一打席勝負(盗塁)に自ら負けを認め、野球部に入部してから次の日、今は球姫と練習の準備をしている。
「本当に良かったよ!尚翔くんとまた野球ができるだなんて!」
「そんなに嬉しいか?確かに辞めるつもりではあったけども・・・・・・」
「このことは和美さんにも教えてあげなきゃ!」
「え!?和美さんに伝える気!?あの人のオファー、蹴ったからなあ・・・・・・」
「和美さん、尚翔くんが野球をもうしないってこと言ってたら、練習に身が入らなくなって一度、二軍に落ちたらしいし」
「相変わらずあの人ムラが激しいなー」
「そこじゃないと思うよ・・・・・・」
「?何が?」
そこで会話が途切れてきたところで後ろから誰かに呼び止められる。
「あの!すいません!」
振り返るとそこには二人の女子がいた。
「何か?俺たちに用ですか?」
「あの!野球部の入部したいんですけど・・・・・・」
「「え!?」」
球姫と俺は顔を見合わせて首を傾げた。
場所は変わってグラウンド。野球部総勢11名が二人の自己紹介を聞いている。
「大阪から来ました!上原浩未(うえはらひろみ)です!ポジションはピッチャーです!」
「新井澪(あらいみお)です。ポジションはサードとファーストです。打撃が得意です」
二人の自己紹介に全員が拍手を送る。そして実力を確認するために軽いシート練習をする。二人とも経験者らしい。
「よろしくお願いします!」
まずは上原さんの方がマウンドに上がる。打席には俺が入り、いつも通りの沈み込む構えからバットを短く持ち一球目を待つ。そして上原さんが一球目を投げる。アウトローいっぱいギリギリのラインに攻めてくる。しかしバットを長めに持ち替えて強引にカットする。続くインハイのストレートもカットし、三球目は外に一球。更に四球目のインハイのストレートもカットする。ここで一旦タイムを球姫がかける。そして、マウンドに行きピッチャーに一言をかけ、バッターボックスに戻ってくる際にさらに一言、注意される。
「尚翔くん、いくら同い年の経験者だからってカットしてフォアボールを狙うのはずるいよ。次からカットは禁止!破ったら和美さんにまた野球を尚翔くんが始めたことを言うからね!」
「そ、それは勘弁してくれ」
「分かったらカット禁止!」
そう言って球姫はいつもの場所に座る。続く五球目は高めに浮いたボール球を見極める。カウント、ツーボールツーストライク。恐らくストライクを取りに来ると予測しバットを長めに持ち替え、息を吐きながらリラックスして構える。そして六球目を投げた瞬間、ノーステップで強引に体の手前でボールを流し方向に捌く。そして、打球は三塁線を鋭く破る。
「ありがとうございました〜」
若干、ふざけ気味に終わると続いて新井さんが打席に入る。
「ものすごく悔しそうだったけどなにかあったの?」
上原さんが球姫に宥められているのが見えたので同じ投手の武田さんに聞いてみた。
「きっと、尚翔くんに打たれたのがとても悔しいからじゃないかな?あっ」
「ん?あっ・・・・・・おーーー」
知らぬ間に進んだ新井さんと上原さんの対決は、新井さんが柵越えの当たりを出した。新井さんは少しはしゃいでいるが、上原さんは酷く落ち込んでおり、球姫が励ましている。そしてサラッと球姫はこちらをジト目でこちら睨んでいる。
「え、これって俺が悪いの?」
そんなちょっとしたイベントの間に怒涛の練習試合を組まれたのと球姫から和美さんに連絡がいったのはまた別の話。
ちょくちょく話が出てる和美さんは原作を改変して途中で登場するかもしれません。
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