ダイゴに宣戦布告したタツキは、ポケモンセンターでポケモンの回復後、ポケモン達と軽食を食べながらムロタウンの事を考える。
(ムロに行ったらとりあえず石の洞窟で全体的にポケモン達を鍛えてジム戦だな。)
食事を終えるとポケモン達をボールに戻し、トウカシティの外れの船着場へ向かう。途中トウカの森があるが比較的に小さな森で迷う事もないとの事で手持ち達を鍛えながらサクサクと進んでいく。
トウカの森を抜け、船着場へ到着。
この船着場は、ハギという老人が取り仕切っておりカイナシティ・ムロタウンへの定期便が出ている。
定期便が出ているからか、お土産売り場や食堂などもあり、多くの人で賑わっていた。
タツキは、ムロタウン行きの定期便のチケットを買うと既に乗り込みが始まっていた船へと乗り込む。
船に乗る事30分程、タツキはムロタウンに降り立ち町をみる。
(やっぱりここも現実だとそこそこ建物があるな。)
ゲームではフレンドリィショップも無く、民家も数軒しかなかったがこちらの世界では、しっかりとした町としてフレンドリィショップはもちろんのこと役場などの公共機関の建物もあり、港町として賑わいを見せていた。
(ポケモンセンターで一度回復してもらってから石の洞窟だな。)
と当初の予定通りにポケモンの捕獲、手持ち達の育成の為動き出す。
石の洞窟に着くと早速予定通りに育成を開始。
今回のジム戦では、グライガーを主体に戦う予定の為グライガーを中心にバトルを行なっていく。
(ルビー・サファイアが出た時は、ココドラとか新ポケモンに心躍ったよなぁ。)
と石の洞窟に懐かしさを覚えながら、洞窟の中を奥へと進んでいく。
(確か、この先にカイオーガとグラードンのゲンシカイキの壁画があったんだっけ?)
と石室に入るとそこには、先客がいた。
タツキは、まさかダイゴか⁈と思うもその姿は帽子を被り大きなリュックを背負ったただの山男であった。
お互いに会釈をし、山男が先に石室を後にする。
石室に1人になったところでゆっくりと壁画を見る。
(この壁画があるって事は、エピソードΔ《デルタ》があるって事だよな。とすると隕石とデオキシスをどうするかが問題だな…。いっその事こと、ホウエンでチャンピオンになったらあいいろのたまとべにいろのたまを少し借りて先にカイオーガとグラードンを捕まえるか?こんげんのはどうとだんがいのつるぎで隕石が壊せるか?安全牌でレックウザのガリョウテンセイも必要になるな。レックウザ…。そらのはしらか…。チャンピオンの権限で入れるだろうが果たしてレックウザが現れるかどうか…。一度調べる必要があるな。)
タツキは壁画を見ながら今後の事を考える。
隕石が本当に落ちでもしたらゲームではホウエンが消滅すると言われていたが、実際はそれどころかニホンの危機だ。
前世の知識でこの先の、大まかな未来がわかる為最悪の事態を回避しなければいけない。幸いまだ5年程時間があるため準備はしっかりと出来る。本音を言うと伝説のポケモンと言われる存在を近くで研究したいと言った研究者魂みたいなものが動機の大半を占めているがそれは秘密である。
(さて、見るもの見たし捕まえるポケモンも捕まえた。手持ち達の育成も今の段階での部分は終わらせた。ジム戦行きますか。確か、カイナシティへの定期便は最終が18時だったな。今が16時半か。余裕で間に合うな。)
タツキは、そう考えると足早に洞窟の出口目指し歩いて行くのだった。
洞窟から出たタツキは、一度ポケモンセンターで回復してもらいジムへ向かう。
*** ***
「やっぱグライガーのつばめがえしでワンパンか…。」
ムロジムでのジム戦をサクッと終わらせたタツキは、船着場でカイナシティへの定期便を待ちながらため息を吐く。
戦略的なバトルをしたいが相手がタツキのポケモンの技に耐えられずワンパンと言う展開が続いている。
(こりゃ、チャンピオン大会までお預けかな。このままじゃ俺まで脳筋みたいだ…。)
そう思うとまたため息が出てしまうタツキ。
気がつくとカイナシティ行きの定期便が来ており、乗り込みまであと少しとなっていた。ゆっくりと乗り込み用のドアの所まで歩いて行くとその途中でドアが開き、係員の乗り込み開始の声が聞こえる。
そのまま定期便に乗り込み、空いたスペースに横になる。
カイナシティまでは30分と室内の電光掲示板に表示されており、タツキは静かに目を閉じたのだった。
無事カイナシティに到着したタツキ。
船着場を出たところで自らの失敗を悔やんでいた。
(すてられぶね、ORASだとニューキンセツだったか?見忘れたよ。前世では位置的に軍艦島だもんな。一回は見てみたいと思ってたのに。予想より疲れてたのかな…。まぁ、後で行けばいいんだけど船から見たかったよなぁ…。)
と考えながらもポケモンセンターを目指し歩き出す。
海岸沿は砂浜になっており、夏休みという事で海の家も盛況だったのだろう。従業員が複数砂浜に出ている椅子やテーブルなどを片付けている姿が見える。
少し進むと朝市をする区画なのだろう、祭りの出店の様な骨組みが見え、ブルーシートが掛けられている。朝になると多くの人で賑わうのが想像できる。
(明日は、少し早く起きて来てみても良いかもな。)
そんな事を考えながら歩いていると目的のポケモンセンターへ到着した。
タツキは、ポケモン達を回復してもらっている間に設置されているパソコンでオダマキ研究所へ連絡を入れる。
数回のコールでパソコンのモニターにオダマキ博士の顔が映し出される。
『タツキ君、今朝ぶりだね。どうだい?順調かい?』
「オダマキ博士、こんばんは。目標通りバッチを2つ手に入れました。」
『さすがタツキ君だ。1日に2つか。順調じゃないか。それで、何かあったかい?』
「博士にお願いしたい事がありまして。」
『お願い?僕に出来ることなら何でも言ってよ。』
「実は、どくどくだまをお持ちであればいただきたいのですが…。」
タツキは、今後グライオンに持たせるためのどくどくだまを持っておらず、ホウエン地方で手に入れる為にはバトルフロンティアに行かないと行けないのだ。しかし、バトルフロンティアは一部の強豪トレーナーのみ立ち入りを許される特殊な施設であり、今のタツキでは実績がなく入場出来ない為、博士の力を借りたいのだ。
『どくどくだまか…。以前研究所で助手の誰かが使い道について研究していた筈だから聞いてみるよ。返答は明日でも大丈夫かい?』
まさか身近に研究していた人がいた事に驚いたタツキだがこれも巡り合わせと思い、感謝の念をその助手へ送る。
「大丈夫です。明日の10時頃にこちらからまた連絡するかたちで良いですか?」
『あぁ、それまでに確認しておくよ。』
「すみません。よろしくお願いします。それでは。」
『いや、こちらこそ多くのポケモンのデータをありがとう。じゃあ明日ね。』
通話が終わり、ホッと息を吐くタツキ。
(これで譲っていただければグライオンの戦略が完成する。後は、ムラっけオニゴーリだな。)
前世でバトル環境を荒らした新たな手持ちへとタツキは思いを馳せる。
(ただ、ムラっけは夢特性。この世界で厳選はしたくない。うまく出会えるかが鍵だな。)
「そろそろみんなの回復も終わったはず、飯食って休むか。」
そう口にすると椅子から立ち上がり回復窓口へと歩いていく。