ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

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ポケモン二次創作を読んで書いてみました。


幼少・小学生編1.なんか違わない?

 

「あれ…指輪がない…。どこいった!指輪!」

 

「ちょっと、タツキ!朝から何騒いでるの!起きたんなら降りて来なさい!朝ごはん出来てるからね!」

 

「志穂か?…いや、志穂の声じゃねぇな。てかよくよく見るとここ実家の俺の部屋?それにこの二段ベット学生の頃に捨てたよな…。」

 

ゆっくりと部屋を見回し自分の記憶と照らし合わせる。おかしな事に部屋の内装は自分が小学生低学年の頃の内装をしていた。

 

「てか、そんなことより指輪!大事な結婚指輪がない!」

 

左手の薬指にしていたはずの指輪がない事を思い出し、このままでは、妻の志穂に絶対零度顔負けの冷たい目線で睨まれる可能性が高い為すぐに探さなければと体を動かしたその時

 

「朝からうるさいわよ!起きたならさっさとご飯食べなさい!」

 

ドアから若かりし頃の母が姿を見せた。

 

 

北陸地方に住む俺こと神原達樹(かんばら たつき)は今年で30になる。2年前に結婚し、娘も最近2歳の誕生日を迎えたばかりだ。昨日も家族3人で休日を過ごし、妻と娘の寝る横で眠りについたはずだった。

 

若かりし母の襲来の後、自室を調べてみると驚く事が山のように出てきた。まず、どうやら今日は、俺の5回目の誕生日らしい。(誕生日が以前の人生と同じであるならばだが…)更に今回の人生では以前と同じ名前だが漢字表記ではなくカタカナ表記のタツキである事。

本当に5歳ならまだ志穂とも出会っておらずもちろん結婚もしていない為、指輪も無くて当たり前なのだ。

さらに前世ではこの歳の頃は本棚なんて部屋になかったが今回は本棚があり、何冊か本が収まっている事。中でも1番驚いた事は、本棚に収まっている本全てがポケモンに共通している事である。しかも題名[ポケモンとの触れ合い方]や[強いトレーナーに必要な事][旅で失敗しない10のコツ]と書いてあるのである。

 

思わず手に取り中身を確認する。読み進めると今までの現実とはかけ離れた世界がそこにはあった。

 

・10歳からトレーナーIDの発行が可能

・トレーナーIDを持っている人は年齢に関係なくポケモンを鍛える旅に出る人が大半だという事

・ポケモンはあらゆるところに生息しておりタマゴが発見される事もある

・各地方により特色は異なるものの手持ちのポケモン同士を戦わせるポケモンバトルが大人気

・持ち歩けるボール数に制限はないがバトルで使用出来るのは6個である

 

などなどその他にも色々と書いてあったが、そのどれもがまるで現実にポケモンが存在しているかの様な書き方だったのだ。

 

本を手に取り呆然としていると窓から朝日が差し込みタツキの顔を照らしていく。

 

「眩しっ!」

 

そう言いながら腕で窓から入る朝日を遮りながら窓の方を見てタツキは、持っていた本を床に落とす。窓から外を見てみればポッポやオニスズメ、マメパトなどの鳥ポケモン達が囀りながら大空を飛んでいたのだ。

 

「嘘だろ…。ポッポにオニスズメ、マメパトまで。本当に飛んでる。生きてる!!」

 

現実にポケモンが存在し興奮したタツキの声が大きくなる。窓に張り付き外にいるポケモン達を食い入る様に見つめていると

 

「何度も言わせない!起きたなら朝ごはん食べなさい!今日はおじいちゃんの所にポケモンのタマゴをもらいに行くんでしょ。早く準備しなさいね!」

 

案の定、母の襲来を受けてしまう。しかし母の話を聞きまたもや思考が鈍くなる。

 

(タマゴ?もらいに行く?…えっ?タマゴもらえるの?しかも今日?)

 

「母さん!今日タマゴもらえるの⁈」

 

「何言ってるのよタツキったら、おじいちゃんの家の小屋にいつの間にかタマゴがあって、あんたの誕生日が近いからくれるって言ってたの忘れたの?昨日もやっとタマゴが貰えるって言ってはしゃいでたじゃない。」

 

「…そうだったね。ちょっと寝ぼけてたみたいだ。でもタマゴ楽しみだよ!でもさ母さん。何で小屋にタマゴがあったの?」

 

「それがわからないのよね。律儀にシートの下に隠すみたいに置いてあったからきっと人が捨てたんだと思うんだけどね。最近増えてるみたいよ。」

 

かつての世界では達樹もポケモンファンであった。主にゲームが主体ではあったが、初代から最新作の剣盾までしっかりとプレイしておりポケモンの孵化活動から型を分けての同種ポケモンの育成など所謂廃人というヤツである。そんな延々とタマゴを産ませ、孵化させ理想の個体のみを育てる事をしていた達樹だが現実の世界で実際にポケモンが生きている事を目の当たりにしその考え方に一種の忌避感を感じていた。

 

(もうポケモンはデータ上の存在じゃないんだ。それぞれがひとつひとつの命なんだ。そう考えると厳選作業は鬼畜の所業だな。)

 

「こういう時こそカリンさんの名言を思い出さないとな!『つよいポケモン よわいポケモン そんなのひとのかって ほんとうにつよいトレーナーなら すきなポケモンでかてるように がんばるべき』まさにその通りだよな。とりあえずまだIDがもらえるまで後5年ある、その間にいろいろな事を調べないと。それに今日貰うタマゴのポケモンも鍛えないとだしな。」

 

今後の何となくの予定を立て、朝食へ向かう。

今日の朝食はご飯に味噌汁、目玉焼きにウィンナーだった。朝食を掻き込み、身支度を整えたところで父の準備が出来るのを二階にある自室で本を読みながら待つ。

 

「おーい、タツキ。準備出来たから行くぞー!」

 

一階から父の声が聞こえ、それまで読んでいた本を閉じ棚に戻す。

部屋を出て玄関で待っている父の元へ向かうのであった。

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