ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

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皆さん、本当に毎度毎度誤字・脱字が多くてすみません。
ご協力感謝します。


22.無理でしょう

 

 

翌朝、いつものルーティンの為オダマキ家から出る。

ポケモン達をボールから出すとタツベイを含む手持ち達が姿を現す。

保護したタツベイ種達は色々と立て込んでいた為、一時ボックス預かりとなっていたがこのタツベイだけは、是が非でも離れない!とタツキの足にしがみ付き離れようとしなかった為、こうしてタツキの元にいた。

 

タツベイは、シャモ達の姿を確認すると手持ち達の前まで行き、勢いよく頭を下げた。

 

その姿に驚くタツキだったが依然として頭を上げないタツベイ。

 

「シャモ、シャーモ!」

 

とシャモが声をかけるとバッ!と擬音が聞こえそうな速さで頭を上げ手持ち組を見る。

ゆっくりと手持ち組が近付きそれぞれコン!とタツベイの頭を小突いていく。

 

「サー、ナイッ!」

 

フェルが一声かけ、微笑みかけるとタツベイは何度も頭を下げ、ボロボロと涙を流す。

その様子を見た手持ち組が慌てだし、それぞれタツベイの頭を撫でていく。

 

どうやら頭を小突いた事で今回の事は水に流すらしい。その対応に感極まったタツベイが泣き出し、他は慌てるといったホームドラマみたいな落ちである。

 

それを見てタツキは笑い出す。

そんなタツキにフェルが近寄り微笑みながら地面を指差す。

 

「どうした?」

 

フェルの隣でシャモが正座しており、厳しい目でこちらを見ている。

 

「正座しろって?」

 

立ち上がったシャモも含め、タツベイ以外の全員が頷く。

タツベイはグライオンの背中から顔を覗かせている。

 

「いや、どうしたフェ「サー!」

 

タツキの声を遮り珍しく語尾を強めたフェルが再度地面を指差す。

何も言わず正座するタツキ。

それから10分ほど手持ち組からお小言を頂き、改めて皆んなに心配をかけた事を理解する。

 

「ごめん。もう、しない。とは言えないけどもっと皆にも頼らせてもらうよ。」

 

タツキは手持ち組に対しそう口にする。

手持ち組は頷きそれぞれがタツキを抱きしめる。

 

(本当皆んなに心配かけちゃったな。)

 

と改めて反省するタツキ。時計を見るとオダマキ家の面々も起きてくる様な時間となり、オダマキ家へと戻る事にする。

 

オダマキ家へ戻ると既に博士もハルカちゃんも起きており、お互いに朝の挨拶を交わす。

 

「そうだ、タツキ君。君のご両親達は昨日の夜の便でこちらに向かうと言われてたから午前中にはミシロに到着予定だよ。」

 

昨日の通話時にお互いの連絡先を交換した父とオダマキ博士が夜も連絡をとっていた様で到着時間の報告を受ける。

 

「そうですか。わかりました。では研究所で待っていた方が良いですね。」

 

「そうだね。それなら入れ違いにならないだろう。」

 

鬼が到着するまであと数時間。

 

朝食を頂いて少しの休憩を挟み、博士と一緒に研究所へ向かう。

昨日のドタバタでボックス預かりとなっていたタツベイ種達を研究所のポケモン用のスペースへ出していく。

初めは、キョロキョロと辺りを見回していたタツベイ種だったが他のポケモン達の少ない木陰に移動して固まりだした。タツキは同じく保護したタマゴを体格の大きいコモルーの周りに置く。

 

「ギャァグ」

 

とコモルーが一鳴きするとタツベイ達がタマゴの周りに座り込み、その周りにコモルーが座り始める。

 

「ボーマンダの治療に時間がかかってる。もう少ししたら様子を見に行ってくるからこれからの話は、ボーマンダが帰ってきてからにしよう。」

 

タツキが体格の良いコモルーにそう告げると

 

「ギャ」

 

と返答がくる。

そんな事をしていると研究所の入り口が騒がしくなる。

タツキが研究所の中に戻ると、神原一家が到着した様で父もとい鬼がこちらに向かって来た。

 

  ゴンっ!!

