ポケモンと現実の混ざった世界で   作:チュロッシー

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3.初めての図書館

タマゴをもらった日から1ヵ月が経った。

あの日驚く事にタマゴを抱えて家に帰ったら母からもプレゼントと称してタマゴをもらった。まさかいきなり2つもタマゴがもらえるとは思っておらず呆然としながらも嬉しさからニヤニヤとしてしまう俺を横目に父が玄関前で崩れ落ちていた。

 

どうやら実の父以外にも妻にも先を越された事での精神的なダメージが大きかったのだろう。今のところ俺には、よくわからないが…。なんとなくそんな気がする。

 

この1ヵ月、幼稚園に行く以外はずっと2つのタマゴと一緒にいた。風呂に入る時も一緒に入り、寝る時も一緒。休みの日は、公園なんかにも散歩に出た。一番のお気に入りは、父が庭に敷いてくれた芝生の上でタマゴを抱え本を読む事。幼稚園ではゆっくりと本が読めない為、体力作りの為に走り回っている。

一方、家ではこの世界の常識やポケモン関連の知識の吸収の為読書をしている事が多い。

 

そして、多くの本を読んだりTV中継されるバトルを観て「あれ?」と思う事がある。

 

ポケモンの技には、大きく分けて攻撃技と変化技の2種類が存在する。これは、前の世界ではポケモンのゲームに少しでも触れた事がある人なら誰でも知っている事である。

しかし、この世界ではどの本を読んでも、どんなバトルを観ても全くと言っていい程変化技が出てこない。たまに目眩し程度にフラッシュや砂かけを使っているのを観るくらいである。

この事を不思議に思い、休みの日に母に町の図書館に連れて行ってくれとせがんだ。

 

母も息子が本をよく読む事は、もちろん知っており特に変な目をされる事もなくあっさりと連れて行ってくれた。

 

「…マジか。この世界、変化技の効果が解明されてないのか…。」

 

調べてみると変化技については、全くと言っていいほどに研究がなされていなかった。

この世界でのバトルは攻めて攻めて攻めて最後に立っていた方が勝ち、みたいなまるで脳筋全開なバトルが横行しており、バトルが強い=脳筋。変化技を使おうにも効果がよくわからず、その間に脳筋に攻め込まれる為、単純に一手の損になるようだ。

そのためバトルに勝ちたいなら脳筋になるしかなく、誰も積極的に変化技を使ったり研究したりしようと思わなかったらしい。

 

「なんと嘆かわしい。この世界の人達は力押しのバトルしか知らないのか…。特性・性格・技構成、そしてそれらを活かす戦略に基づいた綿密なバトルを知らないなんて…。」

 

俺は、この世界のバトル事情に憂鬱な気分になりながらも、それなら俺がこのバトル界の流れを変えてやると意気込むのに他に理由は要らなかった。それに検証やらをしたら論文でも書いてオーキド博士あたりに送ってみようと思う。

この世界、以前の世界とポケモンの世界が良くもまずくもごちゃごちゃになった世界のようで原作キャラクターの方々もしっかりと存在していた。

 

オーキド博士はもちろんポケモンの研究と言えば真っ先に名前が挙がるほど有名な研究者で日本のカントー地方のマサラタウンに研究所を構えてらっしゃる。マサラタウンは長閑な町とガイドブックに書いてあったがそれでも前世では位置的に伊豆が近いので人の数も多い事だろう。

 

国や地方も混ざり合っているようで、以前の世界の関東地方にそのままカントー地方がすっぽりと収まっている。町の名前は基本的にゲーム内の名前と変わらないらしい。国名はニホン。首都はトウキョウト。そしてカントー地方はトウキョウトを含む周辺一帯を指す言葉で、そして何故かカタカナ表記である。

 

ジョウト地方は関西方面に収まっており、変わらず賑やか、はんなりしているらしい。

シンオウ地方も存在しており、以前の世界の北海道にそのまま収まっている。ホウエン地方はもちろんモデルとなった九州・沖縄地方に収まっている。

 

ポケモンリーグやチャンピオンはどうなっているかと言うと、ニホンポケモンリーグ協会がニホンのトップである。その下に地方ポケモンリーグ協会があり、チャンピオン達はこの地方ポケモンリーグ協会所属となる。

そのため現在ニホンでは、国内に3つの地方リーグが存在している。

カントー・ジョウトリーグ、シンオウリーグ、ホウエンリーグの3つである。

リーグ挑戦の為には、ゲームなどと変わらずその地方のジムに挑戦しバッチを8つ獲得しなければいけないようだ。

 

この他にもトーホク地方や俺の棲むホクリク地方、シコク地方なども存在するが未だジムの規定を満たしていなかったりとリーグの整備が出来ていない地方もある。

 

「なるほどね。地方関係は前世?からの知識として知ってるし、ポケモン関係も最新作までプレイしてたんだから油断は禁物だけどこの世界の人よりは、圧倒的なアドバンテージだろうな。」

 

と独り言を呟きながら借りていた本を棚に返し、ソファで雑誌を読んでいた母に近づいて行く。

 

「母さん、ありがとう。読みたい本読んじゃったからもう良いよ。」

 

「もう良いの?なら夕飯の買い物しながら帰ろうかな。荷物持ちお願いね。」

 

「任せてよ!幼稚園でも一番の力持ちなんだよ!」

 

買い物も済ませ、母の運転する車に揺られながら俺は、これからの事を考えていた。

 

(10歳になったら旅をしたいけど現実的に考えて難しいよな。となると夏休みを利用して一つの地方を重点的に周った方が効率的かな。

この世界のバトルと俺の知ってるバトルなら一月もあればバッチを8つ集めるくらい何とかなるだろう。ネックは、ゲームの様にターン制じゃないって事だけどこれは、10歳になるまでに慣れておけば良いな。

あと、どの地方から行くかは産まれたポケモンを見て決めよう。

カントー、ジョウトは夏休みじゃなくてもゴールデンウィークでも行けそうだから候補はホウエンかシンオウだな。)

 

「ほらタツキ、荷物下ろすの手伝って。」

 

長々と考え事をしていると車は、既に自宅へ着いていた様だ。

 

「今手伝うね(まずは、この子達が産まれてからだな。)」

 

リュックに入っている2つのタマゴを撫で、荷下ろしの手伝いに向かうタツキであった。

 

 




すいません。
全然ポケモンが出てこない…
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