「なんだ、この記事?」
自分以外に新たな新入生が二人入ったその夜、ある記事が目に入った。《今は何を?消えた逸材たち特集》と題されたその記事には多くの高校や中学でその名を轟かせ、プロや或いは高校で全く表舞台に現れない選手が書かれていた。そして最後の一人の欄に西川尚翔、と書かれていた。記事には中学時代の写真と共に多くの批評がなされていた。そして埼玉の超競合、梁幽館、隣県の強豪校、聖桜大伊勢崎の勧誘されたこと、同い年で同じく前述の二校に入学した選手が列挙され、最後にはこう書かれていた。
《彼ほどの逸材が幾ら男子だからといって野球やってはいけない理由はないはずだ》
最後に一文を読み終えて、スマホの電源を落とし眠りについた。
翌日、練習試合が組まれたことを芳乃さんが発表したがオーダーは発表しなかった。練習の後、芳乃さんとキャプテンに呼び止められる。
「尚翔、少し良いか?」
「岡田先輩?どうかしたんですか?」
「えっと、明日のオーダーについてなんだけど・・・・・・余り決まってなくて・・・・・・」
「なるほど、でもなんで俺?」
「最初に球姫に聞こうと思ったら、尚翔はプレイヤーになる前は編成、戦術担当だったって聞いてな」
「分かりました。現段階で最も勝てそうと思うオーダーを見せてください」
「これだけど・・・・・・」
そこには、
中村 1B
西川 CF
山崎 C
岡田 LF
藤原 3B
川﨑 SS
藤田 2B
川口 RF
武田 P
と書かれていた。
「このオーダーは確かに完成されている。でも、二番が俺じゃ余り意味が無い。多分、俺をスタメンから抜いて息吹さんをレフトへ、空いたライトに大村さんを入れた方がいいと思う。打順も変えたほうがいい」
新しいオーダーは、
中村 1B
藤田 2B
山崎 C
岡田 CF
川﨑 SS
藤原 3B
武田 P
大村 RF
川口 LF
と書いた。
「これって・・・・・・尚翔が出ないのにいいのか?」
「構いません、大村さんは今はロマン砲ですが、ボールに当たるようになると率も残せる長距離砲になれる。息吹さんは粘るバッティングで厄介な下位打線になれる。俺はどこでも守れるから編成サイドはスタメンとしては使いづらいと思います。俺は最悪、試合に出れなくても構いません」
「確かに!二人の成長を考えるとこの打順がベスト!明日はこれで行こう!」
そう言ってハイテンション気味に芳乃さんは部室に消えていった。一方、その場に残っていたキャプテンも怪訝そうな顔を浮かべながら、部室へ向かっていた。その場に残った俺は一言、こう呟いた。
「これで、よかったんだ」
そして涙をこらえながらしばらく立ち尽くしていた。その姿を誰かが見ているとも知らずに西川尚翔はただ目に溜まった涙を拭って帰途についた。
「・・・・・・・・・・・・尚翔くん」
さて、彼の本音に気付いたのは果たして誰か?次回に乞うご期待!
主人公のベストな打順は?
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1番
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2番
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3番
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6番
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下位打線