 

「痛った!」

 

「何が「痛った!」だ!バカヤロー!心配かけさせて!怪我の事だってオダマキ博士が言わなかったらこれからも言わないつもりだったんだろうが!」

 

と久しぶりに会った父から鉄拳制裁をくらい、ガミガミと1時間みっちりと絞られた。

 

「すみませんでした。以後気をつけます。」

 

研究所の床に正座したタツキは、腕を組み仁王立ちする父に向かい頭を下げる。

 

「本当に心配したんだから!生きてて良かったわ。」

 

溜息を吐きながら母からもお小言を頂く。

 

両親からの説教が終わり、タツキはボーマンダの様子を見る為ポケモンセンターに向かいたいと告げる。

研究所の面々以外に何故か神原一家も付いてくる事となった。

オダマキ博士とタツキを先頭にポケモンセンターを目指す。

 

ポケモンセンターに到着するとオダマキ博士とタツキを見たジョーイがこちらです。と治療室へ案内する。

治療室はポケモンを横にする寝台があり、万が一ポケモンが暴れても大丈夫な様に半分から強化ガラスで区切られている。今はボーマンダが寝台に横になっていた。

 

強化ガラス越しにボーマンダの様子を見る。

ボーマンダの身体は血液が拭き取られ、綺麗な青い体色が見える。しかし落石の傷痕は痛々しく、右眼は傷付き白く濁っており左の翼は千切れ右翼と比べても三分の一程の大きさしか無かった。

ジョーイから詳細な説明を受ける。

タツベイをボールから出しタツキが抱え、一緒に説明を聞く。

 

「正直言いまして、タツキ君があの場にいなければ間違いなくあの子の命はなかったでしょう。それほどの重傷でした。見ての通り、右眼は落石で傷付いた箇所から細菌が入り込み、現在は殆ど見えていないでしょう。左翼の状態から見ても今後飛べる様になる事はまず不可能と言えます。もちろんバトルなんてとても出来る状態ではありません。今の状態ではまず野生で生きていく事は出来ないでしょう。どうされますか?」

 

タツキ自身も流星の滝で見た時から何となく予想はついていた。

しかし、専門家ならと淡い期待に縋ったのだが結果は変わらなかった様だ。

タツキが抱えているタツベイも大きな瞳に涙を溜め話を聞いていた。

 

「少し、時間を下さい。」

 

タツキはそう言うとボーマンダのいる部屋へ入っていく。

両親が止めようとするもタツキの方が速かった。

 

「ボーマンダ。すまない。」

 

タツキはボーマンダの目を見て頭を下げる。

ボーマンダはその間目を逸らさずタツキを見つめていた。

 

「助けると言ってお前をここに連れてきた。でも後遺症なんかで野生じゃ生きていけないらしい。専門家にそう判断されたポケモンを野生に帰す事は俺には出来ない。」

 

その話を聞いてもボーマンダは目線を逸らす事はしなかった。

 

「だから俺のところに来い。」

 

タツキの一言にボーマンダは目を見開く。

まさか、そんな事を言われるとは思っていなかった様だ。

 

「約束通り他の奴らは野生に戻す。あいつらはお前が護ったお陰で怪我らしい怪我をしてない。十分野生で生活できる。でもお前は違う。だから俺のところに来い。俺のところでポケモン達の世話をしてくれないか?」

 

するとタツキの腕からタツベイが飛び出し、ボーマンダと会話を始める。

数分会話が続き、笑顔でタツベイがタツキの腕の中に戻って来る。

ボーマンダはタツキに頭を下げ、最初にボールに入った時と同じ姿勢をとる。

壁際の机に置いてあったモンスターボールを手に取り、ボーマンダの頭に当てる。

ボーマンダが光となりボールに吸い込まれていく。

 

ボールの揺れが収まると腕の中でタツベイが大喜びしていた。

 

タツキは皆んながいる部屋へと戻るとジョーイに

 

「ボーマンダは俺が引き取ります。」

 

「良いのですか?」

 

「気にしてません。大丈夫です。」

 

そうジョーイに告げる。ジョーイは一度目を瞑り。

 

「わかりました。あなたにお任せします。」

 

と言ってくれた。

 

一行はポケモンセンターを出て研究所へ戻る。

研究所のポケモン用のスペースへと戻って来た。

タツキが姿を見せるとそれまで横になっていたタツベイ種が身体を起こす。

タツキは近づきボーマンダをボールから出す。

タツベイ種が一斉にボーマンダに駆け寄り声をかける。

ボーマンダも一鳴きし、こちらを見る。タツキは更に近づきボーマンダの隣に座る。

 

「みんなも見てわかるだろうがボーマンダは野生に戻れない。そこまでの力は戻らなかった。」

 

タツベイ種もボーマンダの姿を見てわかっていたのだろう。抗議の様な声は上がらなかった。

 

「ボーマンダは広い場所が確保出来たら、俺のところで捕まえたポケモン達の世話をしてくれる事になった。お前達はどうする?俺は約束通り野生に帰す事も考えてる。」

 

