜、終わりかな?ん?」
振り返ると俺のバッティングスタイルに見慣れた球姫以外皆、口を開け唖然としている。
「球姫・・・・・・これどうしたらいい?」
「普通に打てばよかったのに・・・・・・」
皆がフリーズから復活するまで三分程かかったあと、質問攻めを食らうのはまた別の話。
彼の打撃スタイルに関して言えば完全に俊足であること以外、オリジナルです。ちなみに作者はDeNAファンです。
主人公のベストな打順は?
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