そう言うと、タツベイ種達は皆俺に身体を擦り付けて来る。

 

「良いのか?今は広い場所もなくてこんな風に外に出してやる事も難しい。今までみたいな自由な生活も難しいんだぞ。」

 

タツキの言葉を聞いて体格の良いコモルーがタツキの足に身体を擦り付けて来る。

 

「わかった。なら皆んな俺の所に来い。いつか自由に走ったり飛べる場所を用意すると約束する。」

 

「タツベイ達が良ければタツキ君の準備が出来るまでここにいると良いよ。僕にもそれくらい協力させてくれ。」

 

タツキはオダマキ博士の言葉に驚いて振り向く。

 

「君は僕の助手だろ?」

 

ウィンクをしながらタツキを見るオダマキ博士。

 

(女だったら惚れてたかもな…。)

 

と苦笑いをしながら感謝の言葉を述べる。

 

「そうと決まれば今日はボーマンダ一家の引っ越し記念だ。仕事はやめてBBQでもしようか。」

 

オダマキ博士の提案に研究員達の喜びの声が響く。

 

 

場所を所長室に移しオダマキ博士と神原一家の話し合いが行われていた。

オダマキ博士は昨日伝えた論文の他にもう一つオーキド博士も加わり全く新たな理論の論文をタツキが書き上げ、近いうちに学会で発表される事が決まったと両親へ伝えた。

 

神原夫妻は自分達の息子が?と半信半疑だったが論文を見せ、タツキ自ら説明すると納得せざるを得ず、驚いてばかりだった。

更に2人を驚かせたのは、この論文の功績でタマムシ大学携帯獣学科博士号課程の通信教育課程への推薦が貰える事がほぼ確定していると言う事だった。

この世界では、ポケモンに関してではあるがこの様な飛び級と呼べる事が容認されている。

それは、ポケモンの事をより多く知る為の人材を埋もれさせておくのは世の損失という考えがあるからであった。

 

早ければ来年の4月から通信教育ではあるが小学5年生と大学生の二足の草鞋になる。

両親は大変喜んだがその一方で友達と遊びに行ったりと普通の小学生らしい事もして欲しいと思っていた。

 

そんな話をしていると昼時となり、一行はオダマキ家にて昼食をいただいた。

母のアズサはオダマキ夫人と気が合った様でお互いの旦那のことをあーでもない、こーでもないと話が弾んでいた。

妹のミオリはハルカちゃんが小さく可愛らしい事もあり妹が出来たみたいだと喜んでいた。

 

そんななか、タツキは父から旅の目的の進捗状況を聞かれる。

 

「そう言えば、バッジ集めは順調なのか?」

 

「あと三つ。」

 

現在獲得したバッジを見せながら答える。

これには、神原夫妻が再度驚く事になった。正直、三つでも獲れたら頑張った方だと思っていたがまさかの後三つである。予想と現実が反転してしまっていたのだ。

 

昼食後、神原一家はオダマキ夫人と一緒にBBQの買い出しに来ていた。

研究員やポケモン達を入れると相当な数になる。数人で手分けして荷物を持ち、持ちきれない分はフェルのサイコキネシスで浮かせて運ぶ。

神原夫妻は進化したフェルに驚き、ミオリはフェルがお姉ちゃんになった!と抱きついた。

フェルも抱きついてきたミオリに驚くも優しく受け止め、頭を撫でる。

 

無事研究所まで荷物を運び終える。

神原一家がタツキの手持ち達を見たがりBBQ会場でもある先程のフリースペースに来ていた。

タツキはボールを取り出して一斉に投げる。ボールからポケモン達が出てきてタツキの前に並ぶ。

 

「シャモも進化してる!」

 

ミオリの元気な声が響きシャモに抱きつく。

 

(お前は抱きつかないとダメなのか?)

 

そんな事を思いながら一体ずつ紹介していく。

神原夫妻は進化している事もそうだが一眼見てわかるほどに手持ち達のレベルが高い事に驚いた。

 

「そう言えば、ポチエナは元気か?」

 

タツキはミオリにあげたポチエナが元気にしているのか気になった。

 

「おいで、エナちゃん。」

 

そう言うとミオリはボールからポチエナを出す。

ニックネームはエナちゃんらしい。

ポチエナは出て来るやミオリの足に擦り寄る。タツキの存在に気がつくと尻尾を振りタツキに駆け寄る。

 

(前世では、ハイエナがモチーフと言われていたがこうやって見ると本当に犬だな。)

 

と思わず苦笑いをしてしまう。

 

そうこうしてる間にBBQか始まり人もポケモンも騒ぎながら日が暮れていくのだった。

 

 

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